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34・春休みです

「ミーナたち一緒に劇見に行かない」

春休みに入ってすぐ、リズから声をかけられた。


「バレッサで呼んだ劇団がドーツナの広場で劇をするの、私達四人も見に行くんだけどミーナ達四人も一緒にと思って」

「バレッサのスイーツ店の出店もあるのです。ミーナに会いたがっているのです」

なるほどそう言うことか


「ナタリーにも声をかけてあるからな、ミーナが行かないと残念がってしまうな」

アニスは私がナタリーと一緒にアルバイトをしていることを知っている。

「それと礼を言うのが遅れた、ナタリーが強くなったのはミーナのおかげだったな」


ナタリーと合流し九人でドーツナの広場に向かう。


「うわーすごい人気、チケット買うのにあんなに並んでいる」

「ペネロペ大丈夫みたい、リコとリズがいるから、あの関係者入り口から入れるみたい」


私たちは観客席中央の一番見やすい席に案内された。


「すごい、お金持ちか貴族でないとここの席座れないんでしょ」

「キャロル、ここは広場に貼られたテントだ、劇場じゃないんだから貴族専用ではないぞ」


アニスはきちんとした劇場に行ったことがあるようだ。

メシール王国では騎士の娘も劇場に行くのに、ロベルトの貴族の娘の私はいたことがない。


劇は王子様と平民の娘の恋物語だった。お涙頂戴の悲しい話かと思ったが、最後は無理やりくっついてハッピーエンドで終わった。


「バレッサので店に席を用意してあるからみんなで行きましょ」

リズの誘いでで店に行く。


「ミーナ、ナタリー久しぶり、これからも機会が有ったら店によってね」

フロアチーフのおばさんが声をかけてくれる。


「好きなもの頼んで、それと次期に劇団の団長と主役の女の子が来るから」

リズが団長と女の子を呼んだんだな。


しばらくして団長と女の子がくる。

「私が団長のザックだ、リズさんリコさん今回のスポンサー感謝している」

「ありがとうリズさんリコさん。主役をやりましたナミです」


ナミと名乗った女の子をよく見てしまう。

キグナスのお母さんに雰囲気がよく似てる。


「突然聞いてごめんね、ナミさん何時から劇団にいるの」

皆はきょとんとしている


「そうだな、いい機会だからみんなに聞いてもったどうだ、両親のこと知っている人が見つかるかもしれないぞ」


団長から、ナミが劇団に入ったいきさつが話された。


今から10年前、都市キグナスの講演が終わったころから劇団に紛れて混んでいた。

そのころ劇団は団員を大幅に増やしており、ナミを団員の誰かの子供だと思っで気にしなかったのだ。


ナミは無口な子だった。そして食事には必ず現れて一生懸命食べていたのだ。

キグナスを出て一月もたつと、ナミの不思議な存在に全員集まり確認することになった。

そこで初めてナミが劇団に紛れ込んだ子供だと分かったのだ。


「お嬢ちゃん名前はなんているの」

「 ーナミーナミー 」本当はミーナって言っているが、無口なミーナははっきり言えなかった。

「ナミちゃんだね」


身分の分かるプレートも持っておらず、すでにメシール王国を離れアサラ連合国に入っている。

人気のある劇団だ簡単な検問だった。荷物に紛れるナミを国境の検問はスルーしてしまったのだ。


ナミは無口だったがセリフを喋らせるととても上手だった。

それから子役として舞台に立ち、今では主役を任されるまでになっていた。


団長の話が終わる。間違いない本物のミーナだ。


「リズ、この劇団はいつまでここにいるの、次の講演はどこなの」

「ミーナ、なんか変よ。えっと、ここにはあと一週間ね、次はキグナスに行くことになっているわ」

「そそそうなのね」


その日は何とか繕い、みんなと寮に帰ることが出来た。

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