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もし〇〇が仲間になったら(〇〇式異世界英才教育〜憎まれっ子よ、世に憚れ〜)  作者: 平泉彼方
第2章 波乱な8歳前半の歩み(〇〇式英才教育基礎レベル実践編)
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68 無粋だが、謎解きは焼肉中で(その6)謎解きはしているのだが…

 読者のみなさまどうもこんばんは。行間は週末直します、申し訳ないです。また今回初っ端で15グロな描写があるのでご注意ください。


 さてそれでは今週の不憫をどぞ!





 髪の毛の喪失に咽び泣く幽霊を片手に、私はミスティフコッカスの瓶詰めを眺めた。入れた当初は髪の毛が入っていたのだが、現在はすっかり一見すると何もないように見えた。


 ただし、よく見れば銀色の糸状の何かが入っている。本気でよく見なければわからないことだが…



「いや普通見えんだろ…」



 親父のツッコミをスルーしつつ、レミィリアさんの使っていた術式を弄って作った術式を再び使う。今回はモノがモノであったため、用心して目を閉じた状態で術式を発動させた。


 これで電子顕微鏡レベルのものが余裕である。


 逆に言えば、今光のある部屋に移動して直視すれば文字どおり二つ目玉焼きが完成することになる。


 そう考えるとレミィリアさんは結構すごいことをしているのかもしれない。あるいはあの魔眼がすごいというべきか。重度の中二病だが。


 さて、瓶を近づけていざご対面…



「……」



 なんだろう…目が悪くなったのかな。それかこの魔術式に何かミスでもあったのだろうか。


 もう一度術式をチェックするが、特に問題は見られなかった。ならば私の目が問題なのか。まさか…引用元魔眼の術式を立て続けに使ったせいで急激に悪くなったのか?


 慌てて周囲を見回ると、ちゃんと見えていた。


 ジト目をしている親父の姿も、暗い雲を背負って落ち込んだピエールさんとカッパ頭も。ついでに壁、床、天井と見るが、ちゃんと見えているな。


 なら私の問題ではないか。よし。



 もう一度術式を目にかけていざ対面…



「………」



 目に映るのは、ハズレという文字と共に雫型の笑顔。こちらを嗤っているようにも、ドヤ顔にも見えるのでメッセージと相まってウザさと憎さ100倍である。


 同時になんらかの術式が作動したのかザザァ…と砂嵐のような音がした。



〈テステス…あー聞こえるかい?まあいいや。〉



 どこか若い男女を足して割る2したような中性的な声…聞き様によってはいい声なのだろう。



〈悪いけど今回ボク達の邪魔をするみたいだから妨害させてもらったよ介入者さん。というか、おせっかい焼く暇があったらさっさと国に帰ったほうがいいんじゃない?〉



 だが、どこかこちらを侮ったような馬鹿にした声音が全てを台無しにしていた。地味にイラつく。



〈まぁどーでもいいけどまあおとなしくボク達の糧になるのを待っていたほうが辛い思いしなくてすくよ、こいつらみたいに〉



 語尾に笑いを含んだ声は、次の瞬間プロジェクターみたいに映像を展開させた。そして、その映像を見た瞬間鳥肌が立つと同時にひどい吐き気がした。


 確かに今世になってグロ耐性はできていたつもりだったが、やっぱりまだまだ元日本というハリボテ平和国の住民だった名残があるらしい…オウップッ



 映像には、涙を流しながら赤黒い物体を喰らい続ける子供の姿が映っていた。不幸なことに正気が自動的に保たれているらしく、目から光が消えない。だが身体行動を完全に掌握されているせいかのか、動作が止まる様子はない。


 子供の体には、手足が一本ずつ欠損していた。傷口は腐敗が始まっているようで、白っぽい何かが断面で蠢いており周囲をハエらしき黒いものが飛んでいる。


 周囲には何もなく、ローマンコンクリートと思しき床と壁が見える…どこかの実験場みたいな印象だな。


 そしてその床には、赤や黒の跡もなければ影も何もなかった。



「親父、あれはエリクサーがあれば治せるか?」



 同じ映像を見て顔を真っ青にした親父に尋ねる。すると沈黙が流れて恐る恐るそちらを向く。


 すると、親父は部下と共に荒ぶるうちっさいおっさんを頑張って抑えていた…というか、いつの間にか犬神家の呪縛から解けたのだろうか。結構強めにしていたはずなのに。



「ン〜!!ン〜!!!」



 幽霊達は頑張って止めているのだが、今にも拘束が解けてしまいそうだ。やれやれ、しょうがないからネタバレするか。



「安心しろとは言わんが、あの映像は偽物だ。」



 その一言で、うちっさいおっさんが動きを止める。同時に幽霊達は吹っ飛ばされた。おそらくいきなり止まった動作についていけなかったのだろう、特に直前までの動作が激しかったので。



