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第1話 陰キャの妄想

 男子高校生諸君!


 もし帰宅したら、自分の部屋に美少女が待っていたなんて場面、ちょっとくらい想像したことがあるだろ?

 漫画やラノベでありがちな、あの夢みたいな展開。


 そんな、フィクションだと笑い飛ばしていた出来事が、現実に起こった男がいる。


 北村 りょう

 県立陽南(ようなん)高校の2年生だ。

 しかも美少女は1人じゃない。

 なんと3人も!


 ただし、状況は想像とはちょっと違っていた。


 1人は勝手に本棚から漫画を引っ張り出して読んでいる。

 もう1人はベッドに寝転がってスマホをいじっている。


 そして真ん中で余裕の笑みを浮かべていたのは、橘 玲奈れな

 凌の従姉いとこで、高校3年生だ。


「うわっ! 玲奈れなネエ……これは一体どういう事?」


 玲奈はふっと微笑んで言った。


「そんなに驚かなくてもいいじゃない。玄関に私たちの靴があったでしょ?」

「オレ、いつも勝手口から出入りしているから分からなかったんだ」

「そうなの? とりあえず、ちょっとした相談があってさ」


 凌は警戒した。


「相談……って」

「ウチの学園祭に出て欲しいのよ」

「学園祭って、聖桜せいおう女学院の?」

「そう」

「なんでまた?」


 よく見ると玲奈以外の2人もちょっとした美少女だった。

 机の上に本を置いて真直ぐに凌を見つめているのは 藤倉優花ふじくら ゆうか

 ほんわかして優しい雰囲気。


 一方、スマホを持ったまま横目でこちらを見ているのは篠原美月しのはら みつき

 クールで整った顔立ちだ。

 どちらも名前は後で知った。


「学園祭の企画を考えたんだけど、どうしてもリョウが必要なのよ」

「……」

「1人のマドンナを巡って男の子たちが戦うってゲームなんだ」

「やだよ、そんなの」


 全部を聞く前に凌は断った。


「何でオレが戦わなきゃいけないんだよ」


 そう言いながら後ずさりすると「ドン!」と何かにぶつかった。


「あっ、ママ!」


 知らないうちに母親が後ろに立っていたのだ。


「えっ、ママって呼んでるの?」

「リョウくん、かわいい〜♡」


 玲奈と優花に爆笑された。


「決まりだね、これで」

「な、なんでだよ」

陽南ようなん高校2年3組の北村凌きたむら りょうは今でもお母さんの事をママって呼んでいまーす!」

「ちょ、ちょっと待ってよ」

「陽南にも知り合いは沢山いるんだからね。言いふらしちゃおうかな」

「やめてくれよ、そんな事」

「じゃあ、決まり! というか、もう申し込んだんだけどね」

「それ、あんまりじゃないか!」


 後ろから母親の千尋ちひろの声がした。


「アンタが引きこもっているから玲奈ちゃんが心配してくれているのよ」

「オレ、好きで引き籠っているんだから、放っておいてよ」

「玲奈ちゃん、お願いするわね」

「任せといて、千尋おばさん!」


 四人の女に囲まれて凌は進退(きわ)まってしまう。

 そして美月にあっさりトドメを刺された。


「……断る理由はないと思うけど?」


 結局、凌は玲奈たちからゲームの詳細を聞かされる羽目になった。



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