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ルイス・フロイス天道記〜Historia de Japon  作者: アサシン
領地経営から始める戦国攻略
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婚前旅行8

〈長崎のカトリック日本本部〉

 かっかっと足音をたてて入ってきた金髪の男―イタリア人宣教師のオルガンティーノ師は祭壇に十字をきって礼拝してからこちらに向き直った。


「今日は何をしにきたのですカ?」


 日本人がいることを考慮して日本語で尋ねてきた。


 しかしながら、久しぶりに会ったというのに挨拶もなく、いきなり何をしに来た?はないだろう。


 通された場所も来客室ではなく、礼拝堂というのが意味深である。



「お久しぶりでございます。今日はオルガンティーノ師にお伝えしたいことがあって参りました」



「そうですカ?して、そちらの女性は??」


「織田様の妹君であらせられるお市殿です。このたび、結婚することになりまして。結婚するにあたり私が還俗することを報告に参ったのです」


「市でごさいます」

お市様も自己紹介をする。



「ほほう…主君の妹君と結婚するために還俗する…ト。それは、おめでとウ?と言っても良いのかナ??律儀にもその報告に来てくれたのは嬉しいが…ワタシがあなた方をこの礼拝堂に通した意図はわかってくれてマスか?」


 長身で金髪双眼で髭もじゃでスマートな壮年の宣教師が圧をかける感じで問いかける。その目には静かな怒りが感じられる。



「罪の告白…でしょうか?イエスの前で嘘偽りなく申し開きせよ…と?私の罪とはなんでございましょう??」



「あなたは最近、神を裏切りませんでしたカ?…いや、迂遠な聞き方はやめまショウ。アナタはどういうつもりで朝輝教の教主などをやっているのでス!?」



 そのことか。


 裏切ったも何も、本来のルイス・フロイスは太陽神・アマテラスオオミカミを祓おうとして返り討ちにあったのだが……。そうとも言えまい。


 それに、この国の伴天連たちは〝キリスト教は日本の天道と同じもの〟だとして布教しているのである。


(天道とは太陽のことだし。この国の太陽神は、アマテラス様じゃないか!)


 つまりこの国においては、キリスト教よりも朝輝教の方が正統派なのだ。



 俺がここにわざわざ来たのも、信長様が戒律に異様に厳しいから。という理由でしかない。


 ある家臣は重婚を厳しく禁じているキリシタンでありながら側室がたくさんいるのをけしからんと信長様に咎められて、追放された。


 信長様自身には側室がたくさんいるにもかかわらず…。自身はキリシタンではないので良いという論理。


 俺が御免状を持ってようが、この結婚が信長様の妹であるお市様の要望によるものだろうが、そのことを信長様が認めて俺に結婚を勧めているということだろうが、俺がけじめをつけないといけないことには変わりがないのである。


 さて、どう説明したものか……


「そのことですか……朝輝教に帰依したのは天照大神の像を持ち込んできたものがおりまして。そのできがあまりによかったので感動して……その天照女神像を広めるのに協力しているうちにいつの間にか教主にまでなっておりました」


 それを聞いて、オルガンティーノ師は(信じられない)というような顔――頭を抱え込んで、オーマイゴッド!!って顔をした。



 苦しい言い訳をしているようだが、この話には決して嘘偽りが無い。あの像にはある種の呪いめいた神通力がある。気づかないうちに涙を流して拝み倒すほど。


 まあ、俺は流石にもう涙を流すほど感動しないが、女神像は毎日、熱心に拝んでいる。


 他の人に天照女神像の素晴らしさを何時間でも熱く語れもする。天照女神像のことを悪し様に罵るものがいたら、俺も少なからずムッとするだろう。



 これだけの神通力を持つ天照女神像も、何故かオルガンティーノ師らには効かなかったらしく、天照女神像を悪魔と罵って朝輝教の信者から袋叩きにあった挙句、オルガンティーノ師らは京から追放されたのだが。



