ふたたびの、いち。
●ほんとは両想いな20題
1.偶然を装って
ダンジョンの中で、ばったり出会う。
魔王「…あー、勇者じゃん。ひさしぶりー。元気してたー?」
勇者「どきっ!」
勇者「あのさー、お前、ラスボスなの。わかる? ラストのボスと書いてラスボスなの。然るべき位置にいてくれないと困るわけ。わかる? そういうの」
魔王「まー、まー、ほら、堅いこと言うなって~。温泉に行ったからね。お土産持ってきたんだよ。ほら、なんつーの。魔王軍総出でね、温泉街にね。楽しかった!」
勇者「…え。征服?」
魔王「まぁー、そこはね、ほら、俺もね、魔王だし? 軍備が甘いとね、ついでに征服しなきゃいけないかなー、悪いなー、って気を遣ってね。うん、まあ」
勇者「そんな…。温泉街が魔王の手に…」
魔王「あー、大丈夫大丈夫。俺が世界滅ぼすまでは、普通に営業してるよ。うん、大丈夫」
勇者「そっかー。じゃあ、安心だな。俺が頑張ればいい話だからな。わかった。温泉街は、俺が救うよ」
魔王「やー、悪いね、仕事増やしちゃってね。でもね、やっぱねぇ、軍備甘いのはね~、征服しないといけなくなるし。人間どもには、観光地の防衛は、キチッとしてもらいたいね」
勇者「…あ、うん。王様に言っとく」
魔王「頼むよー、もうね、これで今月、2500ヶ所の温泉が、我がものになっちゃったから。こんなに温泉ばっかりあっても、しょうがない。正直、困る」
勇者「困るくらいなら解放しろよ…」
魔王「あー、そこはね、魔王だから。マズイの。そういうのは。よくないの」
勇者「…お、おう。なんか、色々あんだな…」
魔王「まぁね。」
勇者「ところで、そんなに温泉ばっかなのは、偶然なの?」
魔王「うん。偶然」
勇者「そうなの? オマエが、温泉好きなんじゃなく?」
魔王「ばっかお前。俺は女勇者にビキニ鎧で温泉湯煙ポロリしてほしいだけ」
勇者「…あっ。そ、そうなんだ…?」
魔王「うむ」
お題は
http://toy.ohuda.com/d-hontoharyouomoi.html
より、拝借しております。
●ほんとは両想いな20題
1.偶然を装って
2.言えない理由
3.見つめてたら気づかれた!
4.気になる噂
5.こんなことなら言えるのに
6.偶然、ヤバイ姿勢
7.元気だして
8.…聞いちゃった
9.一緒にいるのに悲しいなんて
10.やけにリアルな夢
11.ひやかし
12.コイバナ
13.つい出た本音
14.誰へのプレゼント?
15.ぎこちない会話
16.何度も、何度も読み返す
17.つないだ手
18.振り向いたら目が合った!
19.気づかない振り
20.……もしかして?
【追記】
恋愛なお題を台無しにするノリで、勇者&魔王で、今後も書いていこうと思っていたのですが…(´・ω・`)
マンネリといいますか、何も思い浮かばなくなりました。
お題を消化してゆくのは楽しいので、何か思いついたら、また書きたいのですが…、おそらく、次回からは、別のキャラクターで書くことになるかと思いますm(_ _)m
ここまでお付き合いいただいた方、もしいらっしゃいましたらば、筆者の気まぐれなお遊びにお付き合い下さいまして、ありがとうございました!(*´∇`*)