第1話 はじまり
※この作品はフィクションです。
暗い通路、少女が1人走り回っていた。
「どこ?出口はどこなの?」
彼女はようやく大きな扉を見つけたが、南京錠と鎖で固く閉ざされていたため手に持っていた鍵を鍵穴に入れようとした。
そのとき後ろで不気味な何かが奇声をあげながらこちらへと迫ってきていた。
急いで鍵を開けようとしたが、焦っているせいか上手くいかない。やっとのことで鍵を開け、鎖を外し扉の向こう側へ飛び込んだ。
しかし不気味な何かは既に少女に追いつき、殺そうとしていた。その力強い手は脱出寸前の少女の頭をかすめた。かすめた程度ではあるがその威力は凄まじく、少女が気を失うのには十分だった。
──目が覚めると彼女は病室のベッドにいた。
目が覚めたのに気づいたのか看護師が様子を伺ってきた。しかしその看護師は彼女が知っているものとは違かった。服装はたしかに看護師なのだが、人影のような人ではない何かだったのだ。その後医者のような人影が病床を訪れた。さっきの人影とコミュニケーションのようなものをとり、その場を離れた。今までに見たことの無い光景に少女は驚く他なかったのだった。
しばらくして何も無かったので退屈になり、少女は起き上がり病室から出る事にした。扉を開け、辺りを見回したが特に何も無かった。廊下を歩き続け角を曲がろうとしたそのとき何かとぶつかり転んでしまった。
大丈夫ですか?と手を差し伸べられたので少女は感謝を伝え、起き上がった。
ふとその恩人の顔に目をやると震えが止まらなくなった。あいつだ、あの時のあいつだ。
「目を覚まされた様で何よりです。吉田...真珠さん。」
礼儀正しいそいつは全ての元凶だった。




