099 商人マウワージ2
マウワージ商会が雇ったと思われるならず者5人は、ジャイアントハーフの聖騎士リンと対峙した。
いかにもならず者と言う服装そして態度。
髪の毛が逆立ち、猫背で目付きが悪い。
リンの顔を下から睨み付けて近付く。
威圧を発し暗い魔力が身体を覆っていた。
「おう!デカ女ああああ!デカけりゃ強いと思ってんのかぁ!ああん、胸は小さい癖に粋がんなよぉ!」
ヤバいよぉ。リンは怒りまくって、無言になってるよ。
「・・・。」
男は右手を伸ばし、リンの胸を鷲掴みしようとした・・・。
「ふげっ。」
ドゴッ!!
ドガンッ!!
リンの拳が下から上に真っ直ぐに伸びていた。
アッパーだな。
リンの右拳が男の顎を打ち砕いたらしい。
殴り飛ばされた男は白目で泡を吹いて気絶した様だ。
「このアマアアアアア!」
リンは振り上げた拳を、次に殴り掛かってきた男の頭の天辺に振り落とす。
「あぎゃっ。」
ゴゴンッ!!
男はカエルのように俯せで潰れた様だ。
「くっ!こいつ強いぞ!」
残りのならず者は3人。
ナイフを出して身構えるとナイフをリンに突き刺す。
キンッ!!
ドガガガン!
リンは左の腕輪から盾を展開して、ナイフごと男を弾き飛ばした。
「ごふっ。」
ボグッ!
ドドドドン!
リンはそのまま踏み込み、2段蹴りの要領で飛び込みながら前蹴りを、後ろの男の腹に蹴り込んだ。
蹴り飛ばされる男は壁にぶち当たる。
最後の男はリンにナイフを投げると、腰から斧を出して振りかぶった。
「くそがあああああああ!」
キンッ!!
ナイフを盾で弾いたリンは、右手に剣を展開していた。
ガツッ!!
ズシャッ!
リンは盾で斧を受け流すと、剣で男を頭上から下に切断した。
左右二つに切断されて血を流しながら崩れ落ちる遺体。
「ひぃ!俺は何もしてなああああああい!」
マニーハは涙を流しながら逃げ出した。
「はひぃぃぃ。たふけてええええ。」
マウワージは腰が抜けて座り込んでいる。
よく見ると股間が濡れていた。
コーヒーを飲み終わり俺は立ち上がった。
手には魔王の手甲を装備している。
左手でマウワージの髪の毛を掴み、顔の高さまで持ち上げる。
「おう!俺達を捕まえて飼うんだってぇ?」
「ひぇぇぇ。しょんな事・・・。」
俺は右手の拳を握り締め、マウワージの左頬に殴り付けた。
ドゴッ!!
「あふっ。」
倒れ落ちるマウワージ。
「あがががが、いはい 、いはいひょぉ。」
激痛に転げ回るマウワージ。
「ノワ、行くぞ!」
ノワはフォークとナイフを置いて、口を拭った。
「はーい。行きましょー。」
リンは盾と剣を収納すると無言で俺の後ろに移動した。
「壊れた壁や清掃代はマウワージに請求してくれ。」
宿の従業員に告げると俺達は宿を出た。




