133話、どこかのお宅のジュニアを捕まえた
騎士国では格付け戦が開始。全体一位のクリス・レインは初日から更なる無敵さを維持していた。
「どうしたよ。ジェイクに刺激されたって聞いてたがそんなもんか?」
手も足も出ない。
驚異の神足通が為せる力技。大斧を地面に下ろすと地面が揺れたようだった。一新してより重い斧を振り回すクリスの神足通は次の次元へ。
マナ強度は長期休暇後に【幻炎】へ到達。上級三回生でさえも手がつけられなくなっていた。
「……っ!」
「【紅蓮技三式・爀点】」
紅蓮技最優と謳われる【爀点】が飛び出そうとした騎士生の足元に。熱線により地面は黒く焦げて煙を上げた。
「……っ」
焦げ臭さと火力に対戦相手は息を呑む。慌てた立会人を務める教官が試合を止めなければ、腰が抜けていたかもしれない。
「クリス! それはこの場では禁止されている技だ!」
「……つい出てしまいました」
「まったく……! 反省文は……どうせ書かないな。弟のジェイク君からこのような場合は手紙に書いてほしいと言われている。実家にこのことを知らせるからな」
「な――!?」
クリス唯一の弱点。それは弟の存在だった。観覧席にいるショーンはそれを知っている。
「ジェイク・レイン……」
このクリスが畏怖する弟を同じく恐怖するショーンはよく理解できる。クリスの友人という変わり者はジェイク死亡の一報に疑念しかない。なによりクリス本人が弟の死を鼻で笑っていた。
だが聞き及んだ状況を考慮すればショーンの見立てはオブライエンとまったく同じだ。生かしておくメリットがない。
「……分からないな。だというのに彼の死が思い描けない」
何度か言葉を交わしただけ。
他には噂を聞くばかりで、しかし耳に届くのは紛う事なき功績ばかり。
今回もまたひょっこりと姿を現すのではと思えてならない。
「ったく、何が反省だ……あん?」
「……」
頭をかきながら出入場ゲートを戻る途中、次の試合に臨むリカルド・ウィンターとすれ違う。リカルドは立ち止まったクリスに並ぶと横目を向けて告げる。
「……お前の弟から教わった技でお前に勝つ。それが私の弔いだ」
「興味ねぇ」
「……っ。自分の弟だぞっ……!」
「あいつが死ぬわけがねぇ。仮に殺せるなら人類王様くらいだ」
「……」
まるで弟の死を受け入れないで立ち去るクリスの背中を見る。
現実を受け入れられないでいる兄の姿に、思わず寂寥感に苛まれた。思えばカティア達も毎日沈痛の面持ちでいる。あの厳格な父バッハでさえ腹の虫が治らないようだ。
「……」
だからこそ自分だけはジェイクの技で頂点に立ってみせる。リカルドは決意を胸に格付け戦へ歩み出した。
その頃……騎士国の東北東でも動きが見られた。その貴族の邸宅には使用人がもういない。当主は壮大な使命の一端を担うとあって誰にも知られることなく『石』の完成を急いでいた。
「出来はどんな感じだ?」
「イーサンとソルか……石はあとほんの少しだ。あと一雫にも満たない量で完成する」
地下室に降りてきたのは《八頭目》のイーサンとソル・ハル。薄暗い錬金魔術が行われるこの場所は、《八頭目》の野望を果たす支柱の一つだ。二人は頭目の一人であるエリックの元へ。正確には彼の前にある台座へ向かう。
「……ほぼ完成していますね。これはもうより安全な場所に移して完成させた方が良いでしょう」
「私も行く。仕上げだけ手を出して手柄にされては困るからな」
「そんなことしませんよ……ただ虫の知らせなのか嫌な予感がしているだけです」
台座には縁を描く魔術式があり、中央には真っ赤な小石が置いてある。長い時間をかけて錬成した特別な石。それは組織でもっとも価値ある代物だった。
