ヒイロ デート週間 クリス編
デート最終日、シルヴィアはどうしたって?いつでもデートはできるからと言ってたから
「おはようございます、ヒイロ様」
気持ちよく寝ていた所を布団を捲られて起こされた。まだ4月で少し寒い、
「おはよう、クリス」
寝起きで目が半開きしか開いていないがクリスの服装は白のカットソーに黒のミニスカート、胸元から溢れる谷間と、白のブラジャーがチラッと見える
「朝から興奮させないでくれ、模擬戦じゃないのか?」
クリスは頬を膨らませた、なんか地雷でも踏んだのか
「ヒイロ様、私は体を動かすことが好きなのですよ、人を脳筋のように言わないでください。」
「ごめんなさい」
「ヒイロ様のお洋服も用意させていただきましたので、私は下で待ってますから」
クリスは寝室から出ていき、用意された服に着替える。城のカットソーに黒の長ズボン、これってペアルックってやつじゃないのか 着替えてからクリスの待つ下へ向かった。
「とてもお似合いですよ」
「クリスの方もとても似合っているよ」
「今日は中立都市へ向かいますね」
「中立都市の外か?広い場所は多いけど」
「ヒイロ様、デートですよ」
クリスは本気でデートをするつもりだが、腰にはいつものレイピアが帯刀している。
「え~っと、クリスさん、腰のレイピアは?」
「デートを邪魔する不届き者に使う物ですわ」
俺が守るのにといってもクリスを筆頭にアリアやアヤメは普通に強いからな、ララ、ルル、イリスにはプレゼントで贈ったイヤリングや指輪が魔道具だったりして守れるようになっているのだが
「それでは行きましょうか」
「そうだね」
クリスは俺の右腕をガッチリホールドした状態で転移門から中立都市へ向かう 当っていることよりもカットソーのボタンをあと1つ留めてくれるといいのだが、中立都市に転移した。
「相変わらず活気が会って良いですわね」
「色々な国から商人が来ているからね、最近だと魔王国の方からも買い付けに来ているらしいけど」
魔王国から中立都市へ行くことが出来る転移門をレディに作ってもらっておいた。管理の方はアボス任せなんだが
「ここが発展しているのはそれなりに上の人間が経済を回せているからだろうね」
2人で中立都市を見て回りながらデートをする。街でのデートはこんな感じだよな それよりもクリスが普通に女の子で良かった。
「ヒイロ様、何か失礼なことを考えていませんか?」
「ソンナコトナイヨ」
褒めているんだけどな~
「ヒイロ様、そろそろお昼ですね」
「もう、そんな時間か 今日は時間が経つのが早いな」
とてもいい匂いがしてくる
「ヒイロ様、この匂いは」
「カレーだな」
ヒイロとクリスは匂いのする方向へ向かい、一軒の店に着いた。その店の看板にはライオン絵が書かれている
「ライオネルカレー」
「獣王様の名前と同じですわね」
中に入ると喫茶店のような店内でよく知っている人物がマスターをしている。
「いらしゃい、ん ヒイロにクリス殿」
「ライオネルカレーって、ライオネルが作ってんのかよ」
「獣王国は香辛料とコーヒー豆が盛んだろ、こうして獣王国の名物を活かした店を開いたのだ、昨日」
「昨日ですか」
「うむ、今日は俺が暇つぶしで店番をしているが普段は他の者がやっているぞ」
「じゃあライオネルカレー2つと食後にコーヒー2つ」
「しばし待たれよ」
俺とクリスはカウンター席に座り、カレーを待つ
「ヒイロ様のカレーも美味しいですが、こちらのカレーはどんな味がするのでしょうか」
「香辛料の量や種類によって味が変わるからね、あとは果物を入れたりすると甘くなったりとか」
「奥が深いのですね」
クリスと話しているとカレーが出てきた。まずは一口
「辛味のなかに甘みがでているが、深みが足りないな」
「こちらのカレーも美味しいと思いますけど」
「ライオネル、コーヒーをカレーに少し入れてみろ」
「コーヒーをか、辛さと苦さで不味くならないか」
「少量だし、味の深みが出るそ」
ライオネルは別の器にカレーを入れ、少量コーヒーを加えて混ぜてから食べてみた。
「カレーは奥が深いな、レシピに加えておく」
ライオネルカレーはマニュアル通りに料理を作るみたいだ。これならチェーン店を出しても問題ないな、ヴェント商店は各店の店長に全て丸投げしているからな
あとは入った時にライオネルの体格が威圧感に感じる事くらいか
カレーを食べ終え、コーヒーを飲んでいる。
「ライオネル、ミルクと砂糖はないのか?」
「ミルクはあるが砂糖はないな」
