向き合う時
は、と気づく。
眼の前にはリーク様が居て、私はその手を掴んだ。
「っ!」
咄嗟に振り払おうとするリーク様を、意地でも離さない。離してしまったら、もう掴むことは難しいだろう。
だから。
「隠したって無駄です。分かっているので。見せてください、今すぐ。」
「………いいですよ」
私の気迫に折れてくれたのか、観念したようにリーク様は腕の力を抜いた。
私はリーク様の腕をまくる。と、そこにあったのはがたの方まで覆い尽くす、鱗のようなものだった。
その鱗にそっと触れると、また景色が変わった。
「……リーク様は、やっぱり、ローレル様を裏切ったわけじゃないんですね」
その光景があまりにも悲しそうで、それでいて優しさに溢れていた。
――――――――――――
城の中庭にリーク様の姿があった。
真ん中に設えてある噴水の縁に腰かけて、空を見ていた。その横で、私もとある人を待っていた。
「呼び出して、なにかあったの……か?」
しばらくしてやってきた、ある人―ロイさんは目を見開いて驚いたように固まっている。
直ぐに表情は固くなり、私たちと距離を置いて立ち尽くしていた。
「これはどういうこと?」
私とリーク様が一緒にいることが、余程の事だったのか、怪しむように問い詰めてくる。
それもそう、リーク様が私たちにしてきたことを思えば、しょうがないと言えばしょうがない事なのだ。
たけど、私は知ってしまった。
虹脈を通して、リーク様の本当を。何を思って、してきたのかを。
「ロイさん、いえローレル様に知って欲しいことがあるんです」
黙ったままのふたりに、私は口火を切る。すれ違ったまま終わるなんてそんな事ダメだ。
もし、私が二人を繋ぐことが出来るなら。
「リーク様、失礼します」
「……!」
一言も発しないリーク様の腕をまくる。ローレル様はその様子をじっと見て、リーク様の素肌が顕にされると、息を飲んだ。
そこには、爛れたような荒れた赤黒い肌が痛々しいほど残っていた。
「これ、なんの痕か分かりますか」
「……いや……」
ローレル様が振り絞るように言った。
「これは、魔物の後遺症ですよ。コウエイと同じようにリーク様も、虹脈を飲んだんです」




