ヒイロ 転生者の聖女に会う
メンバー集めはなんとかなり、ロイとレイの双子エルフ兄妹、狼獣人のガルフ、ドワーフのテッカン、アヤメからの推薦でガムそれとドランたち4匹とバトルパンダのバンバンとブンブンの2匹を連れて行くことにした、レディによるとドラゴンとバトルパンダは戦いの中で成長するらしい、有名なRPGと同じ気分だ手持ち6匹だぞ、四天王に挑戦するか
「ヒイロさん、いってらしゃい」
「いってくるよ」
「ヒイロ様」
「クリスは連れていけないからね」
ラセプト王国のスタンピードに参加すると言うとクリスがいつも通り戦いに行くと言いだしたため、説得 アヤメも行きたそうだったがクリス説得のため、味方になり、斥候役としてガムを推薦してくれた。
アリアはこの間のスタンピードでバイコーンに襲われかけたこともあり、今回は遠慮していた。
「乗ったな、行くぞ」
メンバー集めはかなり苦労した。欠損部分が治った傭兵たちはリハビリが必要でスタンピードには参加させれない、長い間奴隷になっていたりすると身体が鈍るため、現役時代に戻す訓練や、傭兵をやめて農家に転職した人もいる。女性の傭兵にも声を掛けたが遠慮したり、クリザント領に行く準備をしていたりと
転移魔法でラセプト王国の王都付近に転移し、まずは王都に向かった。
「ヒイロ様、この国には傭兵の詰所がありますよ」
「詰所では依頼を受けたりします。」
「スタンピードの依頼も詰所に行けばいいんだな」
この世界には冒険者ギルドや傭兵ギルドがない、メスティア侯爵に提案したんだけどな~進展はないし
傭兵の詰所に着いた。
正しく傭兵ギルドと言ってもおかしくはない、大きさの建物で宿泊所と酒場が併設してある。
さっそく受付へ
「どういった要件でしょう」
「スタンピードの依頼を受けに来たのだが」
「参加ですね。身分を証明する物を提示してください」
右胸に付けている勲章を提示した
「サンディア王国名誉騎士伯の証です。」
「上の者を呼んできます。」
受付の女性は慌てて奥へ走って行った
「何かまずかったかな」
「大丈夫だと思いますよ」
「ヒイロ様のお噂は奴隷の希望でしたし」
仮面を付けた集団が奴隷商店を襲い奴隷を解放したという噂だ、トリメス伯爵の時の話だな 取引していた奴隷商もついでに潰した時の
「確認取れました。わざわざラセプト王国までありがとうございます。」
エレジア公国のスタンピードの話はこの国にも伝わっているのだろう
「我々がスタンピードへ参加しても」
「可能です。」
「魔物については分かりますか」
「はい、アンデッドですよ ラセプト王国の南側は100年ほど前の戦場跡でそこからアンデッドのスタンピード発生しました。」
さらっと言いやがるな、この受付
「参加をするなら教会へ向かってください。ご武運を」
傭兵の詰所を出て、馬車で教会へ
「アンデッドのスタンピードか」
「光か聖魔法、俺は両方ない」
「わしも土魔法のみだ」
「光魔法を武器に付与すればいいだろう、ロイとレイは弓に付与するかな」
「良いのですか」
「ないと戦えないだろう」
「ギャウ」
「ドランたちとバンバンたちのも考えないとな」
馬車は教会へ着いた、ノアは聖女とか言っていたが連合国の聖女で連合国内のみ有名で世界的に有名な聖女はミレディア・タリスという人物なのだが
「皆様、お集まりいただきありがとうございます。この度はアンデッドのスタンピードが発生しており」
話が長いから聞き流そう
「私、聖女ミレディアが皆様のためにアンデッドへ立ち向かいます。」
ミレディアとかいったなあの女、鑑定すると・・・・まさかなここにも転生者がいた
「ヒイロ」
「聖女は転生者だったな」
参加者は100人満たない数でほとんどが教会の関係者だ、傭兵は俺たちだけのようだ。
「傭兵がなんのようだ」
「相手はアンデッドだぞ、死にに来たようなものだな」
「ミレディア様の肉壁になってもらおう」
好き勝手言っているな
「誰か、助けてくれ 兄貴が」
傭兵のようだが1人は血まみれでぐったりしており、右足がない 背負って来た男は防具がボロボロだ
「怪我人か、金貨10枚で見てやろう」
「そんな金があるか」
「それでは諦めて見捨てるのだな」
聖女はすでにいないが笑っているのは男たちだけだ、腐った組織は潰した方が早いのだがな 俺たちの肉壁になってもらうか
「俺が治そう、金はいらん」
「おい、あの傭兵が治すとか言ったぞ」
「何も出来ないだろう」
「我らに頼めばいいものを」
外野はうるさいな
「頼む、礼はなんでもする」
「今は時間が惜しい、『メガヒール』」
右足は元に戻り、傷も治しておいた。
「血が足りないと思う、肉でも食べさせてやれ」
金貨を1枚渡した。男は感謝しながら去っていった。
「教会への冒涜だ」