「フーン…?あの像が畿内で飛ぶように売れており、民衆も坊主も領主や貴族たちまでもが熱狂するほど信仰しているのは知っていますガ…。キリスト教の宣教師たるあなたまでもがそれに染まり、あまつさえ、教主にまでなるとは何事デス?そういえば…あなたの婚約者であるというお市殿もどことなく…あの像に似ているのではありませんカ?」


 オルガンティーノ師は、そう言ってお市様の顔をまじまじと見た。


 お市様はムッとした感じで、不快そうに顔を背けた。


 お市様は、奴隷がひどい扱いをされているのを目の当たりにして、ただでさえ激怒しているのに、そういうのはやめてもらいたい。


 

 ……まあ、毎日、像を拝んでいたら天照女神像とお市様の容姿がそっくりであることは嫌でも気づく。


 そこになにか作為的なものを感じずにいられない。


 (アマテラス様に何かを仕組まれているのかも?)っていう感覚は以前からあったのである。


 俺は運命的な出会いを信じるほどロマンチストじゃないから尚更だ。


(そもそも、俺に顔を見せなかったからな。アマテラス様は)


 アマテラス様とお市様が本当に似ているかどうかなど俺にはわからないのだ。


 ……。それは、今はおいておこう。



「それより……港で何百人という奴隷達が両手両足に枷をはめられてムチで船底へ追い立てられているのを目にしました。あれはなんなのです?キリスト教は愛の宗教だとフロイス様から教わりました。あれのどこに愛とやらがあるのです?」


 お市様が気を取り直したようにオルガンティーノ師に質問する。その言葉と態度には、礼儀ただしくはあるが多分に棘もある。〝愛とやら〟らへんに。



 オルガンティーノ師はびっくりしたようにお市様をみる。


 そして、ぐっと言葉につまる。


「……。織田様の妹君に愛を問われるとハ…。織田様は所用で出かけて帰ってくると、織田様がどこかに泊まってくるとばかりに思って侍女達が遊びに出かけていた、というだけで、そのもの達を厳罰に処したと聞いていまス。

弟君を病といつわって見舞いに来させ、騙しうちに

したとも聞いていまス。そこに愛はあるのですカ?」



 質問を質問で返す。このやり方はちょっと稚拙だろう。オルガンティーノ師ともあろう者が、よほど返答に窮した(きゅうした)らしい。



 …まぁ、神は乗り越えられるものに試練を与えるものだとか、キリスト教徒でないものが奴隷になるのはキリスト教を信仰するいい機会なのだとかいう詭弁でかえさなかっただけマシかもしれないが。



「な…。あ、兄上は規則や戒律に異様に厳しすぎるだけです。勘十郎殿(信長の弟・信行のこと)のことに関しては、何度も謀反を起こさないように説得しても聞かなかったからです。兄上は戦で家臣が大勢死んだ時には涙もみせるし、わらわが妊娠した時にも安産のお守りを買ってきてくださるほどお優しいところもあります!しかし、今は兄上のことは関係ございますまい。質問したことに答えていただけませんでしょうか?」 



「……。これは失礼いたしマシタ。なんとも痛いところをつかれたものデ……。この国の人たちにはよく驚かさレますね。国王の妹君がワタシに愛を問いますか……。あなたがた日本人ハ本当に賢明な民族だとワタシは思います。鉄砲も数丁売っただけで、たちどころに量産してしまっタ。このような民族はあなた方が南蛮と呼ぶ国々以外では類をみません。この国の人達を奴隷にして、酷い扱いをするのはこの国を敵に回すことだと再三、申し入れており、奴隷の売買を禁止するよう要請していますが、なかなか聞き入れられません。売る人がいテ、買う人がイル。そういうことです」



(そういうことですって……。)

 俺は説明になってるのかなってないのかわからない返答に内心戸惑う。


「そういうことですって……」


 お市様も俺と同様の反応を示す。



(ここは少し助け船を出そうかな?)


