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第十話「喧嘩の理由」

「ううん、気持ちの良い朝だ」


 おはよう皆!

 剣士である海斗。復活したぜ!

 え? 何? ゴブリンやられたことがどうかした?

 なあに、あれはただ油断しただけ。

 あの時は飯もまともに食ってなかったし。

 飯を腹一杯食った俺は無敵だ。


「おや、元気だね海斗。昨日のやつれっぷりはどこいった?」

「吹っ飛んだ」

「はあ、これはもう一回痛い目に合わないと分からないようだねえ」

「うるせえフィル。飯もたら腹食い終わった今、俺はどんな依頼でもこなせる自信がある!」

「その脳内お花畑っぷりが羨ましいよ」


 相変わらず一言多いなフィルは


「おはよう。早いね海斗」

「安奈と海斗。おはよう」


 安奈とオッサンが食卓へ降りてきた。


「おはようございます。ええと」

「そういえば名乗っていなかったね。僕はタラクス。改めてよろしく頼むよ」


 オッサンはタラクスというのか。

 次からはタラクスと呼ばせてもらうぜ。


「海斗。昨日は大丈夫だった?」

「なあに、昨日は腹が減って元気がなかっただけだよ」


 安奈が俺を心配するもんだから元気アピールしておいた。


「安奈様騙されないでください。昨日はゴブリンに怖気うぬぬ」

「はあい。フィルも腹減っただろう。ご飯を口に運んでやるよ」

「よせ! 俺は食べなくてもいい体質だし、貴様のやり方は強引だああ!」

「フィルも海斗も朝っぱらから元気ねえ」



 ――


 さて、安奈もタラクスも食事が終わった。

 そういえば気になったことがあったな。


「タラクス」

「どうした? 海斗」

「何で俺たちの仲間になろうと思ったんだ?」

「一言で言うとパーティから外されたからかな」

「何で?」

「グイグイ来るね君」

「海斗。あまり詮索はしないの」


 杏奈に質問攻めを止められてしまった。


「それよりも君たちの名前は珍しいね。どこの国の出身なんだい?」

「それは……」

「ああ、答えたくないならいいよ。お互い知らないほうがいいこともあるしね」

「すいません」


こうして食事を終えた。


「さて、また稼ぐために依頼でも行く?」

「そうね。他にやることないし」


 ということで俺たちはギルドに寄った。


「今回は手分けして楽な依頼をやるか」

「え? 何で?」

「何でって」


 俺は疑問だった。

 俺みたいな強くてモテるナイスガイがいるのに、簡単な依頼をやるなんて道理じゃない。

 

「楽な依頼をやるのは君が弱すぎるからでしょ」


 フィルが口を挟む。


「昨日のことなら、あれはただ単に腹が減ってだなあ」

「分かった。少し難しい依頼にするよ」


 タラクスはそう言うと依頼が貼られてるところに向かった。

 分かってくれたならいいんだ。


「頼むから足を引っ張るのはやめてくれよ海斗」

「何もしていないお前には言われたくないな」

「僕はただの案内人だからいいの。むしろ剣士なのに怯えて何も出来ない海斗のほうに問題があるんじゃないかなあ」

「喧嘩売ってるのか?」

「もう二人共喧嘩しすぎ! やめてよ」


 安奈が俺たちの喧嘩に割って入る。

 フィル。どうもこいつとは反りが合わない。

 別に余計なこと言ってこなければ俺もここまで切れることはない。

 今はまだいいが、会ったばかりの時に俺を犯罪者呼ばわりしたことも気に食わない。

 何でフィルは俺に対してここまで攻撃的なのだろう?

 理由が分からない。


「この依頼なんてどうだ?」


 タラクスが依頼の張り紙を持ってきた。

 さて、気を取り直して依頼頑張りますか!

 この依頼で活躍すればフィルを見返せるだろうし、やるしかないな。

 

 頑張るぞ! 俺。

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