「傭兵如きが聖魔法を」
「女神への冒涜だ」
外野が騒いでうるさいな
「なんの騒ぎですか」
聖女ミレディアが現れた、全身白の法衣を纏い、金色の髪に翡翠の瞳がとても印象的だ 直感を黙らせた、こいつは転生者だそれに恵美の友達だったら何を言われるか
「聖女様、あの傭兵が怪我人を無償で治していました。教会にとって脅威ですぞ」
「このさい本当のことを言いますね。教会の品位を落としているのはあなた方ではありませんか それにいつまで存在のしない女神を祀り上げているのですか 本当の神様は優しいご老人なのですよ」
ぶっちゃけたな、神がご老人だと知っているのは転生者のみだからな 聖女ミレディアがこちらへやって来た。
「私はこの方々と共に行きますのでスタンピードくらいは面倒を見てあげましょう」
聖女ミレディアは勝手に馬車に乗り込んだ
「俺たちも行くか」
「そうね、聖女様は私やエミミの友達じゃないから手を出してもいいわよ」
「おい」
馬車に乗り込み、王都の外へ向かった。
「やっと解放された~」
馬車の中では聖女の仮面は剥がれ落ちていた。
「私、ミレディアと言いますよろしくお願いします」
「このまま、アンデッドを倒しに行っても」
「はい、皆さんの武器や魔力に聖属性を付与出来ますので」
「それは助かる」
馬車は王都の外へ出た、地図を広げて確認 スタンピードの進路上にある村に行くことに最悪この村で籠城戦 村ごと転移して逃げるが正解だな 村へ到着した。
ガムには偵察を指示、他の人には食糧の調達を頼んだ
俺とマリン、ミレディアだけになった
「俺はヒイロ、2022年に死んで転生した」
「私はマリン、2035年に死んだわ」
「私は2025年に死んで一から産まれ直しました。」
「なんであんなことを」
「前から思っていた事が爆発したんです。それに神様からの神託で聖魔法を使う傭兵がいたら付いて行くようにと言われました。」
「俺、名誉騎士伯なんだが」
転生者同士の情報共有
「奴隷ハーレムって勇者ってやつクソよ」
「それ俺に言ってるよな」
「ヒイロは奴隷を解放して保護しているでしょう、敵対しない転生者も保護するとか」
「ヒイロさんもハーレムが」
「3人いるけど結婚しているし、1人は妊娠した」
「次々浮気して女を作るゴミよりはるかにマシですね」
一瞬、ミレディアの目に殺意が籠った
「転生してから考えることはだいたい金持ちになる、勇者になる、ハーレムを作るくらいだろ」
「で、ヒイロは」
「可愛いお嫁さんをもらう」
「3人共可愛いし美人だし、胸が大きいから ぐぬぬ」
「これが終われば、私も島に住みますね」
「歓迎するけど」
大体の話し合いは終わった。
「義兄上、2時間後に接触します。」
「分かった、休んでくれ」
「御意」
ガムを休憩させる
「義兄上?」
「俺の2人目の妻アヤメの弟なんだよ」
「なるほど」
「ヒイロ、今日の食事は?」
「この人数なら炊き込みご飯とオーク汁だろ」
「いいね」
「お米があるのですか」
「あるよ」
「オーク汁って」
「オークは豚の顔をしているだろ」
「なるほど豚汁ですか・・・・味噌も」
「あるよ」
「料理ができる男性って素敵ですよね」
「それは分かるけど、友達の叔父さんだからね」
「姪には今度会うことになるよ、女子会と婚活パーティーをするってうるさかったし」
馬車に戻り、飯の準備をする。今回の馬車はキャンピングカーのようになっているが見た目は馬車だ。炊き込みご飯はおかわりまで見越して炊く、豚汁の方は少し多めに作る。レディ製圧力鍋だから30分でできる。
「ギャウ」
「パン」
「お前たちのご飯もまだだったな、何が食べたい?」
野菜、果物、肉、魚を並べる
ドランたちは肉、ブンブン、バンバンは野菜を選んだ
ドランはそのままで後の3匹はレッド、ホワイト、ブルーに改名した。
「ドラン、みんなを呼んで来て」
「ギャ」
ドランは飛んでいき、仲間たちが帰ってきた
「ヒイロ様の料理は美味しそうですね」
「兄さん、よだれが出ていますよ」
「温かい料理は英気を養える」
「おかわりはあるからな、食べすぎるなよ」
食事後、馬車を収納魔法で収納してから進行ルートに向かう
「この辺りだな、マリンよろしく」
「OK」
マリンは土魔法で地割れを起こし、地面を割った、魔力を消費したため魔力回復ポーションを飲んでいる
「プハーッ生き返る」
「スタンピードはこれで足止めからだよな」
「理にかなっているが普通の魔法使いでは出来ないぞ」
「今回はこいつらの経験値稼ぎもあるから」
「ギャウ」
「義兄上は動物に好かれていますね」
「小さいうちは何でも可愛いぞ、ガルフもトラに餌を上げてたよな」
「それは・・・・・・」
恥ずかしがるなよ
遠くから黒く蠢くものがこちらへ向かってきているのが見えた




