素材屋とつるはしと魔鉱石
31話です。
活動報告にも書いていますが1~4話を改稿版と差し替えています。
話の流れは変えていませんが人称を変えています。
お時間あれば読んでみてください。
31話 - 素材屋とつるはしと魔鉱石
おっと。
寝てしまっていたようだ。
休憩中に作ってもらえた料理はとても美味しいものだった。
たしかに食べ過ぎた感はある。
だからとはいえ、いくら結界石で出入り口をふさいでいるとしても、ちょっとうかつだったな。
私に釣られてしまったのか、護衛を頼んだ二人の少年もまだすやすやと寝入ってしまっている。
可愛いものだ。
しかしCランクの依頼とはいえ、こんな少年が依頼を受けてくるとは思わなかった。
最近ここの坑道の様子がおかしいと、正規の坑道に出入りしている鉱夫達に話を聞いて念のためにやとった護衛だったが、本当に魔物が現れたときはこの子達で大丈夫なんだろうか。
まがりなりにもCランクというランクである以上問題ないとは思う。
正規の坑道とはまったく違うルートでこの坑道は掘られているからこっちで魔物の巣を掘り当てない限りは大丈夫だと思う。
掘る際も、探知の魔法を使いつつ掘り進めている。
表からも入って来れないように坑道の途中途中で破魔石なんかを埋め込んでいる。
よほど高ランクの魔物が入り口を見つけない限り表から入ってくることはないだろう。
この最初の休憩所からだいたい半日。奥に潜ったところに魔鉱石の採掘場がある。
ここは私だけが知っている場所で、探知の魔法で見つけたものだ。
魔鉱石というものは、魔法銀や神鉄、桃魔鉄などの希少金属が抽出できる鉱石。
何が抽出できるかはその鉱石の塊によって変わるものだが、同じ鉱脈で複数の希少金属が取れる。
私みたいな素材を扱うものとしてはこういうギャンブル性が高いものには手を出したくないのだが、最近希少金属の納品が多くて在庫が心もとない以上しょうがないだろう。
今回、いつもより少し多めに掘って在庫を潤沢にしておかないとダメだな。
そうと決まればこの二人をそろそろ起こして先に進むとしよう。
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私達三人はわざとせまくした坑道を明かり石の光だけを頼りに進んでいく。
途中で疲れたとかへこたれないところはこの二人の冒険者は好印象だな。
坑道をわざと狭くしているのは、この先の魔鉱石の採掘場で掘り起こしたものを簡単に持ち出されないため。
魔法の鞄を持っていれば坑道がせまくても行き来は出来てしまうが、鉱石を潤沢に入れて持ち運びできる大きさの魔法の鞄なんてものはかなり高価なので割りに合わない。
坑道を広くしてトロッコなんかで運ばない限り採算は取れないだろう。
私の魔法の鞄も、とある冒険者から譲ってもらったもの。
私が素材屋という商売を思いついたときにたまたま酒場で同席になったその冒険者が話を聞いて出資だといって譲ってくれた。
自分で買うなんてことはできないもののため、その冒険者には頭が上がらない。
っと。目的地についたな。
「お二人とも。ここが目的地です。」
採掘場はギルドのホールくらいの大きさくらいまで掘られているため、窮屈感はすでにない。
採掘場のいたるところの壁に置かれている明かり石に魔力を通して、明かり付けていくと採掘場全体がうっすらと淡い明かりで照らされる。
「なんかキラキラしてて綺麗だなー」
「ほんとだな。こう、なんていうか。岩の裏から明かりで照らされている。なんだっけ、なんかであったよな、こういうの」
「洞窟に篭っているおじいさんの所で飛行石が反応してた奴?」
「そうそう、それそれ」
護衛の二人はこの光景の感想をそんな風に言っていた。
だがちょっとまってくれ。
岩の裏から照らされている?
キラキラしてて綺麗?
それは魔鉱石に含まれている魔力の反応で、普通は探知を使わないと見れない光景だ。
やはりこの二人は只者じゃないのか。
「お二人さん。どこがよく光っているか教えてもらえるかな?」
探知の魔法を使わなくても場所がわかるならそれを利用させてもらおう。
光っている場所に持っていた塗料で印を付けてもらえた。
結構な数があるな。
これは大漁だ。
後は私が掘りまくる!