「おい小僧!それは本当ボガァ?!!」



 シャイニングウィザードを決めて壁へと蹴り飛ばす。



「口の利き方に気をつけろ、だが事実だ…惨状の割に綺麗(・・)すぎる。」



 そう、この映像よくよく見てみると子供の姿に影はなく、さらに床にも本来ならあってしかるべきの赤黒っぽい汚れとかが存在しないのだ。あるのはただ白い床だけ。


 その床に赤黒い肉が落ちているというのに。



〈チッ、その通りだよ全く…空気読んでそこは黙っていようよ。せっかく絶望した顔見れそうだったのにさ。〉



 やれやれと言わんばかりの声で残念がる黒幕(仮)。事実上相手が敗北を認めた瞬間である。ザマァ見やがれ。それと私は空気を読めないわけではなく、あえて読まないだけだ。そこのところ間違いてくれないでほしい。


 そこ…私をなぜジト目で見る。


 これほど察しが良く空気を読めるやつ私は知らんぞ。え?誰がDQNなミジンコゾウリムシ小僧だって?身長はこれからだから私ではないな…さてはミスティフコッカスこのことか?


 まあいいや。


 さてと。こうして謎が解けたところでめでたしめでたし…とは問屋がおそすわけないじゃないですか、いやだ。



「…で、こっちは焼肉しようとしていたというのに、こんなグロい映像を流してくれてどうしてくれるかなぁ」



 もうこっちはすでに怒りマックスで激おこスティックなんだからね!などと心中精神崩壊しつつ、現実でもいい加減数本額とか色々血管が浮き出てきているのを感じた。


 親父はああやばいという顔をして、他人のふりをし出した…薄情な。肉減らして山菜を献上したろか。


 笑みをこぼすと、さっきまで泣いていたピエールさんがガタガタ震えだした。髪の毛もなんだかサラサラ抜けて行っているように見える。全く落ち込んだり怯えたり土気色になったり、そして髪の毛が減ったりと忙しいやつだ(元凶)


 うちっさいおっさんも死んだふりするのやめときなさい、床はばっちいから。肉焼く係押し付ける気満々なので衛生状態には気を遣っても破らねば。



 まあいいや…とりあえず私のスーパー焼肉タイムを邪魔した罪はでかい。



「あはは、あはははは…」



 その上こんな風に食欲を激減させれくれるような映像を流しやがて…さていったいどうやって料理してやろうか。すでに逆探知は済んでいるので後は何を仕掛けるかだな。



「それよりあの子供は本当に違うんだな!」



 復活したうちっさいおっさんが襟ぐりを掴んで脅してくる件。身長差も相まって、上級生うちっさいにカツアゲされる下級生(私)という構図の出来上がりである。



「…だからそう言っているだろうが。」



 そう言うなりパッといきなり離して床にへたり込んだ。そしてよかったよかった、などと言いながらエグエグ泣き出した…鼻水垂らして。その上でなぜかありがとうと抱きついてこようとしたのでしっかりと距離を置いた。


 今その状態で抱きついたら“水”とつく分泌物がこっちにつくだろうが。本気でおっさんの雫とか誰得?