「行くならここで騎士国と訣別だ。さっさと荷物をまとめろ」
「言われずとも。私もやっとボスに会えるのかな?」
「ソルしか会ったことはない。俺はそもそも興味がないがな。目的が果たされた先にしか興味がない」
「それは私も一緒だ」
義手義足となって再会したイーサンは思いの外にいつも通りだった。さほどの関心もないが、戦闘となれば役立つ男なのは違いない。
エリックはソルの指示に従い、妻を連れて二人と共に屋敷を出る。
「石が完成したら間もなく計画が実行されます。ボスにもその時に会えるでしょう。あなたの場合は目線が変わり、ボスとして会うというだけですが」
「……まさか私も知っている人物なのか? もう既に会った中にいるのかっ?」
「印象は当てになりません。かなり冷血で時に気性の荒い方なので要注意です」
薄寒い恐怖をソルの物言いから感じながらに玄関から出る。ソルの説明にさまざまな人物を思い浮かべながら。
「――興味深い話だな」
厳かな声音は左にある庭の木から生まれる。その声色は騎士国の鉄壁にして、難攻不落を体現する守護者のものだ。
「……バッハ・ウィンター」
「お前達にも関心はあるが……まずはエリック・クレイン。国賊として貴様を処罰する」
緑の下で背を預けて腕組みし、イーサン達を眼光鋭く睨みつけていたのはバッハ……さらにアーロン・ゴールだった。
騎士国で見つかってはいけない最悪な相手が、何処からかクレインの尻尾を嗅ぎつけたらしい。
「どうしてここが……? 」
「ホーリーを手にかけた犯人を見破った者がいる。その者は部屋を一目するだけでクレイン男爵家に答えがあると突き止めた」
「……下手を打ちましたね」
ソルの端正な顔立ちが微かに歪む。横目でエリックを睨んで報告義務を怠った失態を責める。
だがいくら責めてもエリックが焦るばかりでバッハは待ってはくれない。鋼器を上着から取り出して槍と盾を復元させ、頭目達へと相対す。
「《烏天狗》様からお叱りを受けても懲りなかったとはな。そのオモチャも今から壊してやる」
「ちっ……やるしかないか」
対抗するイーサンが槍を復元し、ソルは――術式符で奥の手を使う。万が一の時は喚び出すように伝えろというボスの機転に感謝して、ある人物を魔術式から呼び出した。
「……濁の爺さん」
「すみませんが濁さん。この方々と戦っていただけませんか?」
ソル・ハルは言葉を発しながらも手話をして濁に伝達する。その老人は頷きを返して鋼器を展開し、曲剣を手にバッハとアーロンへと構えた。
「……こいつはかなり強いな」
「あちらは私が。おそらくソル・ハルであろう人物は逃走するつもりです」
「ああ。エリック・クレインか誰か一人でも拘束できたならいい方だろう」
「彼らの言う『石』とやらの奪取も試みます。おそらく……」
娘を殺されて殺意の頂点にあるアーロンがソルを見る。自他共に認める騎士国最強の目と目が合う。
「――!?」
「……彼が所持していると予想できるので」
右腕と左脚が斬り飛ばされる幻覚を見る。烏天狗から仕置きされたイーサンを知っているからこそ、アーロンの他心通により現実感のあるイメージを思い浮かばされてしまう。
「く……!? あ、アーロン・ゴール……聞きしに勝る怪物ですね……」
痛烈な幻覚を余儀なくされ、気を絶ちそうな衝撃に立ちくらんで膝をつく。手脚があることを触って入念に確認して、懐に手をやった。
「そちらの老人は上手く受け流していました。あなたが未熟なようですね」
「……では私は濁さんとイーサンに任せて去るとしましょう」
術式符を取り出して一緒に気絶させられたエリック夫妻と転移を始める。
