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都市開発スキルで楽々異世界街作り!  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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61/63

同行者 61

 結局、リリー達と別れることは出来ず、村から出て一番近い地下の住居に向かった。流石に王族ということで、リリー達は大金を持っていたらしい。村で大量の物資も揃えて付いてきた。恐らく、森の奥深くに行くと思って準備をしてきたのだろう。驚くべきことに、自分よりも大きそうなリュックサックを背負って歩くラウムと、自分と同じくらい大きそうなリュックサックを背負って歩くフォルの二人の力により、それらの物資は全て持ち歩けている。どんな体幹と脚力をしているのか。特に、ラウムは重そうな鎧を着ている状態である。


 家に到着して一段落した際でも、ラウムたちは元気に家の中のことに驚いていた。


「むむ、すぐにお湯が出ますな……」


「あ、トイレもすぐお湯が出ますよ」


「と、トイレからお湯……?」


「なんと! ラウム殿はまだ使っておりませんでしたか!? あの快楽を一度は……」


 と、元気に騒がしいラウムとフォル。


「騒がしくしてしまい申し訳ありません」


「いや、いいですよ。とりあえず、今日はゆっくり休んでください」


「ありがとうございます」


 リリーは流石に落ち着いた様子だった。ラウムとフォルは二度、三度くらいまで騒いでいるが、リリーはリビングで静かに座っている。唯一、お風呂が沸きましたという声が聞こえると、そわそわと落ち着きがなくなってくる。一番で風呂に入ってきて良いと伝えると、照れ笑いをしつつリリーは即座に頷き、風呂を堪能して戻ってくるのだ。心なしか頬を赤くして艶々のリリーが満足そうに戻ってくると、ラウムとフォルもようやく風呂に興味を持ち始める。


 余裕ができたら早めに温泉施設を作ろうかな。


 そんなことをしながら皆で寝て、朝になり、森へと向かった。まだ一日早いので、森にマルサスがいなかったらもう一つの家で一泊の予定である。偶然だが、森から出て少しした場所に一つと、その家からプレト村までの間に一つ拠点ができた為、今後は森からプレト村までの往復が楽になるだろう。


 さて、一先ずは森の入り口だ。タブレットの色がついている場所が通ったことのある場所の為、前回森から出てきた場所は正確に把握している。


 この色が変わっているエリアの真ん中だ。多分、自分がいる場所中心に半径五十メートルほどが歩いた場所扱いになる為、森の入り口は百メートル強ほど色が表示されている。GPS機能まであるので、タブレットは物凄く便利だ。


「……この辺り、かな?」


 ぶつぶつ言いながらタブレットを片手に歩いていき、森の方を見る。むむ、人影があるような気がする。


「あ、皆さんはここで待っててもらって良いですか?」


「わ、分かりました」


 皆に声を掛けると、少し緊張した面持ちで首肯した。なにか、凄い魔術で森に入り口を作るとでも思っていないだろうか。


 そんなことを思いつつ、森の方へ向かって声をかけた。


「マルサスさん?」


 名を呼ぶと、木々の向こうで人影がビクリと反応した。そして、こちらに向かって飛び出してくる。


「ソータさん!」


 現れたのは泣きそうな顔のミドだった。迷子になっていたかのような不安そうな顔で走ってくるミドに、驚きつつ手を広げて迎える。


「ミド!? どうしてここに……!?」


 抱きついてくるかと思ったが、ミドは寸前で立ち止まり、涙目で口を開いた。


「すみません……! 待っていろと言われたのに、言いつけに背いてしまって……!」


「そ、それは良いけど、マルサスさんとカラビアは? この森の中を一人で来たの?」


 少し腰を曲げてミドの視線に合わせて尋ねる。すると、ミドが答える前に森の中から声がした。


「……我が連れてきた。カラビアは外に出ることができない為、地下にいる。それより……」


 そう呟いて、マルサスは薄暗い森の中から目を鋭く光らせた。その視線の先は、リリー達だ。


「ああ、あの人達は大丈夫。どうやら、助けてほしいことがあるみたいで、着いてきちゃったんだ」


 そう答えると、マルサスは真剣な顔で首を左右に振る。


「我らザガン族はソータとミドのみを仲間と認めたのだ。簡単に信用はできない」


「やっぱり? まぁ、絶対に帰ってくれないだろうから、仕方なく連れてきたんだけどね。それじゃあ、なんとか頑張って家まで行ってみるよ。一人はかなり強いみたいだし、何とかなるかな」


 苦笑しつつ、マルサスにそう答えた。実際、そうなる可能性が高いと思っていたので、CPをどれくらい使うか見積もっていたのだ。計算上、百メートルに一度拠点を作りながらの移動なら、CPは千ポイント以下で済むはずだ。


 そう判断しての発言だったが、マルサスは難しい顔で唸り、数秒して顔を上げた。


「……我は、前回と同じ速度で森を進む。その間、察知できる魔獣は全て倒すことになるだろう」


 それだけ言って、マルサスはこちらに背を向け、森の奥へ歩き出した。


「それって……」


 声を掛けようとしたが、マルサスは止まらずに歩き続けている。その背中を見て、小さく笑いつつ、感謝の言葉を送った。


「ありがとう!」


 こちらを振り向くことはなかったが、マルサスはこちらに背中を向けたまま片手を挙げ、そのまま奥へと消えていったのだった。

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