 だけど、今いい映像が撮れたな…そうだ、これをこうしてああして、そうだこれで……




◆□◆◇◆□◆◇◆□◆◇◆□◆




 所変わってどこかの国の王宮。



 遠く離れた国のお偉いさんからの依頼でとある旅客を妨害しろと言われ、大量の軍資金から兵隊まで渡された。そこまでやよかった。そうだ、計画通り。


 元は別にそんなことやりたくなかったんだよ…だが上司がやれというから……まあチョロい仕事だと油断したのは事実ではあるが。



 というかあんな強いガキが相手だなんて聞いてなかった。



「くそ、くそ…」



 カチャカチャカチャ…と画面上に提示されたキーボードを叩きながら若くヒョロヒョロした男は舌打ちを品なくした。服装はローブ一枚、そして首輪。首輪には奴隷文で『服役中』という文字が描かれていた。


 彼は所詮チーレム好きの転生者…だった者、いやすでに物である。


 中身はオタクだったのだが、転生する際に選んだギフトと本人の自我、その上で転生先に選んだ人物が原因でその肉体に入っていた人格ごと本人はご臨終した。そして残ったのはギフト。


 ギフト名は『擬似全知全能』。もう文字からしてロクでもないことは明白であった。


 現在彼の肉体を操っているのは、『擬似全知全能』が、己がプログラムを動かすためにだけ作った擬似人格…そう、チーレム好きオタクの記憶と肉体の元所有者をベースとして継接ぎを施してそれっぽく作ったのだった。


 まあ擬似と付くだけあって不完全なものが出来上がったが。


 作られた人格はなるべく人間らしくをモットーとして作成された。その結果、あらゆる意味で欲望に忠実な存在となった。


 ゲームやラノベに出てくる都合の良い展開に酔いしれ、全持ち主の名残で探究心が下手にある。その上で研究に対しての倫理観や日本人らしい平和的な考え方(お花畑一歩手間?)が欠如し、常識もどこかに行ってしまった。


 そうしてこの人格は次々犯罪を犯し、現在では立派な犯罪奴隷として嫌な仕事をさせられていた。



「あんなの知らない…ボクが負けるなんて知らない!」



 高い声で醜く喚く醜い男。


 己が作ったというのにこの男に擬似全知全能はいい加減呆れ果てて辟易していた。もう離れたい、何なんこいつ…という感じには。


 擬似全知全能はオタクが望んだ通りキーボード付きのPCのようなシステムになっており、本当に優秀なプログラマーが扱うことになっていればきっと世界征服とか一瞬で成し得たであろう。だが所詮プログラムの作ったプログラムが操縦者である。宝の持ち腐れという諺がお似合いだろう。



「そうだ、ボクは間違っていない、間違っていないぞ!」



 キャハハと狂気に満ちた嗤い声を上げ、さらに『擬似全知全能』はドン引きした。



 だが次の瞬間、いきなり雷に打たれたかのように静止した。



「ぃギャアああああアァァァァァァ…」



 変な叫び声をあげると、そのまま泡を吹いて後ろにぶっ倒れた。そして偶然そこに置いてあったモップの柄に当たり、モップがひっくりがえって機材にぶつかった。当たりどころが悪いというか良いというか…そんなこんなでピタゴラスイッチみたいな現象が起こる。


 次々と繰り返される破壊とか崩壊が始まる。だが、細っこい男はノックダウンしたまま起きる様子はない。仮に起きていたらさっさと逃げていただろう。



 そうして男が正気に戻った頃には逃げ場がなく、壊れた機材に囲まれていた…嗚呼、目の前に鉄筋が落ちてく



 そこで意識が途絶えた男は果たして、己が所詮プログラムでしかなかったことに気づくことなく行けたことが幸福であったのか、あるいは不幸であったのか…


 その隙をついてするりと抜け出た透明な物体は、プログラム()にかけられたプログラムを見る。



〈ああ確かにこれは、ね…〉



 男と少し似ているが、もう少し低い声でコメントする元スキル…彼の目に映ったのは青いツナギの男が手をワキワキ動かしながら下半身にテントを張った状態で近づいて来る映像。ついでに言うと、何やら湿った色をところどころしており床にも何かしらの惨状の痕と臭いがあった。


 再現率があまりに高い映像であったことから、おそらくこれを流した相手はこんな場面に遭ったことがあるのだろう。ひどく相手を同情するスキルであった。



〈さて、私は好き勝手生きますかね。せっかく自由になったし。〉



 ふわりと風に流されて行先は、西か東か…はたまた映像の発信先か。それは、神の味噌汁。




 さて週末投稿する分に関して、クリスマス近いので閑話入れるか本編続けるか悩んでいます。そこでどっちがいいか金曜日に活動報告で出そうと思います。どうぞご協力お願いいたします。

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