その瞬間に弾ける戦闘員四人の【幽雷】。素早く飛び上がったイーサンと濁がバッハとアーロンへ襲いかかった。
♤
レトンメーテルの領主ライアン・ピットは、人類王の残した露天風呂を発展させた。
金をかけて大衆浴場をより立派に成長させる。更にライアンは家族や上流階級をもてなす為に、豪華で特別な浴場も大衆向けとは別に増築。
「朝はやはり湯を浴びねばな」
「……」
朝一番の湯浴みを日課にする領主の息子ライアンジュニアが今日も現れる。見目麗しいメイドのサリーを連れて今朝も一番風呂を譲らない。
レトンメーテル周辺地域は非常に治安がいい。再犯率も低く観光地としても特段に好まれる。
「……どけ! 平民ども!」
「す、すいませんっ……」
大衆浴場に並ぶ住民を蹴り付けて退かせる。これもまたジュニアの日課だった。
大衆浴場は新しく造られたもので、人類王が造らせた方を改築したものが上流階級用のものとなる。より川の上流へ程なく行くと、ジュニアお気に入りのそれは見えてくる。
「サリー、ボウッとするな! さっさと脱がせろ!」
「……はい」
愛人として、ある村から攫ってきたサリーに服を脱がせる。小太りの裸体が露わになると、温泉用のパンツを穿かせる。
これで準備は整った。あとは川と森林を眺めながら湯に浸かるのみ。かけ湯を忘れずに、静かに川のせせらぎと鳥の囀りに耳を傾けて、心を整える。
「お前はいつも通り、この脱衣所で待て。ここから先は新聖な領域だからな」
「……」
「勘違いするな。愛人にはしてやったがお前はただの平民に過ぎないのだからな。ふっ……」
嫌悪を顔を出すサリーに蔑む目を向けてから、ジュニアは湯へと向かう。もてなす来客の予定もない。今朝は一人で堪能できる。
「……」
湯への入り口で一礼、湯へ一礼。目を閉じ手を胸に添え、人類王に感謝を示す。更に一礼して締めくくる。
ジュニアはルーティン通りに、かけ湯へと臨む。
「だはぁぁぁ……だーはっはっはっは! いい湯だぜ!」
「……!?」
新聖な湯船には……野蛮な猿が紛れ込んでいた。
慌てたジュニアは目を擦る。赤紫色の髪をした少年が自分より先に湯に浸かっているように見えているのだ。頭にタオルを乗せて、溶けてしまいそうなほど寛いでいるようにしか見えない。
夢や錯覚を疑うも、残念ながら現実だと悟ってしまう。
「……な、なにをしている貴様ぁ!」
「……?」
「いや貴様しかいないだろうが! お前だお前!」
怒声を見舞うも少年は辺りを見回して困惑するばかり。指差して気づかせるが、少年は抜け抜けと言ってのけた。
「俺? 俺は朝風呂。見たら分かるだろ、クソガキがよ」
「なんだと!? こ、この私をクソガキと言ったのかっ!」
「そんなこと言ってないだろッ!」
「え……? 言って、いなかったか……?」
「言ってないだろ。失礼だろ、初対面でいきなりクソガキなんて。言うわけないだろ……」
「そ、そうだったか……」
文章ならば読み返せば真実が分かる。だが聞き間違いの可能性が非常に高い。常識として確かにこの場面でクソガキと言うのはあり得ない。ジュニアは落ち着いて対話を試みた。
「お前……平民だろう。貧相な面だからな。ここは選ばれた者しか使えない湯船だ。早く出ろ」
「俺と話したければ湯に入れ」
「ほう……同じ目線で語れと言うのか」
領主の息子であるジュニアに、歳下だろう少年がここまで言えるとは。ジュニアは密かにその肝の据わった態度に感心した。
「いやその肥えた裸が目障りなだけ」
「……な、なんだこの野郎っ! なんだバカ野郎! 貴様ただで済むと思うなよ! 不敬罪だぞ!」
「さっさと入れよ。湯に貴族も平民もあるか。自然の恩恵を受ける権利は誰にだってある。しかも人間に限ったことじゃない。動物や魔物だってそうだ」
