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東方外遠記  作者: 颯人
第9章 暗黒異変 ~Dark accldent~
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暗黒異変…

宴会が終わり、2週間が経った。

今のところ謙治の動きはないらしい。

その間、俺達は久し振りにのんびりしていた。

ただ、アジトに人がいすぎて騒がしいが……

今は夜の12時、皆は寝ているが俺は眠れなくて

外に行き、お茶を飲んでいる。


[やっぱり綺麗だなぁ。]


幻想郷で見る星はとても美しかった。

どの星も輝いていて、自分がちっぽけな存在に

思えてくる。

…思えばいろんなことがあったな。

など、黄昏ていると、


[眠れないんですか?]


早苗が隣に来ていた。


[なんか眠れなくてな。]


[なら少しお話ししましょう!]


暗い森の中で俺と早苗は話していた。


[なんか早苗と二人っきりで話すの久し振りに

感じるな。]


[そうですね、色々ありましたから。]


[だな!]


そう答えると早苗は急に真剣な顔になり、


[前から思ってたことを聞いてもいいですか?]


[いいけど、なしたんだ?]


俺、早苗に何か隠してたかな?


[…本当に良太君と兄弟なんですか?]


俺はこの言葉を聞いて震えてしまった。

早苗は俺の動作を見逃さずに、


[教えてください、聖人は……何を隠している

んですか?]


俺は誤魔化そうと考えたが、早苗の真剣な表情

を見て、誤魔化せないと感じたので話すことにした


[はぁ、早苗は鋭いのな。]


[当たり前です! 聖人の彼女ですから!]


胸を張って堂々と宣言したよ…


[簡単に言うけど、…俺は拾われた子どもらしい。]


[え?……]


俺は続けて話す。


[俺が2歳の時に、母が拾ったらしい。]


[でも、どうして?]


[俺にもわからないよ。]


色々と調べてみたが、何もわからなかった。


[じゃあ父親は? 確か妖忌さんでしたよね?

でもあの人は妖夢さんのお爺ちゃんだったはず。]


[そこもややこしいから簡単に言うけど、

俺が拾われてから1ヶ月後に母が倒れている妖忌

を助けて、それから一緒に住むことになった

らしい。

俺はその時は何がなんだかわからなかったから

妖忌を父親と思ってたんだ。]


[それなら納得です、なら良太君は?]


[いい忘れてたけど、俺が拾われた時に母のお腹に

いたんだよ。]


俺は夜空を見つめながら答えた。


[そしてその1年後に母が死んだ。

良太を生んでから、不治の病にかかってな。]


[じゃあ!!]


[良太は親の顔を見てないのさ。

あのあと母と結婚していた人の親がきたけどな。]


つまり言うと、良太は両親の顔を見てないし、

知りもしなかった。


[どおりで似てないわけです。]


[あのあとは楽しく3人で過ごしていた。

けど、良太が大きくなるにつれて本当の親の事を

探し始めた。

それを止めさせるために、妖忌は死んだふり

をした。]


[その後は?]


[その後は、二人で過ごしていたよ。]


俺はある程度話したので、お茶を飲んだ。


[辛いですね。]


[辛いのは良太さ、けどこの事を知ったとき…

どうなるかわからない。]


下手すれば暴走するかもしれない…。


[けど、一番辛かったのは聖人じゃない…

また一人で抱え込んで、いい加減にしてよもう。

辛いことや困ったことがあったらちゃんと相談

してくださいよ!]


[善処するよ…]


[強がっても無駄ですよ…泣いているのに。]


気が付けば俺は涙を流していた。


[ありがとうな、早苗。]


[はい!!]


早苗は満面の笑みで答えてくれた。


[じゃあそろそろ寝るか。]


[そうですね…?]


[どうした早苗?]


早苗は辺りをキョロキョロしている。

そして、腕時計を見始めた。


[おかしいですね、この時間帯ならもう太陽は

登ってるはずなのに…]


[ちなみに今何時だ?]


[朝の8時です。]


八時間も話していたのかよ…ってそんなことじゃ

なくて!


[いやいや、おかしいでしょ!]


とっくに青空も出ているはずなのに、深夜の

ように真っ暗だった。


[見て聖人!]


早苗が指を指した方に巨大な黒い塊が浮いていた。

その塊から黒い霧が流れていて、太陽の光を

反射しているらしい。


[あれは、異変だな。]


[そうですね、とりあえず霊夢さん達が起きるのを

待ってましょう。]


[だな、あと少し寝るから。]


[寝てる場合じゃないですよ!!]


そんなことはわかってるけど眠くて眠くて仕方が

ない。

そんなときはあれを使うか。


[早苗も寝ておけよ、いざって時に体が動かないぞ]


[でも、今から寝ても。]


[大丈夫、俺が時を止めるから。]


[そんなことしたら聖人に負担がかかるじゃ

ないですか!]


[そういう時のために……]


俺は鞄からグミを取り出す。


[これを時を止める前と後に食べれば大丈夫だよ。]


[ちなみにそれは?]


俺が取り出したのは水色のグミだ。


[回復のグミだよ。]


[ミラクルなグミですね。]


[ま、味もミラクルだけどな!]


そう言いグミを食べて時を止めた。

大体半日くらいかな。


[じゃおやすみ~]


[まったくもう…]

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