ヒイロ 獣王と巫女に会いに行く
ここはエレジア公国クリザント領 ミルシェ・クリザントの屋敷である
ミルシェは家族で旅行中に盗賊に扮した帝国騎士により目の前で家族を殺され自身は奴隷商に売られた、ヒイロにより助けられ、公王によりヒイロに渡された領地をミルシェに任せると言うことでミルシェは自分の先祖の代から治めている領地を管理出来ている。
「魔物からの被害が多いですわね」
「そろそろあの方に助力を求めますか?」
「頃合いでしょうね、リースさんお願いできますか」
「それでは私が行ってまいります。」
リースはミルシェが奴隷時代からの付き合いで非常に優秀過ぎるので秘書として仲のいい友として側にいてくれている。
「ミルシェ様、お客様が来ております。」
「どうぞ、通してください」
部屋に入ってきたのは長い銀髪で妖艶な雰囲気を纏った女性だった
「お初お目にかかります。私はシルヴィアと申します。この領地で商店を開きたいのと2人ほど人を捜しています。」
「商店ですか、クリザント領にヴェント商店4号店がそろそろ開店しますが」
「噂で名高いヴェント商店ですか それでは私をヴェント商店で雇っていただけるようにお願いできますか」
「なぜ、心変わりされたので?」
「長い物には巻かれろです。私のような新参者では商店を開いてもすぐに潰れるだけなので ヴェント商店のような大きな商店なら捜し人の情報も得れると思いますので」
「最後に質問です。人種差別についてどう思いますか?」
「反対ですね、私は吸血鬼族なので初対面では恐れられることが多いですが それでも友好関係を結ぼうと考えますよ」
あの方に相談してみましょうか
「それでは2日後に詳しいお話をしましょうか、あの方にも来てもらいますので」
「すみません、あの方とは」
「サンディア王国の名誉騎士伯様のことですわ」
その日の夜、島の屋敷にミルシェとリースがやって来た
「ヒイロ様、お久しぶりでございます」
「ミルシェさん、久しぶりだね 今回来たと言うことは何か困ったことでも起きたのかな」
「はい、実は」
クリザント領では魔物が増えて食物や商人に影響が出ていること、ヴェント商店を出店できる規模の土地が決まったこと、吸血鬼族のシルヴィアが領地に来たことなどの報告だった。
爺さん、スゲーな 尊敬するわ
「ヴェント商店の方は明日から取り掛かるよ、冒険者ギルドをクリザント領で作らないか」
「ヒイロ様、冒険者ギルドとは」
パレツント王国の辺境領メガンシアの街にある冒険者ギルドのことを話した。
「なるほど、傭兵とはまた違うのですね」
「傭兵の仕事は護衛が主な仕事だからね、冒険者は依頼でなんでもやるよ、お金がもらえるからね」
「ならクリザント領に作りましょう」
「問題は冒険者ギルドにはギルドマスターがいないといけないんだ、それと受付けと鑑定士、酒場が併設してあるから料理人も必要になる。」
「確かに人材が必要になりますね。クリザント領では仕事はたくさんあるのですぐに集まるかは怪しいです」
「また島から希望者を募るか 差別のない領地だし、ギルドマスターには頭が回る強いやつが好ましいけど」
「募る方向でお願いします。空いている土地が多いので集合住宅を建ててもらっても構いませんわ」
「レディ」
「何でしょうか マスター」
「明日から頼めるか」
「問題ないです。」
「明日からレディがクリザント領で作業してくれるから」
「レディさん、よろしくお願いします。」
話はまとまったな
「ヒイロ様、明日はどちらへ行かれるので」
「ペック獣王国に行くのとヒノモトに行く予定だよ クリザント領に行くのは明後日、2日後だな」
「私たち一同、お越しになるのをお待ちしております。」
ミルシェとリースはクリザント領に帰っていった
「疲れた~」
「ヒイロさん、お疲れ様です」
アリアはお茶を淹れてくれる
「アリアが淹れてくれるお茶は美味しいな」
「ありがとうございます。ヒイロさんが淹れてくれるお茶も美味しいですよ」
「明日はペック獣王国とヒノモトで明後日はクリザント領に行くことになったよ」
「私たちも付いて行ってもいいですか」
「いいよ、アヤメも実家に報告しないといけないと思うし」
ロイをどうしょうか 連れて行ってもいいが抱きかかえるクリスの負担が大きいしな
「そこでお困りのマスターに朗報です」
突然現れたレディがモノアイから映像を映し出した
「ベビーカーかなるほどな」
「クリスさんから所望されていました。」
「ヒイロさん、ベビーカーって?」
「赤ちゃんや歩き始めた子供を乗せて運ぶ物だよ」
明日は家族揃ってお出かけだな、ドランたちにはお留守番してもらうけど
明日は起きてからすぐに行動するため、自分の部屋で寝るようにと久しぶりにベッドで1人で寝れると寝室に入るとノエルがいる
