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魔国ベルヘイム

 僕は物凄く興奮していた。


「ふははは!人間がまるでゴミのようだ!」


「何言ってんだお前……」


「いや、ちょっとテンションが上がっちゃって」


 だってこんな景色見たら興奮するでしょ!


 今僕は、ワンディールさんの背に乗って空を飛んでいる。物凄いスピードで景色が変わっていく。もうかれこれ数10分背に乗っているが、全く知らない土地になってしまった。


「ワンディールさん。この辺ってどのあたりになるんですか?」


「このあたりはグランディーク王国の北にある極寒の山コーデリアの近くだ」


 コーデリア山!?グランディーク王国の最北端で王都から2週間近くかかるところを数10分で!?どんだけ速いんですか……


「コーデリア山にはな、魔国ベルヘイムと繋がる転移門があるんだよ。普段は隠してるんだがな」


「じゃあ、さっき話していた孤児って言うのは」


「そうだ。ここだけではないんだが、このコーデリア山に捨てられる子どもを引き取る事もある。最近はザガンのバカ野郎が戦争ばかりするから増える一方だ、とっ、見えてきたぞ」


 おっ! 僕もこの山には初めて来るな。あまりの寒さに魔物も特殊なものしか居ないらしい。


「この山って魔物はいないんですか?」


「氷雪系の魔物が棲んでいる。麓辺りはスノーウルフが多いな。まあ、俺の前にはビビって出てこないが」


 そう言ったワンディールさんは山の麓辺りで着地した。ワンディールさんの背から降りた瞬間


「寒っ!」


 極寒の吹雪に見舞われた。なんで? さっきまでそんなに気にしなかったのに?


「あっ。さっき俺の背に乗っている間は俺の魔力で防寒対策してたから降りたら寒いぞ」


 言うのが遅いですって! どうしよう? 耐寒系の魔法覚えていないし……


「なんだ耐寒系の魔法覚えて無いのかよ。仕方無えなぁ。ほれ」


 おっ!ワンディールさんの魔法で暖かくなった。


「ありがとうございます!」


「ここを通る時は必要になる魔法だから覚えておけよ。それじゃあ行くか」


 そういってワンディールさんは歩き出した。僕はその後ろについていく。そうする事10分ほど。洞窟が見えてきた。


「ここに転移門がある」


 そういって入っていくワンディールさん。


「でもこんな場所だと見つかりやすく無いですか?」


「ここに入るだけじゃあただの洞窟だ。入って中で一定量の魔力が流れないと転移門は開かん。万が一開いたとしても数人程度しか送れないから問題にはならんし」


 そう言いながらも魔力を込めていく。えっ? どんだけ必要なんでかこれ。そしたら急遽眩い光を放ち始めた。


「面倒だから一気に王城近くの門を開けるぞ」


 そういって開いた門をくぐり抜けた先には


「えっ?」


 槍を構えている兵士達がいた……


「えっ? えっ? どういうことですかこれ?」


 ワンディールさんに聞いてみると


「あっ! 忘れてた。この門は緊急用だったわ」


 いやいや! 忘れちゃダメでしょ! どうするんだよこれ!

 そんな事を思っていたら女性の声が聞こえてきた。


「もう! ワンさん! この門は緊急用なので使わないで下さいって何度言えばわかるんですか!」


「悪い悪い! すっかり忘れてたわ、ローナちゃん」


 この人常習犯だったのね……

 それにしても綺麗な人だな。褐色の肌に銀色の長髪。メガネをかけていて上は軍服みたいなもので膝上ぐらいのスカート。胸元ははち切れんばかりのものだ。


「ん? そちらの方は?」


「おう! 俺が拾ってきた!」


 いやいやペットみたいな言い方ですね。


「そうなのですか。私の名前はローナ、ローナ・アイドルフと言います。ダークエルフで魔王ヘルガー様の秘書をやっております」


「はじめまして。エルフリート・シュバルツ……いえ、エルと申します。よろしくお願いします」


 そうだ、もうあの国は出たんだからエルフリート・シュバルツではなく、エルとして生きて行こう。


 「……訳ありという事ですね。ワンさんが連れてきたという事はヘルガー様にお会いさせるという事ですか?」


「ああ、今から会えるか?」


「大丈夫ですよ。先ほど政務を終えたところですから。ではエルさんもついてきてください」


 そういって歩き始めるローナさん。


 その後ろをついていきながら街の中を見てまわる。


 本当に多種族が一緒に住んでいる。人間と魔族が一緒に買い物したり、いろいろな種族の子供達がみんなで遊んだりと今戦争してるのが嘘みたいな光景だ。


「驚きましたか?皆さんここに来られた時は一様に同じ顔をしています。ヘルガー様がこの様な政策をした当初は反発も多かったのですが、結果を出していく事でその声も弱くなりました。この国は私たち魔族だけでは生まれなかった技術に溢れる事になっていますから。これも、あなたの先祖とお会いしたせいですね」


 そう言ってクスっと笑うローナさん。


「気付かれましたか」


「もちろんです。私も勇者ハヤテ・エンドウにはお会いした事がありますから」


 そういうローナさん。エルフは長寿と聞くけど、見た目20代なのにすでに100年以上は生きてるんだね……


「ワンさん、エルさん着きました。ここがヘルガー様の政務室です」


「おう! サンキューなローナちゃん。入るぜ〜ヘルガー!」


 そう言ってノックもせずに入るワンディールさん。


「ありがとうございました、ローナさん」


 ローナさんに見送られながら政務室に入っていく僕。


 魔王ってどんな人なんだろうか?

次の話ぐらいにヒロイン出したいな


こちらもよろしくお願いします!

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「転生少年の成長記 〜努力すればするほど強くなれる⁉︎〜」

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