 と考えながら、俺は口を開く。


「オルガンティーノ師がこの国の民を奴隷として売買することに異議を唱えていることはもちろん存じております。私も以前から同じ考えでしたし。しかしながら…」


「しかしながら?」


 お市様が先を促す。


「宗麟殿にも説明した通り、買う側だけに働きかけてもらちがあきません。売る側にも働きかけないと……。この国の(いくさ)の多さや貧困、働く場所や産業のなさ。硝石の生産性のなさなどがこの問題の根本にあります。その根本的なところをなんとかしないといけませんね。宗麟殿には、〝我々と取引すれば解決します〟みたいにお伝えしましたけども」



「ソウ。ソレです」


 オルガンティーノ師がうなずく。



(いくさ)の多さ、貧困、産業のなさ……」


 お市様は俺の言葉を考え込むように反芻(はんすう)している。


「私は、この国の為政者として弾正忠様のもとでそれらの問題を根本的に解決していきたいのです。この国だけでなく、世界が奴隷達から搾取しなくてもやっていけるようにする。そのためにまずは、この国を平定し、産業を起こし、この国を強く豊かにする。そして、外国に影響力をもてるまでに発展させる。いつかお市様たちにも説明させていただいた、富国強兵策ですね」


 それが信長様に世界の覇権を握らせるということだ。


 世界制覇とは少し意味合いが違う。世界を軍事的に支配するのではなく、奴隷で成り立っている世界の(ことわり)を変えるのだ。――産業革命を起こすとでもいうか。


 信長様に世界の覇権を握らせる。――無理ゲーだと考えていたが、これなら可能。


 覇権国家とは、自国およびその同盟国の利益のために世界の理を変えることのできる国家のことを指すのだ。


 覇権国家の覇者ならば、〝世界の覇権を握った〟と言えるだろう。


 オモイカネ様にもこの理屈が通ることを確認済みである。


 まぁそうは言っても、世界史上最大の領土と同盟国を持たなければならないようだが。


(産業革命を起こして、日本を大英帝国を超える覇権国家にしてやる)


 俺はこの国で奴隷が安値で叩き売られているのを目にして、やっと、俺がこの世界でなすべきことを理解したのだった。



「富国強兵策。私達と兄上と備前様達の前でフロイス様がおっしゃっておられたことですね。あれが奴隷をなくすことにつながっていたのですか…。ようやく合点がいきましたっ」



「そうです。ついでに言えば、余暇の話もそこに繋がります。南蛮人の富裕層が学問をする余暇を得たのも奴隷を使役した結果でして…。我々が手を取りあってこの国や世界のあり方を変えなければなりません!!」


「妾にもなにかできますかっ?」


「もちろんです。そのことについてはまた後ほど二人で話あいたいと考えています。今はオルガンティーノ師とも話をしないとなので」


 この間、お市様と俺は二人の世界に入っており、オルガンティーノ師が置き去りになっている。


 俺とお市様がこういう雰囲気になることは出会った時からである。

最近はその頻度が以前より増えたようだが。


 結婚前の清いお付き合いであるにも関わらず、俺とお市様がすぐにこういう雰囲気になるところがアマテラス様に何かを仕組まれていると疑っている所でもある。



「二人はなんとも……仲が良いですネ」


 オルガンティーノ師は呆れ顔だ。


「ゴホン…それがあなたのやりたいことですカ……そのために織田様の妹君と結婚したいというわけですネ。還俗して、この国の政治の中枢に立って、この国や世界を変える…と。なんとも大それた夢ですガ……止めはしマセン。勝手におやりなサイ。カブラルが聞いたら〝あの裏切り者め〟と怒りくるって卒倒しそうデスが」


