022 全裸の騎士達
俺は馬に乗ってきた公爵の騎士達16人を、雷の杖で気絶させた。
「さあ皆、此奴らの持っている武器と着ている防具は、俺の物だから、全部脱がしてくれ。下着も含めて全部だよ。」
「し、下着もですか?」
聖騎士リンは慌てて聞き返す。
「そう、丸裸にするんだ。」
「女性も居ますが・・・。」
リンは俯き加減で上目遣いで俺を見る。
とはいえ、リンの身長は2m超、俺は170cm程度だから、上から見られてるんだけどね。
「俺達を殺しに来たんだよ。裸にされるくらい何て事無いよ。あ、女性はリンが脱がせてね。」
「は、はい。」
リンは俺が女性の裸を見る事に抵抗があったみたいだ。
納得して脱がせ始めた。
じっくり見たかったけど、我慢だね。
「タクミ様は優しいのか、意地悪なのか分かりません。」
リンがボソボソ独り言を言っている。
コボルトのコウキと元暗部のケントも、騎士達の鎧と服を脱がせている。
俺は武器と脱がせた鎧、服、下着を片っ端からアイテムボックスに収納した。
そして、騎士達が持っていた拘束用の縄を出して、ジジイとリンに渡す。
「これで全員、後ろ手で拘束し一繋ぎにしてくれ。」
「「畏まりました。」」
「騎士達が乗ってきた馬も連れて行きたいなぁ。」
何かいい手が無いか考えるが、良い案は浮かばんな。
「私が連れて行きましょう。」
ジジイが答えた。
「おお、頼むよ。」
「お任せください。」
ジジイは騎士隊のリーダーが乗っていた、一際大きい馬に跨がり、騎士達が乗ってきた馬達を統制した。
「お、ジジイ、やるねぇ。」
「お恥ずかしい。」
「拘束も完了した様なので、出発しよう。」
「拘束した騎士達は、どうしましょうか?」とリンが聞く。
「え!そのまま放置だよ。」
「ぜ、全裸のままでですか?」
「うん。そのまま放置。」
「魔物が現れたら、殺されますよ。」
「運が悪ければそうなるね。」
「はぁ、分かりました。」
「タクミ様は優しいのか、極悪なのか分かりません。」
リンがまた独り言を言っている。
俺達を殺そうとして来た奴等を、ただで返す気は無いし、かと言って、上司の命令で来た騎士もいるだろうから、殺すのは忍び無い。
しかし、相応の罰は与えたい。その結果の処置なんだよね。
そして、馬で逃げられて、直ぐに状況報告されても困りそうだしね。
リンの独り言を聞かない振りをして、俺達は出発した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
気絶から目を覚ました全裸の騎士。
「う、う~ん。・・・さ、寒い。」
次々と起きる騎士達。
「えっ?裸!」
「何で裸なんだああああ!」
それぞれ、廻りを見渡す。
女性も全裸である事を知り、凝視する男性の騎士達。
「うおおおお!」
「うひょおおお!」
「きゃあああ。」
「見ないでえええええ。」
両手を後ろ手で拘束されていて、隠す事が出来ない女性騎士達は、しゃがんで出来るだけ見えないようにする。
しかし、バッチリ見えてるので、その仕草が寧ろ欲情をそそる。
「うううう、お嫁に行けない。」
「ひぃ。ぐすんぐすん。」
「いやあああ。」
一繋ぎになっている為、振り返る事も出来ず泣き出す女性騎士達。
「このままこうしても居られない。立ち上がって街に行くぞ!」
リーダーは立ち上がろうとするも、他の騎士達と縄が繋がっている為、思うように立ち上がれない。
両手も後ろ手で拘束されている為一苦労だ。
更に女性達は落ち込んで泣いているし、裸を見られるので、恥ずかしくて立ち上がろうとしない。
「くっ、聖騎士リンめ!」
「この恨み・・・。」
リンとタクミが居ないところで、女性騎士達から、リンに対する恨みが募っている事を二人は知らない。
(眼福、眼福。)
(うひょひょおおお。)
(聖騎士リン様、有難う。)
同時に男性騎士達から、秘かに心の中で感謝された事も二人は知らない。
この先、全裸の騎士達が無事街にたどり着けるのだろうか?
その時・・・。
ジョ、ジョジョジョオオオオオオオ!
「あわあわあわあわ。」
「ひゃああああ。」
「うおっ!」
「も、漏らした・・・。」
女性騎士が寒さから、お漏らしして、屈辱に顔を赤らめた事も、タクミとリンは知らない。
そんなの知らんがな。