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あなたとならなのに  作者: 悪徳渋助
30/30

話の続き28

ブツ切り防止用、前回投稿内容↓

お母さんは、案外何とも思ってないのか、それとも、呆れて顔の筋肉が動かなくなったのか、さっきと変わらず、淡々としている。

「何歳?」


「二十七」


 二十七歳って、多分、デートのお相手としては、親からすると、相当ヤバい。お母さんの様子をうかがう。きっと、娘の不貞に呆れて、目も動かなくなったのだ。怒ってもいないし、呆れても居ない。真っ直ぐ私の方を見ている。


「何してる人なの?」


「映画の字幕作ってる」

 

 身ぐるみをはがされていく人みたいな、そんな気分になりながら、私は聞かれるままにこたえていく。


「映画の字幕?」


「うん……」


何を思っているのか、お母さんはしばらく思案して話さない。


「店長が、チケット二枚余ってるけど、行く人がいないからあげるって、原田さんにそう言って、原田さんも、行く人がいないから、私にくれるって。私も、行く人なんていないって言ったら、店長が二人で行って来たらどうだって」


 聞かれもしないのに、私はそう言った。女子高生に、野放し的な自由は存在しない。あるのは、牛舎の中での自由な暮らし。止められるかな? と不安になってきた。


 お母さんがどんなに止めても、絶対にデートに行きたい。それこそ、「あんたなんて、勘当よ」って言われても、私は行くかもしれない。

 

 顔にそう書いてあったわけではないだろうけど、お母さんはため息をついて、


「何時に終わるの?」と言った。


「七時から開演で、終わるのは九時半」


「どこでやるの?」


お母さんの質問攻めは続くけど、とりあえず行かせてもらえそうで、安心した。


「大阪の阿倍野」


「晩御飯は始まる前に食べなさい。終わったらすぐに帰ってくること。十一時ま

でに帰らなかったら、バイトやめさせるからね」


「分かった」


 私としてもそれ以上遅くなるつもりはなかったので、素直にそう言った。怒られもしなければ、「あんた遊ばれてるのよ」とも言われなかったし、笑われることもなかった。だけど、それが何となくお母さんに気を遣わせてしまったようで、お母さん本当は大人の男の人とデートに行くこと、反対なのかなと、かえって申し訳なくなった。


 その時、突然隣の家から、物凄い怒号が聞こえて来て、私はびっくりした。何を着ていこうか、決まりかけてたのに、すっかり忘れてしまう。

更新遅れてすみませんでした。急に忙しくなって、びっくりしました。またよろしくお願いします

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