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王さまと王女さま

28話です。


pv2000、ユニーク600突破!

ありがとうございますー(ノシ´・ω・`)ノシ

28話 - 王さまと王女さま


神威はまだ部屋で寝ている午前中。

目が覚めてしまったのでもそもそベッドから這い出て騎士団の詰め所内にある食堂で朝ごはんを食べようと部屋を出る。


昨日は疲れていたからか寝巻きに着替えずにそのまま寝ちゃっていたのでドレス姿のまま。

でもこの服、最初のときはまだスカートとジャケットという形状だったのにいつのまにかこんな感じのドレスっぽくなってた。

依頼中は違う服に着替えてたけど、鞄から取り出したら形状が変わってるってどういうことなの。


そして女装というか、女物の服着のも、もういい加減慣れてきたよね。。。

向こう戻ったら気をつけよう。うん。


食堂に向かう最中、すれ違う騎士さん達が通路の端により、騎士礼で出迎えてくれてるんだけど絶対なにか勘違いしているよね。

僕は普通の付添い人だって。


いや、だから土下座とかいらないって!


うん、後ろ向いて目を合わせないようにするのはそれはそれで傷つくからやめて!


食堂についてからも海が割れるように騎士さんたちが左右に分かれてカウンターまで一本の道が出来上がる。

なにこれ。

モーゼですか。


しょうがないのでそのままカウンターまで進んで朝食を受け取る。

おばちゃん、そんなに恐縮しなくていいんだよ。。。


手渡された料理は一口サイズの赤味のステーキとさらさらのシチューと白パンとサラダ。

飲み物はオレンジのジュースかな?


うん、美味しい美味しい。


赤味のお肉はちゃんと柔らかくなるまで煮込まれてるし上にかかってるソースも大根おろしのしょうゆソースっぽくてさっぱり感が強調されている。

シチューは野菜とかがきっちり溶け込んでいて甘みが美味しい。

千切った白パンをつけて食べるとこれまたパンにシチューがしみ込んで美味しく食べれる。

ボキャブラリーが足りないと思われるくらい、美味しいという言葉しか出てこない。


これ普通にお店できるんじゃね?


この後の王都での買い食いに期待感が上がりまくるね。


食事を食べ終わって詰め所から出ようとしたところで騎士さんに呼び止められ、王都の案内に一人騎士さんをつけてくれるらしい。

それも女の子!


さすがに甲冑だと目立つから私服っぽい服に着替えてきてもらったけど、それも魔法がかかった服らしく、結構な防御力があるらしい。

剣はさすがに帯剣して、腰からぶら下げている。

まぁぱっと見冒険者っぽくなってるかな?