「ヒイロ様、迷惑を掛けて申し訳ございませんでした。」
「記憶は元に戻ったんだろう」
「はい、ヒイロ様に誠心誠意尽くすように言われました。生殖能力はありませんが穴はあります」
「ノエル、ホワイトとブルーには絶対に話すなよ」
「了解しました。今夜はどういたしますか」
「何もしない、部屋へ帰れ」
ノエルを部屋から出ていかし、久しぶりに熟睡をした
次の日、朝食後俺たちロイを含めて5人はペック獣王国へ転移した
普通に城の中に入れてもらい、レグルスが案内してくれる
「聖獣のお前がいつまで住んでいるんだ」
「この国はそこまで広くないからな、我の力をいつでもライオネルに貸せるようにしているだけだ」
ライオネルが待っているであろう謁見の間に到着
中に入ると、ライオネルが俺を見て突進してきた。俺も動きに合わせてタックルの準備をし、お互い打つかる
「ヒイロならそう動いてくれると信じていたぞ」
「ライオネルの性格上打つかり合う方がいいだろ」
がっちり握手、獣王とここまで仲が良い人間は俺だけなんだよな
「奥方たちも一緒か、ヒイロその子は」
「最近、産まれた息子のロイだ 将来的に俺の島かエレジア公国の公王になるかも知れないから、ラオンと仲良くしておくのもありかもな」
「お互いの国同士、親同士の仲が良好ならいい手段だな レグルス、ランカとラオンを呼んできてくれ」
レグルスは謁見の間から出て行き、しばらくして帰って来た
「獣王様がお呼びだと聞きましたが」
「ランカ、ラオンこちらがヒイロの奥方たちだ、女性同士で話すこともあるだろう 相手を頼みたい」
「かしこまりました」
ラオンはベビーカーの中に入るロイを見ている
「ラオン、その子はロイって名前なんだ 仲良くしてやって欲しい」
「はい」
ランカを先頭に謁見の間を出ていき、謁見の間には俺とライオネル、レグルスが残っている
「冒険者ギルドの方はどうなった」
「建物の建設中だ」
「冒険者カード製造機を渡しておくぞ」
「おお!!これがか 使い方は」
「紙に必要事項を書いていく、作った方が早いだろ ライオネル 書いてくれ」
「分かった」
ライオネルはスラスラと書いていきすぐに書き終わった
「この紙を製造機の上から入れていく、カードとして中央部から出てくる 完成だ」
「お、おおおぉおおおぉぉ」
子供のようにはしゃいでいるライオネルがいる
「失くすなよ、再発行は出来ないからな」
「おう」
「登録には銀貨5枚だったが獣王国の方はどうする」
「獣王国では獣人は銀貨2枚、その他は銀貨5枚にしておく予定だ」
「なるほどな」
だいたい話が終わり、それを察したレグルスはアリアたちを呼びに行ってくれたようだ
「ヒイロさん」
「アリアそっちはどうだった?」
「とても有意義なお話をしましたよ」
「ヒイロ様、次に参りましょう」
「そうだな、ライオネル また来るぞ」
「いつでも歓迎するぞ」
転移魔法でヒノモトの天守閣へ転移した
「ヒイロ、来る頃合いだと思ったぞ」
「見てたかフェリ」
「アヤメは爺の所へ行ってもよいぞ」
「ありがとうございます。巫女様」
アヤメは天守閣から出ていった
「ヒイロはとても面白いのぅ~また妻が増えるぞ」
「そこまで見えているのか」
「それも沢山分岐する並行世界のいったんだからのう」
「ロイを見て欲しい」
「別に良いが赤子を見てもな、元気な子だな」
「終わり?」
「終わりじゃ」
「アリアとクリスもついでに」
「いいぞ、それよりもヒイロ 甘味が食べたい」
「分かった」
収納袋からカスタードパイを取り出した 前もって作って収納袋に入れておいたからな
「サクッとして甘い、最高じゃな」
「それは良かった」
「アリアちゃん」
「は、はい」
「元気な子供を産むから安心していいよ 性別については内緒じゃ」
「クリスちゃん」
「はい」
「冒険者になって剣を振っているのぅ」
ロイはララ、ルル、ウーフ辺りが見ているのかな?
「ヒイロ、国家会議は今月末のようじゃな 来月に婚活パーティーなるものが開催されるようじゃ」
「俺を見て言っているってことは俺も参加させられているのだな」
「そういうことじゃ」
アヤメが戻って来た
「ただいま戻ってまいりました。」
「アヤメも元気な子を産んでいるようだのぅ」
「巫女様、ありがとうございます」
「ヒノモトに冒険者ギルドを作らないか」
「ヒノモトにはフウマがいるし、他国からの侵略もないからのう いざとなればあそこからヒイロの島に行き救助を求めるからのぅ」
「フェリがそういうなら大丈夫かな、そろそろ帰るよ」
「ヒイロ 相談があればいつでも話を聞くぞ」
「頼りにしているよ」
島の屋敷に繋がる転移門から島の屋敷へ転移した。明日から忙しくなるぞ




