表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/54

魔王の条件(2)

「魔王になる条件というのは2つ方法がある。一つは全員が知っている種族として進化する事だ」


「進化、ですか?」


「そうだ。俺だったらヴァンパイアからヴァンパイアロードへ進化をし、魔女王ファリイスはラミアからラミアクイーンへと進化し、魔王ザガンはただのウルフから進化をしていき最終的にフェンリルへと進化した。最終まで進化した魔族は周りから魔王と呼ばれるようになる。これが魔王になるうちの一つだ。まあ、これは条件がわからんからオススメはせんがな。そして魔族しか進化はしないからお前には関係ない話だ」


 じゃあなんで話したんだろう?


「二つ目がこれだ」


 そう言って取り出したのは赤黒い玉だ。


「これは魔王玉といって、高密度の魔力が中に入っている。これを取り込む事で魔族だったら強制的に魔王まで進化する事ができる。他種族だったら魔族に種族を変える事ができる。そのかわり高密度の魔力に耐えきらなければ死に至る」


「そんなすごいものをどうして持っているのですか?」


「これがあるのはこの魔族領にある迷宮の最深部にあるからだ。グレイたちの目的もこの魔王玉を探し出す事だ」


 ここでさっきの人たちが出てくるとは。


「なぜさっきの人たちには話さないのですか?」


「あいつら派閥が違うのでな。俺はお前も知っている通り、全種族の共存を目的としている。ほかの種族に優劣をつけずに。それとは別に、ある派閥がある。それが奴等の掲げている、魔族第一主義の派閥だ。他種族と共存してやってもいいが、トップは魔族であろうとする、頭の固いやつらだ。そんな奴らを魔王にするわけにはいかん。まあ、魔王玉に耐えれるかもわからんがな」


 フンッと鼻で笑うヘルガーさん。他人を見下す笑い方似合っているな。


「お前たちにはこれから魔王玉を取って来てもらう。俺の魔王玉を使っても、死なれては無駄になってしまうからな、それは勿体無い。なのでお前の分は自分で取ってきてもらおう。その迷宮は深く入る程敵は強くなる。その中で自分を鍛え直してこい」


「どれぐらい敵は強いんですか?」


「一番弱くて小僧より少し弱いくらいだ」


「……」


 それは何というか、強すぎない? 僕進めるのかな……


「ちょっと、お父様。さっきからのお父様の言い方だとこいつ1人じゃないみたいじゃない。誰か付き添いでもいるの?」


「決まっているだろう、お前だ」


「何で私がついていかなくちゃいけないのよ!」


「それはお前がまだ弱いからだ。一緒についていき鍛え直してこい」


 そう言われたマリンティアさんは俯いてしまった。


「場所はここから1日ほどかけて行ったところにある死の森にある洞窟を探せ。そこが迷宮の入り口となっている」


「食料とかはどうすれば良いのですか?」


「そんなもん自分で何とかしろ。幸いにも森の中には果物などもたくさん生えているし、飲める水が流れる川もある。肉などは魔物を倒して取れば良い。迷宮の中も一緒だ。だから安心して逝くといい」


 あれ? 行くの意味が違って聞こえたのは僕ほ勘違いだろうか?


「も〜う〜! わかったわよ! 行けば良いんでしょ! 行けば! やってやるわよ、エル! 行くからには魔王玉取ってくるわよ!」


 お、おう。急に声を上げたと思ったらやる気に満ちた目で僕を見てくる。そんなに見られたら照れちゃうじゃないか。


「あっ!」


「な、何よ?」


「マリンティアさん! 今初めて僕の名前を呼んでくれた!」


「そ、そうだったかしら? まあ、これから共に戦うパートナーだし」


「じゃあ、僕もマリ「それはダメ」アさ……」


 速攻で拒否された……でもマリンティアさんはクスクス笑っているから怒ってはいないな。また手のひらで遊ばれている。


「話がまとまったら今日は準備の時間にあてると良い。武器と防具、服などはこの城の中から好きなだけ持っていくと良い。冥土の土産というやつだ」


 そう言うとヘルガーさんは出て行ってしまった。というか冥土の土産って僕死んでしまうみたいじゃないか!


 そうならないように頑張ろ。


「じゃあ、エル。食事をしたらまずは武器と防具を見に行きましょう。ローナとワンさんはどうするの?」


「私は今から仕事があるので失礼します」


 そういってローナさんも出ていった。


「俺は子供たちのところへ行ってくる。前にお菓子買ってきたのまだ渡してねえんだわ」


「子供たち?」


「孤児の子たちの事よ。今ある孤児院の殆どの収入はワンさんが稼いでいるのよ。だから子供たちには大人気。 今はこんな厳つい顔をしているけど、子供たちには『ワンおじさーん!』って言われたら物凄いデレた顔をするんだから」


 そういって笑うマリンティアさん。多分マリンティアさん本人もワンディールさんとそんな風に関わってきたから嬉しいのだろう。


 そしてワンディールさんも孤児院に向かっていった。さっき窓から見たけど竜の姿になって、背中にとんでもない大きさの袋を背負っていた。あれが全部お菓子なのか……


 そこからはマリンティアさんと2人きりだ。食事をしながらこれからの話をしていた。マリンティアさんはレイピアが得意で、魔法は水魔法と闇魔法が得意とのこと。闇で惑わせながらレイピアで突き刺すのかわ得意らしい。そのことを笑顔で話していた。少し寒気がしたのは内緒だ。


 それから今日1日の話だ。先ほども話した通り、まず武器と防具を見に行ってから、城下で旅の準備をするとの事。ついでに街を案内してくれると言っていたので楽しみだ! 昨日は王城近くに転移してきたのでそんなに街も見れなかったからね。


 廊下に出るとそこには見覚えのある男たちが立っていた。はあ、なんかトラブルの予感。どうしようか……

ワンディールさんが良い人の回になってしまった。

評価・ブックマークお待ちしております!

こちらもよろしくお願いします!http://ncode.syosetu.com/n2834dj/

「転生少年の成長記 〜努力すればするほど強くなれる⁉︎〜」


追記 7月2日

次の話の内容を大幅変更するため、最後の方の内容を少し変更しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