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厳冬籠もり春を待つ  作者: 猫面人
7/22

七話 良い助手と日常

 起きたら昼だった。

「所長、遅いですよ。」

と、人見が私のためにコーヒーを沸かしながら言った。良い助手である。

「そんな事はいい。マウスはどうだ。」

カップにコーヒーが注がれていく。

「何も変化ありません。元気に走り回ってますよ。」

私は大げさにため息をついた。

「まあまあ、いつものことじゃないですか。ところで、例の冬眠男って本当なんですか?」

コーヒーが側に置かれた。

「その冬眠男に会ってきた。まだ冬眠すると決まった訳じゃないがね。」

コーヒーを啜る。美味い。私の好みを良く分かっている。

「となると、また行くんですか?」

「もちろんだ。人類の奇跡に出会えるかもしれないんだぞ。」

「それって僕も行くことってできませんかね?」

彼は好奇心が人一倍強かった。だからついて行きたいと言われても驚かなかった。

「悪いがダメだ。マウスが可哀想だろう。」

「むぅ、確かに。いや、でも、そんなぁ」

マウスにヒミコとイヨなんて名前を付けて、特別可愛がっている人見なら、きっと納得するだろうと踏んでいた。

「マウスを連れて…」

「そりゃダメだ。ここまできて急に環境変えたら、それこそ完全に君のペットと化してしまう。」

むぅと唸ると、それきり押し黙ってしまった。

「本当にすまない。結果は一番に君に伝えるよ。」

「仕方ないですね…じゃあ待ってます。」

ふう、なんとか納得してくれたようだ。

 その後私は、厳冬を乗り切るために必要な物資諸々を買い、翌日もう一度その村に向かった。

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