 カブラル。あの丸メガネの皮肉屋のおっさんか。怒り狂うところを是非とも見てみたいものだ。



「そのカブラル師はどこにいるのです?私が来ていると知ったら、それこそ、〝おまえのせいでわれわれは京の都から追い出された〟と、文句の一つも言いに来そうなものですが…。あと、紹介したい女性もいるのです。この景殿なのですけどね。宗麟殿とイザベル殿(奈多夫人)の間に生まれた姫君でして…。宣教師の働きかけで両親が離縁しそうだと怒ってましてね。私を恨まれても困りますので離縁の原因となった張本人であろうカブラル師に引き合わせたいのですが…」




「ああ、あのものは、今、フィリピンに向かっている途中でス。ここにはいまセン」


 フィリピン??


(となると……。)


 フィリピンが現在、スペインの植民地だということにはすぐに思い至る。


 それでいて、カブラルはスペインの軍人出身……となると、導き出される答えは…。



「まさか……」



「そのまさかですヨ。スペインの艦隊と九州のキリシタン大名とで京まで攻めあがろうというのです。フィリピンと違って、わずかばかりの艦隊でこの国を制することはできないし布教の妨げになるからヤメておけと忠告したのだが…」



「動きますかね?スペイン艦隊」


 世界史的には、スペインは現在イギリスや、オランダの台頭を警戒している状況の筈だ。日本にそんなに多くの艦隊を差し向けられるものか?


 実際に、キリシタン追放令が日本で出されたときに、ガスパール・コエリョがフィリピンのスペイン艦隊に出動を依頼したが、スペイン艦隊は動かなかった。


 そもそも、戦艦数隻くらいで支配されるフィリピンや南米がおかしいのだが。――ちなみに南米の国々が簡単に征服されたのは、南米の人たちがヨーロッパの感染症に対する抵抗力がなかったからだという説も知っている。


 そんなことを考えていると…



「わからヌ。他のものならともかく、スペイン軍と関係が深いカブラルが行ったのだ。説得に時間がかかるにせよ、最終的には動くと考えておいたほうが良いのでハ?」


とオルガンティーノ師は答えた。



 ……。


 まぁ…他の人がやって動かなかったものを、カブラルがやったからといって動くとは考えにくいのだが…。


(危機感を煽って日本をまとめる手段にすることや、対外戦争をおこす大義名分にするという意味では好材料かもな。グッジョブ。カブラル師)


 大友宗麟が史実より5年早く病にかかったのも、キリスト教の敬虔な信者である侍女長が看病したのも、その侍女長に宗麟殿がほだされて結婚することになったのも、宗麟殿がキリスト教へ入信することになったのも、すべて裏でカブラルが仕組んだことだろう。侍女長に毒でも盛らせたか?



 その上、フィリピンにまでスペイン艦隊を呼び寄せに行くとは…


 


 中国地方の毛利氏、越後の上杉氏、甲斐の武田氏、関東の北条氏らは追放された将軍に呼応して信長様に敵対する動きを見せており、九州では大友氏の屋台骨が揺らぎを見せ、宣教師の一部が反信長様のために暗躍していると…。


(四方八方、敵だらけだな)


 そんなことを考えていると


「カブラルの代わりといってはなんだが…アナタ方にアわせたいおヒトがいます」

 とオルガンティーノ師が俺たちに言った。


 会わせたい人?誰だ??


♠️

(オルガンティーノ師が俺たちにあわせたい人って誰だろう?)


 オルガンティーノ師に案内されながら、そんなことを考える。お市様にやり込められた後、俺にも朝輝教の教主になるために還俗とキリスト教の棄教を申し渡された状況。ここで俺たちにあわせる人物なら、キリスト教の面目を取り戻す目的があるはずだ。そんな立派な人物がいたかな?


 オルガンティーノ師について行くとハーブ園を挟んではなれというべき建物が見えてきた。


 ハーブ園があることから療養所のようなところか?


