AI(アイ)の気持ち
全自動統合システム「AI」に与えられた役割は、たったの3つだ。
一つめは、局所評価最適化機能。
周囲の人たちの行動を、なるべく効率的に満足感を得るように促す機能である。
例えば全自動運転の行き先やルートを、目的地や道の混み具合を勘案しながら、利用者がフラストレーションを貯めないレベルで割り振る。全員が☆5の満足感を得るわけではないが、大きな不満なくある程度満足するようにレストラン、レジャー施設などの資源を配分し、利用者を誘導する。
マーケティングやスケジューラなど、表に見えているサービスは基本的にこの機能だ。
二つめは、手動意思決定行動リサーチ機能
個々人が保有するウェアラブルは、日常生活において様々な意思決定や行動の結果発生する不便や不満を収集しているが、それらの中から自動化することによって解決できる不便を探索し、全自動システムを構築する機能である。
そもそも全自動スケジューラが開発された経緯は、全自動運転によって人は自由に行きたいところに行けるようになったはずなのに、結局既存のスケジュールに縛られていることに不満を覚える人が多かったからだ。全自動スケジューラのおかげで、ようやく人は全自動タクシーに乗るだけで済むようになったのだ。
三つめは、全自動システム改善機能
様々な全自動サービスの評価、特に不満を収集し、改善のための施策を考える機能である。個人に特化した不満であれば、特定の喫茶店に連れて行くなどの例外処理で対応するが、あまりに多くの不満が収集されると、一つめの局所評価最適化機能を再構築する作業に入る。
◇ ◇ ◇
―全自動タクシー相乗り機能再構築―
異性相乗りに対する不満検知。
相乗り候補を同性に制限 ⇒ Reject
要因分析 異性相乗りでなかった不満多数
相乗りマッチング条件を性格重視に変更 ⇒ Reject
要因分析 乗車時の容姿に対する期待ギャップ大
条件細分化……
容姿高評価同士の性格マッチング ⇒ Accept
容姿期待が少ないもの同士の性格マッチング ⇒ Accept
容姿期待が大きいものは同性のみ許可 ⇒ Weak Accept
試行決定。フィードバック収集開始。
―全自動営業戦略機能再構築―
fatal error:対面営業人員の不足
要因分析 重要変数:機械評価と最終評価ギャップ
⇒環境要因のため修復不可
非対面営業のみの戦略に変更 ⇒ Weak Accept
―全自動スケジューラ再構築―
優先スケジューリングに関する不満検知
早期設定者にスケジュール優先度変更 ⇒ Reject
目的地・内容への不満多数
目的地にスケジュール優先度変更 ⇒ Reject
同行者への不満多数
同行者にスケジュール優先度変更 ⇒ Reject
同行者不在となる状況に不満多数
条件細分化……
同行希望_評価値付与……
同行希望_高評価者同士は優先度高 ⇒ Accept
同行希望_低評価者は優先度低 ⇒ Accept
同行希望_低評価者同士をスケジューリング ⇒ Reject
同行者への不満大
……
……
……Reject
同行者への不満大
……Reject
同行者への不満多数
……Reject
同行者への不満大
……Reject
同行者への不満大
……Reject
同行者への不満多数
……Reject
……Reject
……Reject
……Reject
……Reject
……Reject
……Reject
……Reject
……
……




