33・三年生の冬休み、そして二学期です
歓迎行事も終わり、一学期の中間試験、武道大会、期末試験とあっという間に過ぎてしまった。
結局ビリから脱出は出来なかったが。
「ペネロペもミーナも、この分で行けば三年三学期の学年末試験を受けなくて大丈夫そうね」
「当たり前でしょ。あれは追試ですから、よほどでなければ二学期で試験は終わりです」
そう、私たちはすでに卒業に必要な試験の点数は取得してある。あとは学園に通うだけだ。
「では、残りの学園生活を今まで以上にもっともっと楽しみましょう」
「ハイ、ペネロペ、では冬休みは何をしたいのですか」
「私は何でもいいよ」
「私は去年と同じに、教会に行って子供の世話をしたいです」
キャロルとペネロペはまだ何がしたいか決まっていないようなので、私の考えを押し通す。
「「「シスター、今年もよろしくお願いします」」」
「今年もよろしくお願いしますね」
こうして、教会の仕事が始まる。
「お姉ちゃんの料理美味しかった。今年も来てくれてありがとう」
そうか、私の料理はおいしかったのか。
「あたりまでしょ、たいていの薬師は料理が上手なのよ」
「ペネロペどうして」
薬師の娘だ、何か知っているようだ。
「薬作りと料理って同じようなものなの。調味料に使うの木の実や種は薬でもあるのよ。多くの調味料は薬師が見つけた物なの それに薬草のマナを感じるように野菜のマナを感じて、どうしたら美味しくなるか考えことが出来るでしょ、薬師の中には料理人として成功している人が沢山いるのよ」
知らなかった。そうなのか、そうだとすると、知らずにやって美味しい料理の出来る私は、もっとおいしい料理が出来るようになるということだな。少し将来に明るい光が見えるのだった。
冬休みも数日すぎる。
「今日も元気に教会へ」
教会に向かいながら、ペネロペが気合を入れている。
そんな時、リコたち4人がどこかへ向かっていく。まずい、諜報活動をしなければ。
「ごめん、今日は私別の用があったの忘れてた」
「エッ、アッ、そう」
戸惑うキャロルを置いて、リコたちの後をつける。深く考えることをしない二人でよかった。
リコたち四人は王都図書館に向かっていく。
学園の生徒カードを見せて中に入っていく。
『そうか、生徒カードで入れるのか、知らなかった』
四人の姿が見えなくなるのを待ち、私も図書館の中に入る。
中に入ると四人をすぐに見つけることが出来た。何と児童書籍のコーナーにいたのだ。
子供向けの絵本が置いてあるところだ。それはたいてい図書館に入ってすぐのところにある。
「だ だ 大魔女、えっと、このあたりかな」
ナルが何か探している。
「有りました。『大魔女ターニアの伝説』」
ナルが目的の本を見つけた。
四人は本を囲んで読んでいる。
『大魔女ターニアの伝説』私の家にも絵本があるくらい有名なはずだ。
メシール王国の四人はターニアの伝説知らなかったのか。
そして今頃調べているということは、まだ私のいる秘密組織のことは知らない事になる。
四人が本を読み終えて帰っていく。
私は確認のため四人の読んだ絵本を読む。
『えーうちにあるのとストーリーが違うよ』
私は図書館の本を読んでで驚いた。
この本では、ターニアはみんなの協力でドラゴンを封印している。
私の家の本は悪い王に虐められている貴族の頼みでターニアが、ドラゴンを使い王をやっつける話だ。
私の父は子供向け創作絵本を本当の事と信じてしまい、秘密組織に入ってしまったんだな。
どう考えてもメシール王国の王都図書館にあるこっちの本のほうが正しいはずだ。
リコたちがターニアについて調べ始めたことを次の報告書で秘密組織に伝えておこう。
初めて諜報部員らしいことが出来たようだ。
まだ昼前である。
今日は昼ごはんの準備を手伝えなかったが、今から行って一緒に食べようかな。
「遅れました。意外と用が早く終わったので来ることが出来ました」
食事前に教会に着くことが出来た。
「あー、ミーナ、ご飯食べに来た」
「ペネロペ、本当のことは言ってはいけないのよ。ミーナはお腹がすいてるだけなの」
キャロル、それも言わないでほしかった。
「まあいいさ、ミーナしっかり食べて昼から子供の世話をしっかりやれよ」
エマの言葉に甘え、一緒に食事をするのだった。
楽しい冬休みの教会の手伝いも無事に終わり、二学期が始まる。
始業式はいつも通り講堂で学園長の挨拶だ。
そしていつも通り、学園長の挨拶は短かった。
二学期もリコとリズは講師を務める。
リコは魔道具の作り方を教えている。
リコ独特の作り方のようで他の生徒が戸惑ているが、リコの作り方を理解した生徒は魔道具が作れるようになってきた。
リズにはドナが付きまとい魔力水の使い方を聞いている。
二学期の期末試験も無事終わり、これであとは何もしなくても卒園が出来ることになる。
『学園生活って楽しいんだな』
そう思っていられるのも春休みに入る前までたった。




