リアとフィア
ロマンティックってなんだっけ……
遠くから雷鳴が聞こえる。かと大きな比重のかかっているその頭を上げて音の出所を探すと、雨雲が動き始めていた。
「こんな時期に雨なんて珍しいわね」
オフィーリアの言葉に、フィアはほっかむりの下で暫く黙った後にポツリとこぼした。
「いく?」
「え?」
「私と一緒に、いく?」
そして指すのは、楽園の外。気持ち固くなったフィアの言葉が理解できないまま、頭を横に振った。
「大丈夫よ。楽園には嵐は来ないから」
曇り空のせいで灰色に見える銀髪の隙間から見えたフィアの体。その表情は見えずとも、強張っていることは伝わってきた。
オフィーリアはそっとフィアの耳元に顔を近づけた。「リア?」と戸惑いが大きい声を耳が捉えたまま、小さく笑う。
「大丈夫。逃げなければいけないときは、置いて行ったりしないから」
オフィーリアにしてみればそれは、自然災害を仮定しての言葉だった。ただ、安心させるためだけの。にも関わらず、フィアは一瞬固まった後に震えながら小さく頷いた。
どうして震えているのか。それは、教えてもらうこともできずに。
リアとフィアの『いく?』という台詞を使った「ロマンチックな場面」を作ってみましょう。http://shindanmaker.com/74923