表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

72/108

第71話 アラン・シュバルクアッドの反乱だと思っているだろ?

 +・+・+・+・+・+

 第71話 アラン・シュバルクアッドの反乱だと思っているだろ?

 +・+・+・+・+・+


 ロベルト・ダルバーヌが討死した。

 俺が確実に殺すように皆に指示し、スライミン姫が討ち取ってくれた。


 トルク様はそのまま旧ダルバーヌ家の勢力を取り込むために動いた。

 多くの城は開城したが、徹底抗戦する城もあった。


 ルイノース城のバーダン一族は、徹底抗戦の構えだ。

 すでにラドン・バーダンはクラリッサによって討ち取られているが、その孫が一族を率いて籠城している。

 その孫はまだ十一歳の子供で、どう考えても担ぎ上げられただけだ。本当は生かしてやりたいが、バーダン家の当主になってしまっては、そうもいかない。


 さて、シュバルクアッドのほうも、役者が揃ってきた。

 今回の謀反の首謀者はアラン・シュバルクアッドだ。

 このアランは以前間違えて連れてきてしまったガーナンの息子で、まだ十三歳だ。つまり、主導して反乱を起こしたわけではないと思われる。

 ガーナンは俺に従順で、今回のことに絡んでいないと思われる。しっかりOHANASHIしたから、逆らうことはしないはず。

 では、真の主導者は誰か。


 ジール州の南には、レイジーグ州がある。その北部を支配しているのが、フジカム家だ。

 このフジカム家はシュバルクアッド家と長く戦いを繰り広げてきた。お互いに不俱戴天の仇というべき間柄だ。

 フジカム家の当主はルームといい、ロロド・ヘンバ城を居城にしている。

 今回、このルーム・フジカムがアランを支援した。そのアランは側近のガシューム・レベヌという騎士に擁立されただけの子供である。

 つまり、この絵を描いたのは、ガシューム・レベヌということになる。


 さて、アランは二千の兵でテグネン城を囲んでいるが、フジカム家がさらに五千の増援を送っている。


 長年戦ってきたフジカムの支援を受けるとは、ガシューム・レベヌというヤツはかなり柔軟な頭をしているようだ。

 しかし、問題はフジカムが本当に支援だけで済ませるだろうか、ということだろう。

 テグネン城をアランが攻め落とした後、フジカムがアランを攻撃しない保証はないのだ。

 もしかしたら、フジカムの下につくという約束なのかもしれないが、もしそうなら謀反を起こしたところで結局は人に使われる立場ということになる。

 もっとも、これらは全てアランとフジカムが勝てばの話である。


「ボス。皆揃いました」

「あいよ」


 城の天守のような高い場所から外を眺めていると、ヘックについてシュバルクアッド家に移籍したサイドンが呼びにきてくれた。


 サイドンと共に入った部屋に、スライミン姫をはじめとした毘沙門党の面々が待っていた。


「待たせたね」


 今や毘沙門党の構成員は二百人に増えている。増えたのは主にシュバルクアッドの領内にいた子供たちだ。

 その子たちはまだ魔力を増やしながら、訓練を行っている最中だからここに集めていない。

 ここにいるのは、実戦に出してもいいメンバーだ。

 もちろん、本人が戦いを望まないなら、無理に戦場に出すことはない。


 トルク様のほうも大詰めなので、タタニアは向こうにいる。

 ここには新人とタタニアたち以外のメンバーが集まっている。


「今夜攻める。まずは目の前にいる、裏切り者たちを完膚なきまでに潰す。裏切り者は許さない。いいな」

「「「はい!」」」


 前回と今回で間引いた騎士家には、毘沙門党のメンバーを入れていく。

 せっかく向こうが機会をくれたのだ、シュバルクアッド領内を毘沙門党の一大拠点にしておこうと思う。


 このジール州は、トルク様のソルバーン家が統一をする。

 そして、毘沙門党員の育成機関をジール州に設ける。ここに集まっている子供たちが、やがてジール州を動かしていくのだ。

 この戦いは、そのための布石である。


「リッカ。敵の動きは?」

「昨日と変わりないです。この城の東にある屋敷にアランと数人の騎士がいます」


 鳥魔法で上空から監視できるリッカがいるおかげで、敵の動きが掴める。


 今回、人員が増えたことで、毘沙門党の組織を再編した。これからも臨機応変に変わっていくことだろう。


 第一部隊長はスライミン姫。隊員はクラリッサ、アーラン(女・十四歳・身体強化魔法・刀)、ウーラン(女・十四歳・爆破魔法・弓)、オーラン(女・十四歳・閃光魔法・槍)、ペニー(女・十二歳・闇魔法・槍)。

 第一部隊は隊長の座を俺からスライミン姫に譲った。そして、見て分かるように女の子で固めた。

 ハーレムじゃないからな!

 アーラン、ウーラン、オーランは三つ子で、三人とも赤い髪をしていて、顔も同じだからまったく区別がつかない。スライミン姫やクラリッサは見分けることができるそうだ。不思議だ……。


 第二部隊は情報部隊として、隊長はロッガ。隊員はララ、リッカ、他四人。全員が意思疎通魔法か、動物を使役する魔法を覚えている。

 第二部隊をもっと拡充したいが、魔法がやや特殊なのでなかなか難しい。

 ロッガとララは基本的に俺のそばにいてもらっているが、部隊員は要所に配置することになるだろう。

 ただ、ロッガはタタニアといずれ結婚するので、その時は少し考え直さないといけない。


 第三部隊長はエグル。エグル以外の隊員は六人で、闇魔法と身体強化魔法のメンバーしかいない。

 この部隊も第二部隊同様情報を扱う。ただし、敵のそばに潜入して情報を集めてくる部隊だ。


 第四部隊長はバルナン。第四部隊は衛生部隊なので生命魔法持ちがメインになる。

 また、衛生隊員を守るための人員も所属している。隊員数はバルナン以外に十人だ。


 第五部隊長はクママ。第五部隊は弓隊で、所属隊員はクママ以外に十二人。


 第六部隊長はリット。この第六部隊は育成部隊なので、幼年者と新人は全員ここに所属している。


 第七部隊長はレンドル。第七部隊は工兵隊で、レンドルの地魔法をはじめ、石魔法、身体強化魔法など建築・土木・防衛陣地などを手掛ける部隊だ。所属隊員数はレンドル以外に十三人になる。


 第八部隊長はライダン。第八部隊は生産部隊になる。生産は石鹸、ガラス、農業、畜産など多岐に渡り、副隊長にレンを据えている。

 他にカカロス、テンダロス、ベグ、アイビーのような火薬製造をしているメンバーも所属していて、隊員数はライダンを含めて十二人だ。


 そして、タタニアの第一独立部隊。部隊員は剛雷のゲキハ、以上。

 ここは安定の二人構成だ。


 第二独立部隊も隊長のホッタン、副隊長のグルダ、隊員のシューはそのまま。そこに炎魔法を使うジラルディンを補充し、合計で四人の部隊になっている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