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【書籍化】魔法が使いたくて肉が食いたくて努力してみたら最強になっていた  作者: 大野半兵衛


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第107話 演舞でも結界に力を与えるんだな

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 第107話 演舞でも結界に力を与えるんだな

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 ジール州統一を成したことを、菩薩様と毘沙門天様に感謝する祭りを開催する話があった。門前町の整備や祭りの準備で少し時間はかかったが、無事に開催できる運びとなった。


「ノイス、儂は隠居したらここに住むことにする!」

「いきなり何を言っているのですか、養父上ちちうえ

「ここは空気がいいのか、体の調子がよいのだ。それに食べ物が美味い!」


 スライミン姫とクラリッサの剣舞により、仏法守護社を中心に清浄なる結界が張られている。だから空気はどこよりもいいし、もしかしたら体の不調も改善されるかもしれない。


「空気がいいのは否定しませんが、食べ物はうちのものと同じですよ」


 ソト港付近で獲れた魚介類や、畜産している牛、豚、鶏、羊などの肉を提供している。特別遠くから取り寄せていないので、うちで食べているものと食材は同じだ。


「何を言うか!? このイカ焼きなどは、酒の肴にぴったりではないか! それにこのたこ焼きも美味い! これらは屋敷では出ないではないか!?」

「たこ焼きは出してないけど、イカ焼きは出してますよね」

「イカ焼きが出ているだと!? だが、見たことないぞ!?」

「多分ですけど、小さく切って出しているから、見た目では分からないだけでは?」

「莫迦もぉぉぉん! せっかくのイカ焼きを小さく切るとはなんたることか!? いいか、これからは屋敷でもこの姿で出すのだ!」


 それ、気分ですから!?

 まあ、気分で味が変わるというのは、否定しないけどさ。


「はいはい」

「なんじゃそのぞんざいな返事は?」

「ソンナコトナイデスヨ」

「養父様。そろそろ演舞が始まります。席へおつきください」

「む? そうか、分かった」


 スライミン姫が呼びにきてくれて助かった。まさかイカ焼きであんなにも食いついてくるとは思わなかったよ。

 まあ、美味いは正義だから仕方ないか。


 今日はスライミン姫とクラリッサの剣舞ではなく、毘沙門党員の演舞が行われる。シナリオは俺が書いて、スライミン姫が演技指導を行ったものだ。演舞と言っているが、簡単にいうと歌舞伎のようなものだ。

 もっとも俺は歌舞伎のことをほとんど知らないから、あまり大きな声で歌舞伎というと怒られそうだけど。


 演舞が始まりしばらくは静かだったが、佳境に入ると派手な演出が観客の目を惹きつけた。

 主役の毘沙門天役はグルダが演じている。グルダは百九十センチメートルほどの背丈で、毘沙門党員の中でも一、二を争う大柄だ。剛雷のゲキハは論外として、かなり大きい。姉のタタニアも大きいし、グルダの五人の兄も大きい。大柄な一家なのだ。

 だから、こういった偉丈夫な役を演じさせたらハマってしまった。それに意外と演技が上手かったのだ。

 そのグルダが悪魔との戦いで空を飛ぶ。ワイヤーアクションでも飛行魔法でもない。これはマルダの念力魔法で空を飛んでいるように見せているだけだ。

 マルダの念力魔法もこの日のために鍛えていた、わけではないんだが、日頃の鍛錬の成果がここで発揮されている。

 懸垂しながら念力でコップを持ち上げ水を飲むという訓練は、マルダの念力魔法の精度をかなり上げてくれた。おかげで、こういった演舞でも役に立つ。

 最初はワイヤーアクションにしようと思ったんだが、念力魔法のことを思い出してやってみたら、上手くいったわけだ。

 ちなみに俺も十メートルくらいの範囲であれば、人間一人を持ち上げるくらいはできる。俺の場合は魔力干渉の訓練の成果だな。


 グルダ演じる毘沙門天が空を飛び、悪魔を倒すと大歓声が起こった。観客が総立ちでグルダに賛辞を贈っている。

 これから秋はスライミン姫とクラリッサの剣舞、春はマルダたちの演舞で二回の祭りをしようかな。

 あと、神輿を担いで……菩薩様の神輿はマズいか? まあ、それは前世の常識だ。この世界にはこの世界の常識がある。その常識を俺と毘沙門党が築いていけばいいのだ!

 秋の祭りに間に合うように神輿を作ろう。うん、それいい! 神輿を担ぐのは、血が騒ぐぜ! 祭り男とは俺のことだ!


「ノイスは何をニヤニヤしているんだ?」

「ニヤニヤしてませんよ~♪」

「説得力ないぞ、その顔では」

「ヘヘヘ。いいのですよ、トルク様」

「そうか……あまり変なことはしないようにね」

「このノイスの人生で変なことはしたことありません!」

「「「嘘だ!」」」


 声を揃えたヤツ、前に出てこい!


「旦那様。トルク様たちに遊ばれていますよ」

「む? トルク様、俺で遊んでいるのですか?」

「そ、そんなことはないよ!」

「ふーむ。まあいいでしょう。俺は心が広い男ですからね!」


 ドヤッ!?


「しかし、グルダにあんな才能があったとはね。意外だったよ」


 トルク様の華麗なスルーにも俺はめげないからな!

 それはさておき、演舞が終わるとなんというか、結界が強化されたような気がした。スライミン姫とクラリッサの剣舞ほどではないが、グルダの演舞も結界に力を与えているようだ。

 これからは剣舞・演舞組みを組織して専門で仏法守護社の神官扱いにしようかな。

 ただ、グルダは第九部隊長だから外せないんだよな。まあ、やる気があるヤツを集めて、一から教育すればいいか。



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