「いや出て行けよ! 場所分けされてるのだから出て行け!」
「なんだよ、ちくしょう。分かったよ」
「やっと理解したのか。ふう……疲れるガキだ。ちっ、これだから平民はっ」
「もうちょっと旅の疲れを癒したら出ていくよ……」
「それ入浴をやり遂げるつもりだろうっ!」
ジュニアは新聖な湯を汚す猿に我慢の限界を迎える。歩み寄るなり髪と腕を掴んで引き摺り出す事と決めた。
「いててっ……!? てめえこのクソガキ!」
「やっぱり言ってやがった! 虚言癖まである、と、は……」
腕っぷしで強制排除を決行していたジュニアの股間が縮む。首元に翳された血色のナイフにより、顔も青褪める。
「かけ湯しろ。早く」
「……!」
脅迫に従い、近くの桶をとって自らに浴びせる。素早く。すると少年はナイフで頬を叩いて続けた。
「入れ。速やかに入れ」
「……っ」
「どことは言わないけど、粗末なもんを切り落とされたくなかったら協力しろ。今日一日な」
「今日一日っ!?」
丸一日の予定を掌握しようという少年に仰天する。命の危険を……というよりもこの少年と一日も一緒とは震え上がる長さだ。
「騒ぐんじゃねぇよ! 湯船で騒ぐやつは誰だろうが許さないからな! 誰だうるせぇ野郎は!」
『お静かにっ!!』
「す、すみません……」
脱衣所のサリーは遂に堪忍袋の緒が切れて激高し、注意を受けた少年は怯えて湯に戻った。
「な、何故こんなことに……」
ジュニアのもっとも長い一日が始まろうとしている。
♤
温泉に入っていたら、なんだか丸っこい助手を獲得した。
空いている湯に誰も入らないから入ってみれば、性根の曲がっていそうなコイツがやってきた。折角捕まえたのでこいつを使って調査する。
「……貴様。これは死罪も免れんぞ」
「ふぅん」
「ふぅんってなんだ。今なら許してやる。私を解放するのだ」
「領主の家ってどこ?」
「……ほう。なるほどなるほど」
小太りで高慢なガキと領主の屋敷を偵察する。何故かこの子供は納得したように頷き、背を向けて歩み始めた。
「ついてこい。殊勝な心がけだ」
「お前はなんて呼べばいい。俺はジェイク」
「ジュニアとでも呼べ。こいつはサリー。あと言葉遣いを改めろ! このクズめ!」
「よろしくな。ジュニアにサリー」
喧しいガキだが、退屈しないで済みそうだ。俺はジュニアに案内させてレトンメーテルの街を散策する事に。
まだ朝早い。こいつらを助手に領主周りから調べて回ろう。
「あれだ」
「……立派だな。改築したのか?」
辿り着いた領主ライアン・ピット伯爵の屋敷は想像よりも遥かに大きかった。川の温泉から程近くにあり、建物の真新しさと古さに差がある。
「そうだ。まだ大きくなる予定だ」
「そっか……次に行くぞ。来い」
「はあ!? 自首するのではないのかっ?」
「美味い店を教えろ。なんでも奢ってやるぞ」
サリーに見えない位置からジュニアにナイフを見せて同行を継続させる。由緒あるという宿屋に預けてあるから帰りの馬は心配していない。心残りなくレトンメーテルを練り歩く。
「……ここの騎士は普通だな」
「なにを言っている。レトンメーテルの騎士は聖国から南部を守る要だ。より精強な人材が揃っている」
「装備の話だ。ここの奴等はチューベルの騎士と違って相応の装備をしているんだよ」
「チューベル? どうしてあんな聖国との窓口くらいにしか機能していない街の騎士と比べる」
「あっちの騎士はそれはもういい装備をしていたぞ」
「……嘘だな。王国はどの領地の騎士も最低賃金が決められているが、チューベルはその最低賃金より少し上くらいだろう。聖国とのやり取りの分だけ上乗せされるくらいだ」
