プロローグ 黒く染まりゆく希望
光も射さぬ暗い洞窟の中。
暗闇に浮かぶのは、虚ろな二つの目。
すでに息も絶え絶えに、男は孤独の中でもがき苦しんでいた。
「なんだよ、、、、一体俺は何なんだよ。この力を持って、最強になって全てのものを手に入れた。力もお金も地位も愛する女も全てだ!!
なのになんだこれは。なんだお前は。俺を見るな!来るな!消えてくれ!!お前が勝手にやっただけだ!!俺は悪くない!!!人間が当たり前に求める当たり前の幸せを選んだだだけなんだ!!!」
男はただひたすらにむなしく叫ぶ。
「なのに、、、、、お前は俺を離してくれない。どうしたらいいんだ。一体お前はどうしたいんだよ、、、、。わかってるんだ。俺はお前で、俺はお前だった。だがもうお前はいない!!いるのは俺だ!俺だけだ!!だからもうやめてくれ!!消えてくれ!!お前のせいで俺はただの狂人扱い!正気じゃない、と俺の前からみんながいなくなった。お金も無くなった。地位も無くなった。愛する者も去った!!!俺は全てを手に入れたはずなのに全てを失った。これで俺は幸せになれたはずだった!!!!!なんでだよ!!!もうやめてくれよ!!!俺をどうしたいんだ!!!離してくれ!!もう消えてくれーーーー!!うわああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
男は狂気にまみれ、断末魔の叫びとともに闇の中へ消えていった。
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はーっ、はーっ、はーっ、、、、、、、
荒れる息遣い、汗の滲む額。
はーっ、はーっ、はーっ、、、、、、、
駆け足とともに早くなる拍動は、負の想像を悪化させていく。
その悪い予感を胸の奥にグッと閉じ込めるように、少年は喉元を強く締めた。
「ごめんね。私があんなこと言わなければ、、、」
「今はそんなこと、、、とにかく走るんだ!」
不気味に並び立つ夕闇に黒く染められる木々。
まるで最初からそこにいなかったかのように、周りから消えた生物の気配。
荒い息遣いと、枯れ葉や草のザッ、ザッというむなしい残響だけが聞こえる、誰もいない昏い森の中。
二つの影は懸命に駆けていた。
「あと少し、、、あと少しだから!」
何かに縋るように、今にも止まりそうな足を懸命に動かす。
生への執着とも言える原動力だけが、二人の体を動かしていた。
しかしこれを自然現象の一つと言うならば、二人のやっていることは無意味にほぼ等しかった。
後ろからやってくる絶望に抗う術は、ないのだから。
そして、、、、その存在は姿を現す。
二人の儚い願いを容易く踏みにじるかのように不気味なもう一つの影は、目の前に現れた。
「、、、、、、、、、、、、。」
それは見た者を震え上がらせるには十分な存在だった。
2mはゆうに超えるであろう長身。その全身を包み込むように覆う黒いフードロープ。服の上からでもわかる屈強な体と歪な笑みを浮かべたその男は、何も言わずフードの奥から漏れる邪悪な眼で2人を見ていた。
襲い来る恐怖による緊張と不安。
息が震え、頭の上から爪の先まで全身が警報を発している。
「く、くるな!!」
「いや、いや、こないで!」
止まらぬ冷や汗。心臓がドク、ドクっと脳にまで響く大きな音を立てながら震える。
足が地面から遠ざけられるように、立つこともままならない。
年端もいかぬ少年と少女の二人組。彼らに出来ることは逃げることだけであったのだが。
「、、、、、、、、、、、、。」
ズサッ、ズサッ、と鈍い足音は無言で一歩ずつ2人に近づいていく。
「や、やめろ、くるな化け物め!!くるなーーーーー!!!!!」
はじめまして。八毛猫のみっけと申します。
小説を書くのは初めてで、拙い部分や言葉の間違いなどが多くあるかと思いますがご容赦ください。
また間違いなどは指摘していただければ修正させていただきます。
こんな小説ですが、ぜひ楽しんでもらえればと思います!宜しくお願いします。




