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眠るガキ
ガキが力無く布団に向かっていく。さすがに疲れたのだろう。無理もない。長旅にエクレアと今日は刺激の多い一日だった。耳を疑う格言の数々に驚いた神経細胞も数本切れているかもしれない。敷いてやった布団で丸くなったガキは、すぐに寝息を立てた。結構可愛いガキだ。結局分かり合える人間もいなければエクレアも食べれないガキがゲームに逃げたというだけだ。俺だってzozoタウンがなければ自分を保てる保証はない。社会に居場所がないというのは辛いんだ。同期はそれなりに偉くなっている。子供がいれば家も建てていて、真剣にライフプランを考えている。俺が考えていることなんてこの春に買いたい服のことくらいだ。こんな奴と話したい人間なんているはずがない。俺は嫁に尋ねた。
「このガキと俺のどこが違うんだ?」
嫁はなぜか優しく笑って、俺に眠るよう促した。このガキの寝顔を見ると思う。もしこのガキが俺と同じなら何とかしてやりたい。ガキのうちなら修正が効くからだ。こんな顔をして眠るガキの人生が絶望的であってはならない。




