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第一章:労働
帝国暦512年1月-レムノアール王国首都レムノ
サバトはこの国初の近代的な大学、レムノアール国立レムノ大学を卒業し、大学で助手として働いている。
「この国は何か変わるのだろうか?」
師のエルベ博士から言われた。
「何のことでしょうか?」
と私が答えると、
「なに、不平等条約が改正されたところで、レムノ港の租借はされたままだし、国家の歳入、歳出までもが未だに管理されている。どうかしてるんじゃないのか?」
いつものことだが、エルベ博士は愛国心が強いと思いながら、私は相槌を打ちながら反論した。
「たしかにそうですね。不平等条約はなくなっても、管理されたままですからね。でも、港の租借はあと5年で期限が終わるはずです。徐々に我々は主権を取り戻せるのではないですか?」
そう口に出したものの、自分でもやはり絵空事なのでは?と思った。




