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エクソシストは死神の夢を見るかforZERO  作者: サトウイツキ
出逢い
3/82

☆1-3 豆電池と発電所

 そも幼女、もといジェシカさんは、僕の方を向いたまま、じっと動かない。ハシビロコウかあんたは。

 おそらく僕に用事があるのだろう。ともかくこの黒髪の彼女をなんとかしなくてはならない。


 数少ない僕の友人、カズを呼び出し、気絶している黒髪の彼女を託すことにした。

 カズに電話をかけ、神社まで来るように伝える。


「なに、どした」


「いや、この子なんだけどさ…」


「おう…?」


 カズは黒髪の彼女に目をやって、また僕の方を見た。


「いや、あのさ、さっき不良に襲われてたのを助けたらさ、転んで頭打っちゃって、で、こんな感じ」


「わかった。で、お前はこれから弔い合戦と洒落込む訳だ」


「いや、死んでないけど」


「まあわかった。行ってら。無理すんなよ」


 カズに礼を言って、神社の階段を降りていくと、ジェシカさんもそこにいた。

 今のところ敵か見方か、いや、現状敵の可能性が高いジェシカさんと話をつけるべく、二人縁日へと繰り出した。


「まず一つ、私はあなたの味方です」


 にわかには信じられないな。黒髪の彼女に「何か」したわけだからな。


「正確には違いますよ。平たく言えば、彼女にとりついた『悪魔』を『祓った』のです」


 悪魔?払った?もしかして中二病なのか?


「まあ、すぐ信じてもらえるとは思ってないですけど、中二病とは心外ですね。そうですね、時間もないのでさっさと説明しますよ。あなたは現在、悪魔に狙われています」


 悪魔に、狙われている?


「まず、この世の中には、『悪魔』と呼ばれる存在があります。

これらは、実体を持ちません。これは、自身の魔力が少ないためで、およそすべての悪魔は、実体を得るために、魔力を求めて行動します。・・・ここまでいいですか?」


 悪魔か・・・ゲームの世界だな。とりあえず大丈夫。


「はい。では次。気付いてないと思いますが、森羅万象すべてのものには『魔力』というものが宿っています。もちろん、人間にも、です。悪魔は、人間の心の隙間に入り込み、魔力を吸収しようとします。ある程度吸収したら、とりついた人間を操作し、さらなる魔力を持った人間を探します。」


 それと僕が狙われていることになんの関係が?


「あなたは無限の魔力を持っています」


 無限の魔力?


「正確には、ほぼ、無限です。生き物は、自身の身体を維持するのに魔力を消耗します。ですが、大気中などから魔力を少しずつ吸収しているため、生活に支障は出ません。ところがあなたの場合、身体に溜め込める魔力の量、大気中から魔力を吸収する速度ともに、一般人のそれをはるかに超えているのです」


 急に色々言われても分からない。なにかこう、例えとかないのか?


「めんどくさいことを言いますね。まあ例えるなら、豆電池と発電所くらいの差はありますね」


 でもそれなら僕にとりつけばいいんじゃないか?


「先程の悪魔くらいの弱い悪魔があなたにとりつくと、魔力の量に耐えきれず、消滅します。要するに、キャパが違うのです。キャパが」


 つまり、黒髪の彼女にとりついた悪魔が、僕の魔力を求めて近づいてきた。

 それをジェシカさんが払ってくれた、というわけか。


 にしても、なんでわざわざ本部所属のジェシカさんが来たんだ?本部があるってことは、支部もあるんじゃないのか?日本支部とか。


「ごもっともな意見ですね。実は先日、


 悪魔の襲撃によって日本支部は壊滅しました。

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