表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

84/128

第83話 人生ゲームは自分の人生ではできないことをするから面白い

 笛吹はバッグからゲームに接続するコードを取り出し、甲斐甲斐しくセッティングに勤しんでいる。それを待っている俺たち。

 つーか、今更ながら、ハードソフトに加え、周辺機器まで持ってくるってとんでもねえな。


「なあ、笛吹。なんというか、移動中さぞ重かっただろう。心中お察しします」

「明日、筋肉痛確定だよ」


 笛吹は振り返りもせず、もくもくと作業しながら答えた。

 というか、作業中、笛吹はずっと四つん這いになっているから、ずっと彼女のデカケツがこちらに突き出されている、というかなり危うい状況になっている。

 そんな状態なのも気にもせず、笛吹は作業を続けている。


 しばし、そのデカケツに目を奪われていると。

 唐突な肘が俺の脇腹にクリーンヒットしてきた。



「いった! 何事⁉」

「今、笛吹さんのお尻、見ていたでしょ? もうこれで今日の夜だけで重ねた罪は四つ目ね。旅行でようやく正体表したわね」


 赤槻警察、強すぎるだろ……。


「お待たせ、さぁ、始めよう」


 結局、笛吹が全部準備してくれました。

 俺たちの目の前には、いつの間にかコントローラーが用意されている。

 というか、コントローラー四つも持ってきたのかよ……。

 笛吹のバッグは四次元ポケットか何かか……?


「じゃあ、プレイヤーネームを決めてくれ」


 すっかり主導権を握っている笛吹が、回し始める。

 ……ゲームをやるとキャラ変するのは、旅先でも相変わらずらしい。

 笛吹は相変わらず、ゲームで使用するニックネーム『フブキ』。

 比屋根は当たり前のように、自分の真名? である『ヒヨテリウス』を使っている。

 赤槻は名前ではなくなぜか苗字をそのままで、『あかつき』。

 そして俺はつまらないと思うかもしれないが、普通に下の名前の『はるみ』。……いや、人生ゲームって考えれば、一番俺が至極真っ当だろ。

 こいつらが滅茶苦茶なだけだろ。


 この人生ゲームは、子どもブロック、学生ブロック、若者ブロック、大人ブロックの四ブロックに分かれていて、ゴールまでに資金を一番多く持っているプレイヤーの勝利となるらしい。

 なんとも生々しいゲームルールだな、おい。

 ルーレットの結果、一番手笛吹、二番手比屋根、三番手俺、四番手赤槻という手番となった。


「よしっ、ではぼくからだね。うーん、流石に、このサイコロ、目押しはできないか」


 ……いや、流石に、無理があるだろ。

 ……というか、その発想する時点で、恐ろしすぎるだろ、この子。

 笛吹が操作する『フブキ』は、サイコロの出た目の分だけ歩いて、マス目に止まる。なるほど、そのマスに応じてランダムでイベントが起こる感じか。

 想像以上に面白そうだ。

 さて、笛吹はどんなイベントが起こるんだ。


「なになに……? 運動会で一番を取った。体力ステータスが上がった」

「お前、絶対そういうタイプじゃないだろ!」


 と、真っ先に突っ込むほど、笛吹が運動会で一番を取るなんて、おかしすぎる光景だ。

 なるほど、こういうプレイヤーに合っていないイベントが起こるのが、人生ゲームの醍醐味だ。


「次は我の番だな。覇道を歩ませていただこう!」


 さて、比屋根はどんな人生になるのだろうか……興味、ありまくりです。


「ふむふむ。テストで百点を取った。知力ステータスが上がった」

「お前はそっち系なんかい!」


 【悲報】万年の魔女・ヒヨテリウスさん、勤勉タイプでした。


「よし、ようやく来たぜ、俺の番!」


 さあ、お待たせしました。

 俺こと、青山春海の出番だ。

 ここから始まる人生って希望しかないだろ。叶うならば、人生をやり直したい・

 ダイスを振って、出たマス分歩く。


「えーと、何々? 町の版画コンクールで入賞した。センスステータスが上がった。やった! これ、滅茶苦茶良くない?」


 うお、絶対に現実の俺が合わせない能力、キタコレ。

 よしっ、俺は今日からセンス系として生きていこう。

 もう、誰にもバカにされない。カリスマと呼ばせてやるぜ。


「そういえば版画なんてあったわね」


 なんか、赤槻が明後日の方向で話題を進め始める。

 でも、確かにそう言われれば、懐かしいワードだ。


「確かに、あったわ。それ以降、全く見なくなったけど」

「あれ、何だったのかしらね」

「それな……って、次はお前の番だぞ」

「分かっているわよ! えいっ」


 と、掛け声をしながらサイコロを振る赤槻。

 なんだかんだ、可愛げがあるんだよな、こいつ。


「えーと、何々、お年玉、百万円を貰った。ラッキーだわ」

「貰いすぎだろ! どこの資産家に生まれたんだよ!」


 どんな金銭感覚しているんだよ、と思ったけど、ゲームなんで細かいことは気にしない。

 そんなこんなで、何ターンか重ねて、子どもブロックが終わり、いよいよ学生ブロック。

 皆はどんな人生を歩むのか⁉


 人生ゲーム編、続く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