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プロローグ
『哀れな結末だね。同情したからこの箱庭世界をあげるよ。』
ーつまらない。
中身の無い人生を生きてきた。
何故僕は生まれて、今も息をしているのか。
何故僕は生きているのか。
僕の人生に、どのくらいの価値があるか。
『哀れな結末だね。』
誰かが呟いた。
だんだんと僕は自分が今生きているのか、よく分からなくなっていた。
気がついたら夜になって朝が来る。そんな日々を繰り返す内に僕は、きっと死んでしまったんだ。
真っ赤に染まる空。
僕はこれを見て何を思ったんだっけ?
いつの間にか外れていた真っ赤なヘッドフォンからは微かに音が漏れていた。
「ーーー!!」
耳をつんざくような鋭い声。
それは誰の声?ー