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 カルナディアの勇者ガヤオと仲間の半獣人ネココは悪党100人に包囲され、大ピンチに陥(おちい)っていた。


「ぬあぁ! きりがない!」


「さすがにマズいッスよ!」


 2人は岩山に空いた洞穴に逃げ込んだ。


 悪党たちは、じりじりと入口に近づいてくる。


「どうするッスか?」


「逃げ場はないしな…」


 ガヤオが洞穴の奥を見るが、行き止まりだ。


「思い切って突撃するか…」


「相手は大勢ッスよ」


「そうだな…」


 50倍の数の差は侮(あなど)れない。


 悪党たちは全員、なかなかの手練れの戦士なのだ。


 と、その時。


「あ!」


「えー! 今は勘弁して欲しいッス!」


 ガヤオの身体が半透明になる。


 ミョーン感覚だ。


「ネココ、とにかく頑張って時間を稼いでくれ! 死ぬなよ!」


「早く帰って来てッスー!」


 半泣きのネココが消え、ほとんど裸のムキムキ30代前半男性が現れた。


 右手に槍、左手にシールドを持っている。


 同じ格好の男たちが、周りに大勢、居た。


「オレはズバルダの王、ムキムキダス。お前は?」


「俺はカルナディアの勇者ガヤオ」


「我々は今からベルジャ軍、3万と戦う」


「3万!? こっちは何人だ?」


「100人だ」


「ひゃひゃ、100人!? そんな…」


 大ピンチから、さらなる大ピンチに来てしまった。


「早くネココの所に戻らなきゃならないのに…」


「ベルジャ軍だ!」


 ズバルダの兵士の1人が叫んだ。


「テルモテルモの谷道に陣を張る!」


 ムキムキダスの命令で狭い道に密集した男たちが、槍と盾を構える。


 前方に敵の大群が現れた。


「ガヤオ! オレたちの後ろにつけ!」


「あ、ああ!」


 もう戦うしかない。


 絶望的なこの戦いを切り抜け、ネココの元に帰らなければ、彼女が危ない。


 ガヤオは覚悟を決めた。


 ズバルダの兵士は誰1人として、怯えていない。


 驚くべきメンタルだ。


 びっしりと並んだベルジャ軍は、降伏を促(うなが)してきた。


 しかし、ムキムキダスは即、断る。


「オレの首を獲ってみろ!」


 それが開戦の合図となった。




 







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