さすがにこのドレスで歩き回る度胸はないから着替えようとしたら案内をしてくれる騎士さん。名前はミルさんがどうしてもダメだというのでしょうがなくこのままに。

なんでだろう。身の危険を感じる。


----


お昼前まで死ぬように眠っていたおかげで体がバキバキになっている神威です。おはようございます。


部屋には王城までの案内をしてくれるという騎士さんが迎えに来てくれていて、着替えからなにからを用意してくれている。

騎士さんに待っててもらって、軽くシャワーを浴び、用意してくれた服を着る。


すごく。。貴族です。。。


白色一色の学ランみたいな服で、上着の裾はかなり長く、膝裏まできているから特攻服?とか思ってしまった。

袖や襟などには金糸で刺繍がされている。高そう。

さすがに軍服みたいな褒章印とかそういうのはつけていないけど、かなりそれっぽい雰囲気が。


「これは。。。なんとまぁ。」

「よくお似合いですよ。」


お世辞ありがとう。


昼食は王城で食べることになるとのことで、食堂でのご飯はお預け。

詰め所の広場に用意されていた黒い箱馬車に乗り込みいざ王城へ。


10分ほどで着くとのことだ。


馬車の振動でよく尻が痛くなるとかいう話を聞いていたが、王都の道はちゃんと舗装されているせいか、ほとんど振動がなく快適にしていられた。


しばらくして馬車が止まったところで、前の方についている小窓から御者さんの頭越しに王城の門が見える。


でっけー。。。


「すごいでしょう。わが国自慢の王門です。」


一緒に馬車に乗ってあれこれいろいろ観光案内をしてくれている騎士さんが自慢げに教えてくれる。


馬車がまた動き出し、2~3分で止まり、馬車から降りるように促される。


馬車から降りると王城の入り口前の広場。

馬車越しに王門の方を見ると、広場の真ん中に大きな噴水があり、その周りに芝生、それを囲う様に道ができている。


なんだっけ、バッキンガム宮殿だっけ?


お城もいわゆるお城!っていう感じのお城じゃなくて宮殿って言ったほうが正しい形をしている。

なんというか、見栄えじゃなくて実務を取っている感じがしてとても好印象。


そのまま騎士さんに連れられ、玉座の間へ一気に移動。


通路とかものすげーかっこいいの。


キラキラとか派手派手しいっていうんじゃなくて、こうなんというか、雰囲気がいい。


よくこういうところだと、通路に無意味に高い壺が置いてあったりするけどそういったこともなく。

床にはたしかに赤い絨毯とかひいてあるけど、真っ赤じゃなくてどっちかっていうとエンジ色。

目に痛くない落ち着いた色調でいい感じ。王様の趣味のよさがわかるね。うん。


そんな感じでお城の中をキョロキョロしてると案内してくれている騎士さんがニコニコしながらいろいろ解説してくれる。


やはり自分が所属している国のお城を褒められると嬉しいのかね。


玉座の間に通され、玉座の前に用意された椅子に座るように指示をされる。

あれ、王の前とかだと頭が高い!とかやらされるんじゃないの?


そうそうああいった感じのハゲあがった大臣っぽい人に。


「何を見ているのかね?まだ王は来ないのでそこの椅子に座りたまえ」


ぞろぞろと入ってきたお偉いさん達は玉座から俺に向かうように並ぶ。総勢10人。

なにこの裁判的な配置。


「いえ。特には。」


こういうときは何もしないのがいいな。


椅子に座ってお偉いさん達が俺を見定めているのを無視して、ぼーっと待ってるとしばらくして王が玉座の後ろから出てきて座った。

たぶん王女さまと思われる同い年くらいの着飾った女の子も出てきて王の隣に立っている。


「あぁ、気楽に。わしがガハナ・フォン・タタールト。タタールト王国の国王だ。」


王自体の見た目はナイスミドルなおじさま。綺麗な銀髪をオールバックにし、ちょっとした口ひげと銀のモノクルをつけた知的な感じ。


んん?

なんか違和感。


「冒険者の神威・小鳥遊と申します。」


椅子から立ち、左手を腹の前に置き、執事がよくやる礼のように頭を下げる。

下げた頭ごしにお偉いさん達の鋭い視線が突き刺さるが、無視だ、無視。


「よい。椅子に座ってくれ」と言われてから頭を上げ、椅子に座り、王の方を見る。


さぁそろそろかな?


光神(ラミーア)教会、筆頭司祭ティーカイズの件で王より労いの言葉がある。心して聞くがよい」

王の隣に立っているハゲたデブが今日呼ばれた理由を告げてくる。


あれ?

