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32・歓迎行事に参加します

「今年も新入生の歓迎行事が近づきました。出し物をやりたい人は申し出てください」

朝のホームルームだタミ先生が参加を募った。

去年と全く同じセリフなのは気のせいかな。


「ねえ、ミーナ今年も見学だけにする」

キャロルが聞いてきた

「いえ、今年は参加しましょ」

私は答える。

「えーかったるよー」

ペネロペは嫌そうでだ。

「面白そうだ、俺は賛成するぞ」

何故かエマは乗り気だ。


「ミーナには、何かやりたいことがあるの」

「ええ、去年エマが地元の祭りの踊りでもないのかって聞いたでしょ。だから私がやるの」

「ええぞ、ええぞ、もっとやれ」

エマが励ましてくれた。


「でもね、本当の地元の踊りじゃないの。昔隣に住んでいたおばあさんに教わったの」

もちろん嘘である。私が踊るのはロベルトで覚えた踊りだ。


「じゃあ参加申し込んでおくね」

キャロルが先生のところに申し込みに行く。

「え、え、え、やっぱやるの」

ペネロペはまだ納得できないでいた。


そして私たちは自習時間と放課後を利用して練習した。

誰にも見られたくないし、恥ずかしいで、練習は講堂の裏でやりました。

練習は、エマのドラムとキャロルとペネロペの歌だ。私は踊れるのである。


歓迎行事当日。


「これより新入生の歓迎行事を始めます」


出し物はプログラム通りに始まる。


「一番、リズによる居合い抜き」

司会がプログラムを読み上げる。


講堂の壇上には、これ以上は無理という大きな岩と、太さ20センチの鉄の棒が置かれた。

その間に腰に太刀をさしたリズが立つ。

一礼して。


「一番、リズ、切ります」


ハッ、スパーン、 …   ハッ、スパッ

スリ ドカーン  …   ズル、ガッシーン


鞘に手をかけ収めた太刀を抜き、二振りして、鞘に納める。

一瞬の出来事の後、大きな岩と鉄の棒が二つに切り裂かれた。


リズは再度礼をして壇上から降りる。

切り裂かれた岩と鉄の棒は、身体強化したアニスが片付ける。

何故かアニスの片づけのほうが拍手が多かった。


「ふっ、あれくらい俺でもできるぜ」

エマがほほを引きつらせていた。


リズの居合を見終わると。


「そろそろ私たちも楽屋に行きましょ」

キャロルの言葉に席を立った。


「7番、ミーナによる踊りです」

プログラム通り進む、次は私たちの番だ


ダンダンダカダカダーンチャ

ダンダンダカダカダーン


エマがドラムをたたきキャロルとペネロペが歌いだす。

歌に合わせて私は舞を舞う。


冬が寒いロベルトでは部屋の中で過ごすことが多い。

退屈な冬の楽しみが部屋の中で舞うこの踊りだ。


歌の歌詞は短く古代語らしく意味は分からない。

短い歌詞を5回ほど繰り返し、エマのドラムは終了のリズムを鳴らす。


部屋の中の踊りなので派手ではない。

私は静かに踊りを終えた。


楽屋へ戻ると。

「懐かしい踊りだったのです。すごくよかったのです」

あれ、リコがこの踊り知ってる。何故かな。

少し疑問に感じたが、リコが自分の出番で舞台に向かったので、それ以上考えるのはやめた。


「最後はリコによる剣舞です」

最後のプログラムだ。


去年と違い壇上にはたくさんの生徒がいる。

去年リコの踊りを見た二年生が、演奏と歌とバックダンスを練習してきたのだ。

伴奏に4人、歌に4人、バックダンスに4人だ。


壇上の中央にリコが立つ。

去年はアニスの太鼓だけだったのが4人の伴奏になり迫力が増した。

ナル一人だった歌も4人のコーラスになる。

リコの後ろでは4人の生徒が一年間練習してきた踊りを披露する。


リコの踊りは、その四人に負けていない。

剣を振り回しながら、体を回転させ、華麗に舞っていく。

踊りも終盤にかかると、リコは壇上に用意してあったマギボードに乗り、観客の生徒の頭上に舞い上がる。本当に踊りながら天井近くまで駆け上がったのだ。


講堂の中を踊りながら3周する。そして静かに壇上に降りる。

同時に曲も歌も終わる。


講堂内は割れんばかりの拍手だった。


そして緞帳が下ろされ司会より終りの挨拶があり、今年の歓迎行事は無事に終わりを告げた。

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