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第八章:合宿の週末

本日のスタートダッシュ、最後の第8章「合宿の週末」です!山の中の道場で、五人の問題児たちが一つ鍋を囲みます。




晴明寺の山にある道場は、年月を経た杉の木と緑茶の葉、そして周囲の木々が放つ清らかな湿気の匂いに満ちていた。学校の喧騒や街の騒がしさから遠く離れたこの場所では、木々に鳴く蝉の声だけが背景の音楽だった。トウジは住職に許可をもらい、三日間の集中強化合宿のためにこの場所を借り受けていた。驚いたことにユウセイまで姿を現したが、彼はいつもの冷笑的な距離を保ったまま、縁側の隅でイヤホンをつけ、座り込んでいた。


一日中、過酷な練習が続いた。トウジは正午の猛暑の中、全員に基本の姿勢を徹底的に反復させていた。そして夜の帳が下りる頃、森の影が寺を包み込み、グループは裏手にある食堂の大きな低い木製テーブルの周りに集まっていた。


イツキが用意したのは、山盛りのちゃんこ鍋――力士たちが身体を作るための栄養満点の鍋――で、立ち上る熱い湯気がダイコの眼鏡を白く曇らせていた。


「おい、このスプーンを持ち上げようとするだけで腕がもげそうだぜ」

ミナトが、ざらついた、しかし明らかにリラックスした声でこぼした。彼は豚肉ののった大盛りの白米に手を付けた。

「今日の午後の保弓の訓練は、ただの拷問だったな。肩が燃えるように熱いぜ」


「過去六時間に蓄積された筋肉疲労は、僕たちの三角筋内にかなりの高濃度の乳酸を生じさせている」

ダイコが熱いスープの入ったスプーンを慎重に吹きながら、分析を口にした。

「しかし、この鍋によるカロリー補給は、組織の再生において許容できるマクロ栄養素のバランスを保っている。見事な台所仕事だ、樹(イツキ)」


イツキはいつもの不敵な笑みを浮かべ、スプーンで鍋の縁をコツンと叩いた。

「俺は多才な男なんだよ、ダイコ! 一流のチームが空腹で表彰台を狙えるわけがないだろ。それに、一緒に飯を食うってのも、この素晴らしいキャストの『美的な校正』の一部さ。見ろよ俺たち、まるで本物のプロチームみたいじゃないか。あとはあそこの神童が殻から出てくるだけだな」


イツキが箸の先で、テーブルの端で静かに食事をしているユウセイを指した。ユウセイは片方のイヤホンを外し、ちゃんこ鍋を見つめて冷たいため息をついた。


「君たちは無意味な雑談にエネルギーを使いすぎている」

ユウセイの切るような声が、和やかな空気を遮った。

「地方大会は二週間後に迫っている。胴造り(どうずくり)の最中に体幹を真っ直ぐに維持することすら満足にできないくせに、もうメダルを獲ったかのように浮かれている。現実の試合はお前たちのその甘い幻想を一回戦で粉砕するぜ」


ミナトは乾いた音を立てて茶碗をテーブルに置いたが、いつものように怒りを爆発させる代わりに、じっとユウセイを睨み据えた。

「お前、怖いんだろ」

ミナトが直球を投げつけた。


ユウセイは箸を止めて動きを固くした。その鋭い瞳が即座に細められる。

「……何と言った?」


「また失敗するのが怖いんだろ」

ミナトは腕を組み、真剣なトーンを崩さずに続けた。

「俺にはその感覚がよく分かる。バスケ部をクビになった時、俺は三日間部屋に引きこもって、自分は物を壊すことしかできない粗大ゴミだと思ってた。そうやって退屈そうな顔で座り込んで、何にも興味がないフリをしてる方が楽だよな。挑戦しなきゃ、失敗することもない。だけど本当は、お前、死ぬほどあの弦をもう一度引きたいんだろ」


食堂は張り詰めた静寂に沈んだ。鍋の湯気すらも、ゆっくりと流れているかのように見えた。ユウセイはミナトを睨み返し、木箸を握る指の関節が白くなった。大男が口にした生の真実が、的の中心を完全に射抜いていた。


トウジは弦が弾け飛ぶ前に割って入った。彼は水差しを取り、ユウセイのコップに水を注いで、全員の視線を自分へと集めた。


「恐怖は弓道の一部だよ、ミナト」

トウジの声は静かで深く、テーブルに温かい抱擁のような落ち着きをもたらした。

「僕が射線に立ち、早気(はやけ)の亡霊が襲ってくるとき、脳は『外すぞ』と絶叫する。二十八メートル先の的が、僕の矢を飲み込もうとする怪物のように見えるんだ。弓を持ち上げるたびに、僕は恐怖を感じている。だけど、一人で道場にこもっていても問題は解決しなかった。ここに君たちといて、ミナトの文句やダイコの数式を聞いていると……不思議と、僕自身の焦燥のノイズが小さくなっていくんだ」


ダイコは眼鏡の位置を直し、考え深げに晴明寺の木製の天井を見上げた。

「孤立したシステムは、崩壊に至るまでエントロピーを蓄積し続ける。新しい力学的変数の導入は――」彼はテーブルの周りの全員を順番に見つめ、「――フローを安定させる。数学的に言えば、僕たちの結合は個人のエラーの衝撃を減少させているんだ」


イツキは静かに笑い、いまだ微動だにしないユウセイの茶碗に、もう一盛り肉を添えた。

「天才くんの言葉を翻訳するとさ、俺たちは五人の問題児なんだよ、ユウセイ。だけど、もし地方大会で転ぶなら、この学校がこれまでに見たことのない大音響(ノイズ)を響かせて全員で一緒に転がろうぜ。お前一人で弓の重みを背負う必要はない。同じ鍋を食うのが、俺たちのリズムを合わせる最初の一歩さ」


ユウセイは自分の茶碗に盛られた肉を見つめた。彼は静かに唾を飲み込み、その場の熱量が、彼の冷徹な防壁をミリ単位で崩していくのを感じていた。彼は答えなかったが、再び箸を動かし、静かに一口肉を口に運ぶことで、その好意を受け入れた。彼の冷笑はまだそこにあったが、肩の硬さは確かに和らいでいた。


トウジはテーブルの周りを見渡した。この不揃いなグループに対して、深い誇りが込み上げてくるのを感じていた。ここ数ヶ月で初めて、射線が恐怖の場所ではなく、希望の場所に見えていた。彼らは五本の歪んだ弦としてこの合宿に足を踏み入れたが、その内なる確信の篝火の周りで、彼らはついに、一つの尊敬に値するチームへと生まれ変わろうとしていた。


蝉の声と鍋の熱気に包まれながら、夜は更けていった。翌日、すべてを変えることになる一射に向けて、五本の弦の周波数は今、完全に同調しつつあった。


(第八章 終わり)


初日の一挙8話公開にお付き合いいただき、本当にありがとうございました!一つの鍋を食い、五本の歪んだ弦の周波数がようやく重なり始めました。

明日からは毎日【3話ずつ】、地方大会の激闘を一気にお届けしていきます!


トウジたちの進行(フロー)を見逃さないよう、ぜひブックマーク(お気に入り登録)と下の評価欄からポイント応援をよろしくお願いいたします!

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