頭が高い!とかいう台詞期待してたのに。

つまんね。


「カムイ・タカナシよ。この度の一件、大儀であった。礼はギルドマスターを通して渡しているだろうが面と向かって礼を言いたかった。ありがとう」

「ありがたく謝辞を受け取ります。事態が悪化する前でよかったです。」

「ときに、カムイよ。お主はユーゲンの関係者か?」


あー、やっぱりじーさん関係か。

なんかいろいろ納得した。


「はい。幽玄・小鳥遊は私の祖父です。」


お偉いさん達からはおおおおって歓声が上がっているが王はすでにわかっていたのか特に表情は変えていない。

お偉いさん席からは「あの竜殺しの孫」とか「白の剣神」とか「食道楽」とかって単語が聞こえる。


じーさんよ、おまえもか。


「おお、やはりユーゲンの関係者か!なら今後敬語はいらん。気軽に話せ。ユーゲンは息災か?」

「はい。齢70を超えましたがいまだ元気に刀を振り回していますよ。」

「ははは。奴らしいな。なるほどなるほど。あやつの孫なら腕がたって当然か。」


なんかすごい評価なんですけども。

ほんとじーさんこっちで何したんさ。。。

お偉いさん達の俺を見る目が完全に英雄を見る目なんだけども。


「祖父が何を成し遂げたのかは聞いてはおりませんが、私はまだまだ修行中の身ゆえ。過度な期待は身に余ります」


王はあやつとは違ってよくできた孫だ。と感動していたが、まじでじーさんなにをした。。。


そんな感動している王に隣に立つ王女が服をちょいちょいと引っ張って何かをアピールしていた。


「おお、すまん。この子はわしの娘で、ショコラ・フォン・タタールト。今年で15になる。」

「ショコラ・フォン・タタールトと申します。お会いできて嬉しいです。カムイ様」


ショコラと自己紹介をした王女様はスカートの端を軽くつまみ上げ、挨拶をしてくる。

ふむ。

見た目は悪くない。

肉付きも健康的な感じで痩せすぎても太りすぎてもいない。胸はある。笑顔も素朴。仕草も上流階級のそれ。

まさに王女さま。って感じの子だな。

だが惜しい。もう少し肥えていれば。せめてあと5kg。


「神威・小鳥遊と申します。こちらこそお会いできて嬉しいです。」


無礼にならない程度の返礼をし、王に視線を向けると、王からの爆弾発言がされる。


「カムイよ。ショコラを嫁に貰ってもらえんか?」


この爆弾発言に回りにいるお偉いさん達が大騒ぎ。

そりゃぁそうだろう。

初めて顔を合わせるどこの誰かもわからない馬の骨にいきなり王女を嫁に、とか。


きっとこの中には王女に自分の息子を。とか考えてる腹黒い奴だっているだろうに。

ほら、あぁいう風に人を視線で殺せたら。とか睨んでくるやつとか。


まぁうん。


「お戯れを。私は拠点を持たず街から街へと動き回る冒険者です。私にはもったいなく思います。」


こっちに定住するっていうんなら考えなくもないけどすぐ向こうに戻っちゃうしなぁ。

すると王がためいきをつきながら「おぬしもか。。。」と言葉を聞いて落ち込んだ王女を慰めている。


「私も、ということはどなたかに同じようなことを?」

「あぁ。あまりおおっぴらにする話でもないんだが、ショコラはつい最近隣国の王子に婚約を破棄されたばっかりなんだ。理由を聞いても教えてくれない。なにかショコラに至らぬところがあったのかと考えてもなにも思い浮かばない。」


ふむ。


「それどころか隣国とは友好国の関係にあったのだが破棄と同時にその関係も破棄すると言い出してな。」


うーん。

何かを企んでいる黒幕がいるパターンか実は好きな人が他に出来ましたパターンか。


「なるほど。その王子と結婚しなくてはならない理由などはありますか?」


王は目をつぶり少々考えたが、「ないな」とだけ答えた。


「ではその国と友好関係を保った上でこの国に対して利点はありますか?」


王はいくつかの資材と食材が手に入らなくなるだけで、値段が高くなるが他の国からも手に入る物であると答えてくる。


「じゃあ別にその国に固執する必要ないですよね。」


その言葉を聞いた王は「ふむ」と考え込むがここでお偉いさんの一人。一番肥え太ったテンパのおっさんが声を荒げてきた。


「貴様!さっきから黙っていれば!隣国との交友がなくなると困るのは国民なんだぞ!!」

「先ほど王からは問題ないと伺っているのですが?困るのは国民じゃなくて貴方だけじゃないんですか?特に貴方が隠れて経営している商店とか。」


なんでそれを、という顔はしなくていいです。

お約束(テンプレ)すぎるわ。


他のお偉いさんも王までもがそのおっさんを見ているが、すでに冷や汗ダラダラでやっちまった感が収まらない。


「そうですね。貴方の立場としては外交大臣ですかね。隣国との外交を取りまとめしている役職の人と思ってください。それで、貴方がこっそりと裏で指示している商店って隣国との輸出入取りまとめとかしてるんじゃないですか?」


