表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/46

遺書 その⑩

 奴隷商人と傭兵をロープで拘束した後、ケイトは家から持ってきた金貨で、船長を買収した。

 船長に指示して、まず向かったのは近くにある港だ。そこで奴隷商人と傭兵には、船を降りてもらった。

 すぐに出航して、今度は遠い国を目指した。遠い国まで逃げないと、サイパス村の村人が、追いかけてくる危険性があったからだ。


 故郷から遥か遠い異国の地に着いたケイトは、使われていない大きなボロ屋敷を安く買いとった。そしてその屋敷で、クラスメートと共に新たな生活を始めた。

 長い間使われていなかった屋敷は、ひどく汚れていた。掃除に何日も費やしたのに、掃除の終わる気配は全然ない。今日も朝から晩まで掃除に精をだしたケイトは、自分の部屋で休んでいた。


 机に頬杖をつき、心地よい疲労の中で微睡んでいると、なんの前触れもなく、机の上のノートが燃えた。

 ケイトは慌てて近くにあった雑巾をとり、雑巾でノートを叩く。燃えていたのはノートの一部分だけだったので、すぐに火は消えた。


 ホッとしたのも束の間、今度はノートが光の粒へと変わる。光は淡く薄くなり、消えてしまった。

 ノートのあった場所を触ってみるが、そこにはなにもない。ノートは消滅していた。

 なぜノートは消滅したのか? ケイトは記憶を辿り、ノートに書かれていたルールを思いだす。


〝ルール2。ノートの持ち主が死ぬと、ノートは消滅する。〟


 先ほどノートが燃えたことから推察するに、ケイトの考えた策が上手くいったのだろう。もう一人のノートの持ち主が死んだから、ノートは消滅したのだ。

 ケイトは黙とうを捧げる。もう一人のノートの持ち主であるアイスは、ケイトが殺したも同然だった。


 ケイトたちの子孫を、アイスは爆弾で殺そうとしていた。サイパス村で暮らしていたケイトは、サイコパスな人間を説得することが、不可能だと知っている。アイスの凶行を止めるためには、アイスを殺すしかなかった。


 爆弾の作り方を、アイスはノートにメモしていた。そのメモがアイスを殺す方法のヒントとなった。

 ケイトは爆弾の作り方について調べた。それからアイスの筆跡を真似て、加えてはならない材料を、ノートに書きこんだ。その材料を爆弾の製造過程で加えれば、化学反応を起こして、爆弾は爆発する。その爆発に巻きこまれて、アイスは死んだのだ。


 ケイトはランプを消すと、ベッドに入った。疲労がすぐに、ケイトを眠りの世界へ連れていく。明るい未来が、ケイトを待っていた。

 交換日記の最初の話であるラブレターを書こうとして、上手く書けずに悩んでいた。そのときに、別のアイデアが生まれた。そうして誕生したのが、この遺書だ。


 タイトルの遺書はちょっと不気味だが、パッと思いついたのが、このタイトルだった。

 これが私の遺書とならないように、次回作を発表できるように願って、ここでお別れとしたい。

 それでは、また次の作品でお会いしましょう! さようなら!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