最後の恋 38
5章 最後の恋
ぺら、ぺら。かきかき………………かきかき。
沈黙の働き蟻たちがダンスフロアで黙々と仕事をしていた。それは寡聞というよりは意図的に押し込められた白い沈黙の殻を纏って(まとって)いた。
「…………………。ねえ、一樹、これなんだっけ?」
黒いロングヘアのかわいい働き蜂が隣の髪がぼさぼさしている蟻に話しかけた。そして、その蟻、僕は美春の答えに明るく応じた。
「ん?なになに、古代ギリシヤで前6世紀末にアテナを全盛期にした人物は誰か?う〜ん、古代ギリシヤだろ、古代ギリシヤで覚える政治家はソロン、ペイシストラトス、クレイステネス、ペリクレスだろ?それで前6世紀末ということはかなり後の所だし、財産を整理するということは書いていないからソロンは外れるし、ペイシストラトスは僭主制を敷いた人物だし全盛期とは書いていないから外れるわけだし、残ったのはクレイステネスか、ペリクレスになるわけだけど、クレイステネスなら、民主制を完成させた人物と書かれるわけだからそれがこの設問には書かれてないから、残るはペリクレスしかないわけだ。だから、ペリクレスだと思うな」
それにこくこく美春は肯いた。
「なるほど!消去法でいく訳か!参考になったよ。ありがとね、一樹」
「いえいえ、こちらこそ。消去法をするのはある程度知識も必要だから頑張って覚えろよ」
それに狸が肩を押されて奮起する気持ちがでていくように肯いた。
「うん!頑張る!」
「おお、頑張れ」
そして、また働き蟻は仕事場へと戻っていく。それぞれ自分の領域に。
ぺら……ぺら。かきかきかきか…………きかきかきかき。