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岩肌に印をつけまくった僕らは入り口の方まで下がる。
クルさんがつるはしを振り回して岩肌相手に無双をしているからだ。
つるはしを一振りすると周辺の岩が砕け、クルさんの後ろに飛び散る。
さすがにあの傍に行く度胸はないです。はい。
掘り出した鉱石は後で選別するのか、目もくれずにものすごい勢いで掘り進めて行く。
神威なんかは鑑定をこっそり使っているらしく、「あ、神鉄だ。」とか「お、黒鉄まで」とか呟いている。
見た目普通の岩なのにそういう希少金属が取れるってのは不思議だよねぇ。
「クルさん、なにか手伝うことありますかー?」
手持ちぶたさんなので一応聞いてみるが「大丈夫です、そこで休んでいてくださいー」としか返って来なかった。
ふむ。
やることがなくなった。
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クルさんが掘り始めてから約4時間は何もすることがなくぼーっと待ってることになった。
俺は鑑定で掘り出された鉱石を見ていたからこっそりと種類ごとにより分けていたりしたけど、瞬はほんとに何もすることがなく、あくびをしている始末。
時たま入り口の外に50cm位の大きさの芋虫が入ってくるのを見つけるが、結界を境に折り返していってしまう。
まぁ追いかけてまで狩る必要もあるまい。
クルさんはこっちを気にすることもなく休憩しないでずーっと掘り続けている。
タフだなぁ。
瞬に、クルさんがいつ休憩を取ってもいいように軽く食べられる食事の用意をお願いしておく。
俺も腹が減った。
しっかし、ほんといろんな鉱石が出るもんだなぁ。
水晶石とかダイヤみたいな宝石系も出てるみたいだ。
こういうのは魔道具とか魔術師の使う杖とかで使うのかね。
あー、魔法といえば。
瞬にも使い方を教えておくべきか。
どうせこのままクルさんが戻ってくるまで暇だしな。
。。。あの黒い笑顔のときの破壊力があがりそうだけど。
「ばーさんや」
「なんだいじいさん、ご飯なら先週食べたでしょ」
「餓死しちゃうー。じいさんにちゃんとご飯たべさせてあげてー」
やるな。
とまぁボケツッコミはこの辺にして。
「時におまいさん、魔法は使いたくないかね?」
「え?そりゃ使いたいに決まってるじゃん。」
「力が。。。力が欲しいか。。。。?」
「先生、力が。。。欲しいです。。。。」
よし、今日もノリがいいな。
「今、刀が持ってるのって水雷風だっけか。それ以外ってどーよ」
「んー、試してもいない。どうやるの?」
「あー、俺のときは精霊にいろいろ教えてもらっていたからなぁ。
「なん。。。だと。。。」
あの時は水の精霊だっけか。
こんな坑道の奥じゃあのときの水の精霊はいないだろうしな。
やはり定番の土の精霊かな。俺、相性悪いんだよな。
まぁいいや。きっときてくれるだろう!土の精霊よ!かもん!
「って思うじゃん?残念。水の精霊ちゃんでした。」
ふと腰に下げている刀からあのときの声が聞こえたと同時に脱力する。
いるのかよ。。。
瞬もえ?なにこれ?みたいな顔をしているから説明くらいしてやるか。
「今しゃべったのが俺に魔法を教えてくれた水の精霊。どうやらついてきてたようだ」
「はいはーい。水の精霊ちゃんですよー」
「あ、はい。」
そんな微妙そうな顔をするな。瞬よ。
俺のせいじゃない。
「おにーさんおひさしぶりー。呼ばれた気がしたから出てきたよん」
「おう、すまんなー。今日はこいつに魔法の使い方教えてやってくれぃ」
「らぢゃー」
瞬も精霊の声は聞こえているみたいだし、精霊というものに対しても喜んでいるみたいだから後のお勉強タイムは精霊に任せよう。
俺が混ざると。。。また凹むから。
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ふぅ。
これくらい掘っておけば問題ないかな。
結局休憩も入れずに掘りつくしてしまったな。
護衛の二人もだいぶ放置してしまった。すまない。
ん?なんで掘った鉱石がいくつもの山になってるんだ?
