第22話 打ち合わせ回
「何で一緒に寝ないのよ。ここは度胸と甲斐性の見せ所でしょ。」
ええ…。
昨日は、ウィスの気分が落ち着いたころに元の部屋に戻ってもらった。
シトラスが戻ってこなかったから、リラさんと3人で寝たのだろう。
と、朝になって集まったら、開口一番これだった。
色々突っ込みたくなるけど、朝から騒がしいのもあれだし、スルーでいいや。
「それはそうと、話し合いは進んだ?」
「次はちゃんとするのよ。ああ、話は色々したわ。」
何をさせる気だ。
まあ、結構遅くまで情報を整理してくれたみたいだから、それは助かるけど。
そんな諸々の情報のうち、とりあえず魔界関連の情報を掻い摘むと…。
魔界にも当然だけど国があり魔物も普通にいること。
多少のトラブルはあるが概ね平和的に統治されているらしいこと。
それから、
「こっちの国に侵略?そんな七面倒くさいことするわけ無かろう。生態系、食生活、生活様式、全く異なる世界を併呑しても旨味なんぞないわ。」
と、5才児とは思えないウィスの談。
「誰が5才児じゃ!」
あとは、概ね平和とはいえ、過激な思想を持つ魔族もゼロではないこと。
「つまり、そういった魔族を召喚すると?」
「うまく誘導できれば、戦が起こり、国家間の戦争まで持っていける、かもしれんの。」
「まあ、それはどこの世界でも一緒だよね。」
「そうね。」
なるほど。
でもまあ、あまり心配してもしょうがないんだよね。
ただウィスが「もしかすると、魔界との行き来は思った以上に簡単かもしれん。」と、今後の可能性について教えてくれたことについては、しっかり胸に刻んでおくことにする。
「しかし本当にウィスは、物見遊山でこっちに来たんだね。」
「この後の予定とかは特に無いの?」
「うむ。ノープランじゃ!」
「そんな堂々と言われても。」
「じゃあ、暫くクロムに引っ付けとけばいいでしょ。」
「言い方が雑だなあ。」
儂は何でもええんじゃが…と、ブツブツ呟くウィスだが、表情は明るい。
というか、すぐに顔に出るタイプだなあ。
「さて、今日の動き方も決めちゃいましょうか。」
とシトラスが提案してきたので、何か考えてたの?と聞いてみた。
すると、
「とりあえずリラとレグに、ギルドの依頼を確認してきて欲しいかな。」
と言った。
ん?
「ああ、ほら、ウィスだけ愛称だと、バランス悪いじゃない?」
と、先程の発言を補足をするシトラス。
要は親しく呼び合ってはどうか、という提案だ。
多少急な話題だが、僕は賛成。
パーティだしね。
他のみんなも頷いてくれているし、大丈夫だろう。
「リラも早めに慣れてね。」
「はぃ…。」
大丈夫…だろう。
「依頼は皆で行かなくてもいい?」
「お金に困っているわけでもないし、要は情報収集だしね。それに…。」
「ん?」
「得意な人に任せた方が効率良いでしょ。」
ああ、レグホーンさん…レグのことね。
僕もそれには同意かな。
だとするとあとは。
「他のメンバーは?」
「そうね。当面必要になる装備とか道具とかを相談したいけど、それは私とトープで話しておくわ。いいかしら。」
「はい、大丈夫です。」
「クロムとウィスは、街の作りとか、人の噂とか、周辺の情報とか、まずはざっと確認してきて。」
「分かった。」
「そうね…昼食は各自、夕方ここに再集合でいいかしら。」
シトラスがぐるっと見回すと、特に異論もなく頷いていた。
じゃあ、まずは軽く動いてみようか。




