みかの告白
みかはなにもいわずうつむいたまま
ひかるは待った
・・・絶対、なにか言ってくれる
しばらくの沈黙が続き・・・
みかが顔を上げて言った
「・・・あの・・・わたし・・お母さんは・・・特に・・・その・・」
と言いかけたとき
「カットー!」
てんがみかのことばをさえぎった、そして
「ダメダメ、そんなんじゃ、もっと声はって言わないと!それからこの時間は涙のお悩み相談会じゃないん
だから、もっと楽しく、明るく言わないと!バラエティなんないでしょう!」
「・・・・」
みかが沈黙に戻った
・・・・そして、一度大きく息を吸って・・・しゃべり始めた
「・・・わたしさぁ、ちょっと前までは、お母さんと仲良かったんだ、それがさぁ、一度テストでとんでも
ない点数取っちゃってケンカして、それから無視されるようになってさぁ、塾もやめさせられちゃって、代
わりにその塾に弟入れちゃって、今じゃ弟とお母さんがべったりでわたしなんかほったらかし、もうさみし
いていうか、ふざけるなってゆうかんじなんだよねぇ」
・・・やっぱり・・とひかるは思った、そしてみかは続けた
「この間もさぁ、あんまりむかつくから夜中に外飛び出したら、知らないおじさんに声かけられて、
あんまりしつこいから足けとばして逃げたんだけど、その様子、だれかに見られたみたいで、援交やってる
みたいなうわさかけられてさぁ、もう最悪なわけよ!」
・・・・そうだったんだ・・・
「・・・・・・」
「・・・・・・」
でも・・みかの話が深すぎて・・だれもなにも言わない
せっかくみかが打ち明けてくれたのに・・返すことばが見つからない・・とひかるがあせる
まずい、なにか言わないと・・・・と思った時
てんがぽつりとしゃべり始めた
「・・・馬ってねぇ・・・」
・・・・・・・馬?