競馬場
大型ビジョンに次のレースのパドックの様子が映し出されている
そのルームのすみっこで、てんが小笠原に一枚のメモを渡す
「はい、これ、今回の買い目でぇーす」
しぶしぶ受け取った小笠原が言った
「おれに馬券買わせるのかよ・・・」
「だってぇ~、あたし、高校生だしぃ~」
「ふん、よく言うよ」
と言って小笠原がメモを開く
「単勝で1点?・・それも・・結構、人気薄じゃね?」
「うん、そう、で、これがお金でぇ~す」
と言って、てんが小笠原に3万円を渡す
「おいおいおい、3万も買うのかよ!いや・・・いくらなんでも、これ、まずいだろー!」
「ダイジョウブッ、必ず当たるから、あ!先生も同じ買い目で買うといいよ、こんどはワイン
どころの金額じゃないかも・・」
・・・たしかに・・当たれば20倍近くになるんじゃないか?、ということは・・・3万買うと・・・ご・・50万
以上!!!」
と小笠原の頭が混乱しているとてんが
「じゃ、あたし、スタンドに行きまーす、よ・ろ・し・くー」
と言って行って走り去る
一人残された小笠原がつぶやく
「しかし・・本当にこれ当たるのかよ、なんか変な名前の馬だし・・・」
そのメモはこう書いていた
(単勝 7枠12番 エビダッピ)