 療養所らしき建物の扉をガラガラっと開けると見えてきたのは、十名近くの女性が布団を敷いて寝かされているといった光景。


 中性的な感じのする日本人の美少年(6、7歳くらいだろうか?)が寝ている女性の1人の額の部分に手を当てている。


 その部分が光っているように見えるのは気のせいだろうか?


 その女性の顔は潰れているようで、鼻も削げ落ちている。削げ落ちた鼻の部分からは膿がでている。

 


 だが、少年に手当て(?)をされて安らいだような表情になっている。


(あれは…気功治療のようなもの?いや…キリスト教的に言えば…奇跡…か?そして、あの病態はおそらく…)



〔梅毒の末期症状じゃな〕

オモイカネ様が口をはさんだ。



(やはり。そうですよね)


 梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因による性感染症である。が、この時代にその原因は突き止められておらず、治療法も当然、確立されていいない。 


 抗生剤であるペニシリンの登場で現代ではこの病気で亡くなる人や末期症状に至る人などはほとんどいなくなったのだが…。ペニシリンのない時代では不治の病として恐れられている。


 まぁ、感染してから死に至るまで10年以上の長いスパンがあり、その間にゆっくりと進行していく病気であるのだが。最期には細胞が破壊されていき、大動脈瘤破裂や神経障害などをひきおこし、死に至る。


 日本に梅毒が伝播したのは海外からというのが確実視されているところで、室町時代の日明貿易によってもたらされたものだといわれている。その時期は1512年ごろとのこと。1574年(天正2年)の現在から62年ほど前のことか?



(梅毒が伝播されてから62年後の光景がこれというわけだ)


 しかし…、あの治療は一体…。奇跡?大方、あの少年は、俺と同じ…神の使徒といったところか?


 だとしたら……あの少年は俺の敵?


 そんなことを考えていると…


「どうでス?あの少年ハ??あの哀れな女たちを治療している奇跡の少年コソ神の子でス。彼こそが神の愛を体現しているのですヨ」

とオルガンティーノ師がどうだとばかりのドヤ顔で言った。


(お市様にやり込められたのがよほど悔しかったらしいな)


 あの力が本物だからといって、奴隷で成り立っているこの世の中を変える力がキリスト教にないことは変わりがないだろうに。




「なんです?あれは??何かのまやかしですかっ?」

お市様は懐疑的な様子でつっこんだ。



「あの力は本物のようですが…それでもまぁ、まやかしといえるでしょうね」

俺もお市様の言葉に賛同する。


 あれを神の愛などと呼ぶことには、反対だ。

あの少年に救える人の数がそれほど多いとは思えない。目に見える人だけを救う奇跡に価値があるのか?と考えてしまう。あれと同じことが俺の陰陽術でもおそらく出来る。


 しかしながら…


 全知全能の神がついている俺たちがなすべきことは奇跡などではなかろう。



 俺たちがなすべきことは、物事を根本的に解決する方法を人々に広く伝えること。いわば、〝最大多数の最大幸福〟を生み出すことだろう。それをもたらすのは神の奇跡などではなく、科学の力だ。


 この例で言えば…顕微鏡や培地の開発。梅毒トレポネーマの発見。特効薬であるペニシリンの開発。ペニシリンの量産方法の確立。ペニシリンをどれほどの濃度でどれだけの期間投与すれば完治するのかを観察し、データを集積すること。そして得られた手法を周知することなどだと考えられる。


 それを知っているはずの神がその方法を人間に教えないのはまやかし、あるいは、欺瞞といってもさしつかえないのではないだろうか?


(禁じられた知恵の実を食べたアダムとイブを追放した神は、人類に叡智を与えることがお嫌いなのか?)


 にもかかわらず、そういう神を信じている西洋の人達が、神が作った世界の真理を探求しようとして科学が発展したのはなんとも皮肉な話である。


 そう考えていると…


「まやかしとは、なんじゃっつつ!!」

治療を終えたらしき美少年が、静かな怒りを発してこちらを睨みつけたのだった。


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