話の続き27
ちょうど新しいシーンが始まるので、ブツ切り防止の前回の一文は無し
来週の土曜日、原田さんと舞台を見に行くことになった。バイトは斎藤さんに代わってもらった。原田さんとデートだっていうと、斎藤さんは目を丸くして、それからお土産を買ってくるようにと言った。私が原田さんと出かけること、良いとも悪いとも言わないのが、何となく不安で、その知的で大人びた目に、私はどう映ってるんだろうと、ちょっとだけそう思った。
前日に何時間もかけて、服を選んだ。何時間もかけるほど、多くの服を持っているわけじゃない。だけど、これかな、あれかなって考えて、一番好きな服はあの服だけど、原田さんが着そうな服と、隣にいて似合うのはこんな服だろうかって、ずっとそんなことを繰り返していた。
自室の中で、あれこれとやっていたんだけど、お母さんの部屋にあるクローゼットを物色し始めたあたりで、お母さんが異常な事態に気が付いて、何よ何よと、白状させられる羽目になった。
「あんた何してるの?」
「ちょっとね、明日着ていく服が決まんなくてね」
「どこ行くの?」
「演劇を見に大阪まで」
「誰と?」
ここで「誰と?」ときた。親ってやつは、本当に察しが悪くて困ってしまう。どこ行くのって聞いた時点で、答えれるなら、答えてるって。普通はそうでしょ。「どこ行くの」って聞かれたら、「友だちと三宮」って、皆そう言う。誰とって言わないってことは、聞かないでねってことなのに。嘘がつけない私は、仕方なく、男の人と言った。
「クラスの子?」
ここで「クラスの子?」ときた。そんなの、答えれるなら、「誰と?」って聞かれた時点で、「クラスの男の子」って言うに決まってるじゃん。
「ううん」
「じゃあ誰なの」
「バイト先の……」
ここで、「あー、バイト先のね」なんて曖昧なところで引き下がるほど、お母さんは甘くない。
「バイト先の?」
「常連さん」
お母さんは怒るだろうか? あなたの働いてる喫茶店は、ウェイターに、そんなキャバクラまがいの接客をさせてるのって、変に解釈をして、バイトを辞めさせる勢いで怒るだろうか? 私は、伏目がちにそう思って、恐る恐るお母さんの顔を見た。
お母さんは、案外何とも思ってないのか、それとも、呆れて顔の筋肉が動かなくなったのか、さっきと変わらず、淡々としている。
ここ二日、投稿できずにすみませんでした。
明日は出来ると思います。