さっき王女を俺に。って王が言ったとき一番同様していたのがこいつ。

王女が隣国の王子とくっつかなかったらダメージ受けそうだもんな。主に金銭的に。

最終的に隣国の立場を上に。この国を下に。っていう風に持って行きたいのかな。

王女もこのままだと嫁き遅れとか言われる年齢になってきちゃうんだろうし。特に王族とかだと。

そこを突いて力関係をどうにかしたい、とか思ってそう。


おっさんがさっきからぐぬぬと言葉を出せないで顔を真っ赤にしているけど王や他のお偉いさんからの視線は外れない。

とうとう視線が我慢できなくなったのか、「気分が悪い!帰る!」といって広間から出て行ってしまった。


うん、普通に不敬罪とかじゃないのか?これ。


王も「あやつの背後を探れ」とか指示出してるし、まぁ勝手に決着つくだろう。


「しかしカムイよ。よくわかったな。あやつは隣国から交換されてきた友好官なのだよ。商店などは把握はしていなかったがなにやらきな臭いとは思っていた。こうして炙り出せたのもカムイのおかげだな。」

「いえいえ。王女様の婚約の件とはまた別件ですし。根本解決ではないですよ」


ふと王女様を見るとキラキラした目で俺を見てる。


やめて。

溶ける。


「もう隣国にこだわる理由もなかろうて。ショコラには普通に恋愛結婚でもさせることにするとしよう。ショコラもそれでよいな?」


王が王女様に向かってそう言うが王女様の視線は俺をみたまま動かない。


完全にハート目でロックオンされてますがな。

どうしたもんか。。。


「それなら私はカムイ様がよいです。王家から降家してでも一緒にいることを望みます。」


おいおい、どんだけだよ。

ほら、王が困ってるじゃないか。


うーん、連れ回すわけにもいかないしなぁ。


「王女さま、私はこれからダンゴールの街で用事があるので一度王都を離れます。用事が済み次第一度こちらに戻ってきますのでその時にまたお話をさせてください。」


まぁ戻ってきませんけどね。

ダンゴールであと一週間半過ごして向こうに帰っちゃえばいいし。

じーさんのこっちの奥さんみたいに寂しい思いはさせられないでしょ、常識的に考えて。


「。。。わかりました。ではお帰りをお待ちしております。」


王女さまもしぶしぶ納得してくれたようだ。


その後王さまと王女さまとで昼食をご馳走になった。

王城の料理はすごかったです。味も量も。

今の俺を腹いっぱいにさせるとは。

やるな。



王と王女に見送られながら一度詰め所に戻って瞬が帰ってくるのを待つ。


大体午後3時くらいかな?瞬も戻ってきたのでラミールさんの飛竜に乗ってダンゴールへ向かう。


飛竜の上で、王城でのやりとりを瞬に話しているとやはりモゲロとか爆ぜろとか言われた。

なんでだよ。


飛竜からの景色は昨晩と違ってまだ日が明るいうちだから遠くまでよく見える。

向かっている先はいかにも田舎。って感じの風景で、山にだんだん近づいている。

放牧しているところや小麦粉畑のようなところもあり、のどかである。


あと30分もしないでつくらしいからこのまま景色を楽しみますか。


それにしても王女さま、どうしたもんか。。。


じーさん有名人ですねぇ


そして久しぶりの女の子登場。

勝手に動いている主人公たちに今後どう絡むのやら。



こうご期待!

と自分でハードルを上げてみるテスト

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