「……ここの騎士はどうだ?」
「レトンメーテルは高給な方だ。だが騎士達は装備よりもここにある学校に子供を通わせるために金を使う。騎士といってもシャメルケン王国での扱いは平民だ。奴らにとって学費は馬鹿にならんようだ」
チューベルからレトンメーテルはざっと三から五キロ。歩いて通えない距離ではない。学費に充てる騎士はいるはず。やはりチューベルの騎士は説明できない。
「ここで朝食とする。いいな?」
「高そうなところを選んだな」
「父上と私の行きつけだ。いつものものを頼むからな」
「好きにしろ」
見るからに老舗の高級ホテルに入る。一階のレストランに入ると店内が騒ついてジュニアをこぞって迎えた。
「ようこそいらっしゃいました」
支配人らしき老紳士が早足でジュニアに駆け寄る。お辞儀をして横柄な態度のジュニアを愛想笑いで出迎えた。
「いつものを二人前頼む」
「なんでだよ。三人前だろうが」
「……三人目はどこにいる。お前の仲間か?」
「俺とお前とサリーだろ? なに言ってんだよ……」
「くっだらん……まあいい。では三人分を頼む」
ジュニアはメイドを勘定に入れていなかったらしい。事実、サリーも朝食を食べられることに驚いている。
しかし俺はそんな二人の関係性よりも、病に侵された子供たちについて訊ねようと思う。案内されたテーブルへ着席するなりジュニアへ訊ねた。
「ジュニア。聖国へ送られる病人について、なにか噂とか聴いてないか?」
「噂だと? あと言葉遣いを直せ」
「なんでもいい。聖国が制限をかけて受け入れなくなったとか。王国から送られる治療費が減ったとか」
「現国王であられるマーロン陛下は確かに治療費を減らした……と記憶しているな。だが問題なく病の子供たちは送られている。妙なことを言うな」
病人移送の実態は周囲に知られていないらしい。ジュニアは本当に誰の耳にも入る情報しか知らないような印象だ。
「……聖国なんて」
「うん? サリーはなにか知ってるのか?」
押し殺した声で呟くサリーに訊ねる。するとサリーは怒りを堪え切れずに、声と体を震わせながら憤然と告げた。
「……私達の村を見捨てた聖国なんてっ、エリゴールに滅ぼされればいいッ」
「もしかして……十三年前に聖国から切り離されたのか?」
「王国ではなくて私達はシリウス帝国民だったんですっ……それなのにこんな王国に占領されて……!」
「分かる分かる。帝国民だったら胸を張れたよな」
「ええ。生まれたばかりでしたけど、両親から聞かされて今でもそれが誇りです。でも聖国でなくて良かったかもしれません」
「なんで? あっちは純粋に戦力が整ってるよ?」
「エリゴールの魔物に何度攻撃されても病人を受け入れる甘い思想を持っていますから。いずれは甘さに漬け込まれて占領されるでしょう」
おそらく病人を尚も歓迎しているのは、国境を護るオブライエン達が襲撃をまるで苦に思っていないからだろう。
だが考えていることは分かる。たしかにマリアは心優しく慈悲深い。だから付け入る隙があると見る者は多い。実際はそうも簡単にはいかない女がマリアだ。
「ふん、向こうも金が入る。甘さではないだろう。むしろ少数派の為に大金を投入する王国の方が甘い。見捨てるべきだな」
「……言ってることは分からんでもないけど、あんまりだろ」
「と、言いたいが……」
「うん?」
「……実際に俺自身が聖国に赴いて治療された身だ。そうも言えん。その点で言えば治療を続けている聖国には感謝すべきだろう」
実体験した存在に偶然にも会うことができてしまう。今日一日使って、該当者を捜そうと思っていた手間が省ける。




