最後の恋 39
「やったー!やっと終わったー!」
僕達が無言の作業をしていたら、いきなり大声を叫ぶテンションの高いトビウオが出てきた、僕はそれに冷静に話す。
「やったーって、テンションが高すぎだろ、美春。そんなに喜ぶほどよく練習ができたのか?」
それに美春はにんまりと大根の笑顔を見せた。
「もっちろん!だってやっと赤本の今日のノルマが終わっただんだから!これが喜ばずにいられるだろうか?いや、断じてない!だから、ハッスルしまくるぜ!ヤッホー!」
……………バカな猿がいる。僕は美春の言動にあきれつつ、突っ込みを入れようとしたときに、冷静な声が聞こえた。
「いや、美春の言うこともそんなに的外れではないかもな。もう午後7時だ。岡山に来てるわけだし、ちょっと勉強を中断してもいい頃かも知れん」
その光の言葉に熱された機関車が冷まされていった。
光の言うように僕達は今岡山の桃太郎通りのマックにいる。いつも誰かの部屋で勉強と言うこともなんだからという理由でマックに来て勉強をすることにしたのだ。特に理由があるわけではない。
「確かにそうだな。光のいうことに一理あるな。どうする、勉強を中断するか?そして、帰るか?それともせっかくマックに来ているんだから何か食ってから帰るか?」
その僕の言葉に猿が大喜びで跳ねて、鷲がてきぱきと冷静にノートを鞄に詰めていた。
「賛成!さすが、一樹!話がわかってるー!やっぱり、マックに来たんだから何か食べないとね!コーヒーだけじゃあもの足らないよ!」
「私はいらないわ。今すぐ帰る」
喜びのフラスコをあふれている猿に鷲の一言で一気にテンションが冷却していき、あまりに冷え、さらにぬかるんでいる沼に沈没していった。
あまりに落ち込んでいて、本当にさっきまでバカのように喜んでいたとは同一人物とは思えないぐらいに落ち込んでいった。
「そんな、そんなこと言わないでよ〜。リンちゃん、せっかくだからみんなで食べよ?ね?」
どっぷり寄りかかってぬるぬる粘りつこうとしている猿に、鷲はにべもなく焼き捨てた。
「マックで何かを食べるなんてとんでもない!女子にとってあんな油分が多いフライドポテトやハンバーガーを食べるなんてあり得ない!そんなことしたら太るもんだわ!そんなのを食べるなんて!私は遠慮しとく」
「そんなー」
鷲が出した炎の結界にめそめそとしながら猿は逃げて泣いていた。僕はそれを見ながらちょっと頭を回転させる。
う〜む、また美春がめそめそさせたな。たしかに、美春はちょっとだめなこともあるし、キャサリンの話も一理があるが、……………しかし………………。
「まあ、待てキャサリン。別にハンバーガーのセットとか買わなくても良いだろ?僕達がセットを頼む間にコーヒーを飲めばいいじゃないか。
今は夜で女の子が一人で帰るというのは、日本が治安が世界一よくても、できるだけ避けた方がいいし、何より僕達は受験生でそのための情報交換もした方がいいんじゃないか?やはり受験生同士で勉強法や受ける大学の情報交換をした方がもっとよいことができると思うな。僕はキャサリンが一緒に話してくれるとうれしいよ」
そう僕が言ったら、キャサリンは顔を鮮明に青く、白くして、黒い生地の中の白い斑点が所々に現れる沈黙をしたあと、サイダーの話し方をした。
「それなら、確かにそれで良いわね。わかったわ、残りましょう。確かに情報は大切だしね。そうと決まればさっさと行動しましょう。私が残るから、美春達はセットを注文してきて。私はブラックのMサイズのコーヒーを頼むわ」
それにぱーっと美春が顔を輝かせた。
「うん!いってくるよ!じゃあさっさと注文してくるよ!私が行くからみんなは何が言い?」
そういって、美春は僕らを早くけしかけるように僕らを見る。
「僕はダブルチーズとMサイズのコーヒー」
「俺はビックマック」
「わかった!超特急で行ってくるね。みんなは羽を伸ばして待つと良いよ!」
美春はかまいたちの速さで早くにその場からいなくなっていた。美春がいなくなったあとも、羽虫の店はその光りをますます強め踊り狂っていた。