「
お、クルさん。休憩ですか?」
こっちの少年はカムイとかいったか。
もう一人の少年は向こうでなにやら魔法の練習らしきことをしている。
さっきから岩壁が崩れるほどではないが、結構な破砕音がしている。
上を目指すのはいいことだ。若いねぇ。
「あぁ、だいぶいい感じで掘り進めてしまったからこれで終わりだよ。しかし、このいくつもの山は君が?」
「はい。取れる鉱石ごとに分けておきました。鞄の中で一緒になっちゃうようなら意味ないんですがね」
取れる鉱石ごと?
なんで抽出もしてないのにわかるんだ?
鑑定持ちか?
「もしや君は鑑定を持ってるのかな?」
「はい。」
なんと。
商人で持っているのは珍しくないが冒険者で持っているのは珍しいな。
普通冒険者は鑑定アイテムなんかを使って鑑定するもんなんだが。
「仕分けしてくれてありがとう。この中で屑鉄や通常鉄の山はどれかな?」
「こっちからそこまでが希少鉱石じゃない普通の鉄です。ここの山からこっちは全部希少鉱石です」
ほう。
鉄関係の山と希少金属の山とが半々くらいだな。
これは大漁だ。
小山ごとになるように魔法の鞄に入れていき、帰る準備を行う。
掘りすぎたのか、自分の鞄には入らなくなったのでカムイくんの鞄に一山入れてもらう。
カムイくんはくず鉄や通常鉄の小山まで鞄に入れていたがかなりの大きさの鞄なんだろうな。
回数制限つきの安い奴とはいえ大したものだ。
魔法の練習を続けていた瞬という少年を呼び寄せ、また狭い坑道を通り、外に出る。
周りは入るときと同じくらいの時間帯になっていて、すでに日が沈みそうになっている。
最終の馬車に乗れるように少し急ごう。
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というわけで。戻ってきましたダンゴールの街。
クルさんはギルドについてすぐに依頼完了の手続きをしてくれ、神威を連れてそのまま倉庫に行ってしまった。
なんでも神威が預かっている鉱石がかなりの量があるため、ここで受け渡しをするのができないかららしい。
なので、ギルドホールのテーブルに座り、ジュースとケーキを食べています。もぐもぐ。
適当に待って帰ってこなかったら先に宿に帰ってていいそうだ。
で。
魔法覚えました。
はい。
全属性平均以上でした。
精霊さんが、「あのおにーさんはダメダメだったのよー」とか笑いながら言っていたけど聞かなかったことにしておく。
主に神威のプライド的なもののために!
火、水、土、氷は中級。
風、雷は上級
光とか闇ってないの?って聞いたけど人が持つ属性としてはないみたい。
アイテム付与とかではできるんだって。
そんでね?
嵐属性ってのを知ってたから聞いてみたんだけど、やっぱり複合属性ってのもあるんだって。
火と風で炎、水と土で鉄、とか。
6属性x6属性で計36属性になるのかとおもいきや、いくつかの属性の組み合わせ以外は相性が悪くてどうやっても複合できない属性もあるらしい。
だから複合属性として大体6属性くらいなんだって。
ちなみに3種複合の嵐属性はものすごいレアらしいよ。
そんなわけで。
中級の魔法使い程度の素質はあるそうです。
あとは使い方で実践で使えるかどうかが決まりそう。
まぁ僕は刀がメインなので魔法はそうそう使わないだろうけどね。
もったいないとか思った人挙手。
危ないときに咄嗟に出るのってやっぱいままで使い慣れた物だと思うんだよね。
なんてことを考えながらもぐもぐと食べ続けていたらすでに1時間は経過。
戻ってこなさそうだから先に宿へ行きましょう。
戻ってこない神威が悪い!
後半ちょっと駆け足だったかな…