「コーヒーは香りや苦味を味わう飲み物だ、苦いのが苦手な客にはミルクと砂糖を付けておけば飲みやすくなるぞ、クリスは苦味が苦手だろ、砂糖を用意しておいたから」
「ありがとうございます。ヒイロ様」
クリスはコーヒーに砂糖とミルクを加えて混ぜてから飲んだ
「ミルクのおかげで苦味がないのはわかりますそれに砂糖のおかげで甘くて美味しく飲めますね」
「ヒイロよ、砂糖を卸して貰えないか」
「俺とライオネルの仲だからな10キロを渡しておく、ライオネルカレーは美味しかったからな今後の発展を期待するよ」
収納袋から砂糖10キロを取り出して、ライオネルに提供した。その後会計を済まして店を後にした。
「美味しかったですね」
「ライオネルの新しい一面を見れて楽しかったよ」
「獣王様も色々と忙しそうなんですね」
「島でよく見かけるけどね」
クリスと話しながら中立都市を歩いていると白い修道服の一団に囲まれた。その数10人
「お前がヒイロ・ヴェントだな」
「そうだが」
「貴様は我らが女神の神敵と教皇様が決められた。」
「神の裁きを受けよ」
「クリス」
「終わりましたわ」
クリスは一瞬で10人を峰打ちで意識を奪い倒した。以前よりも剣速が速くなっている、あと目で追いきれなかった。
後ろの方からこちらを見ている者がいる。ヒイロは投げナイフを投げたが結界のような物で阻まれた。
「グラレスト聖王国の教会は俺に喧嘩を売りたいのか?」
グラレスト聖王国の教会はかつてミレディアがいたあの女神教団の本部だ、俺たち転生者は神に直接会ったパターンの人間が多いが俺たちより後の転生者は神に会っていない あの爺さんこっちによく来ているからな
「ヒイロ様」
「完全に囲まれたな」
俺たちがいるのは十字路の真ん中で4方向から囲まれている
「クリスどうする?」
「食後の運動ですし、勝負しませんか」
「魔法攻撃なしで峰打ちでいいか?」
「良いですわ、私が勝てば今夜、抱いてくださいね」
「俺が勝っても今夜は抱くから勝負の意味はないぞ」
「ありますよ、どちらかが上か下か」
「あ~あ、なるほどな」
たぶん体位の話なんだろう、クリスは積極的だな
「じゃあ、やるか」
「はい」
ほんの20秒で囲んだ敵を全員倒した、倒した数は同じで勝負の話は引き分け
「で、そこの2人は戦わないのか」
高みの見物をしていた外套で顔は見えないが片方は男でもう片方は女の子だろう
「やはり、お強いのですね、ヒイロさん」
女の子の方からは知っている声がした。
「聖女フェルトか、隣にいるのは教皇か枢機卿くらいか隠居爺だと思ったがアウトドア派なんだな」
何やら小声で話しているようだがあえて聞き取らない
「女神様の指示です。聖女フェルト、神敵であるあの男を殺しなさい」
「わかりました。教皇様」
フェルトは学院では見せなかった身のこなしで迫って来たがクリスが間に入り、フェルトの攻撃を防いだ
「あなたの相手は私ですわ」
「剣姫様には用はありません」
女子の相手は女子に任せよう、教皇を倒せば終わると思うが
ヒイロは収納袋から刀を取り出して抜く
「良いことを教えてやるよ、転生者は神によって転生するんだよ、女神なんて存在しない」
『縮地』で距離を詰め、刀を振るが結界で阻まれる。
「女神様は仰られた。世界を揺るがす存在を始末せよと」
「神の爺さんにはこの前会ったぞ」
刀に魔力を込めてから結界をぶった斬るが結界は3重に張られており、2層までは破壊できた。
「中々の魔力コントロールだな」
「女神様が」
「女神、女神うっせーよ 自分の意志はないのか、存在しないものに縋っても何になる」
刀にもっと魔力を込めて、先程よりも速くぶった斬る、結界は完全に破壊され、返す刀で峰で教皇に当てる、教皇は持っている杖で防御するが杖が折れ、教皇の身体に当り吹っ飛んだ
「教皇様」
フェルトも教皇が負けたことで戦意を喪失した。その後、駆けつけて来た警備兵や騎士により教皇とその一派は拘束された。もちろんフェルトもだ
「また学院で」
「強制送還だろ、二度と会うことないだろ」
フェルトも腕を拘束され、警備兵に連れていかれた
「とりあえず、各国がグラレスト聖王国に抗議の手紙を送るだろうな」
「ええ、ですが今回は教会側に非がありますし、どうなるかわかりません」
「それに勝負は私の負けですね」
「????」
「ヒイロ様は教皇を倒したじゃないですか、あの聖女を倒していれば引き分けでしたのに」
「今夜は下からクリスを眺めたいな」
「もう、エッチ」
その後もデートを続け、夕方には屋敷へ帰った




