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都市開発スキルで楽々異世界街作り!  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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村へ一緒に 59

 リリー達を連れて家から出ると、慎重に地上の様子を探る。


「……鰐はいなさそう」


「おお、そうですか!」


「こ、声が大きいですよ」


 注意すると、ラウムが自らの両手で自分の口を封じて頷く。その子供みたいな仕草を確認しつつ、外へと出た。


「よしよし。村まで何もいないな」


 周りを見回しつつ、タブレットで地図も確認する。村の方向は問題ないし、街道までもそれほど歩かないだろう。


「それじゃあ、村まで案内しますね。あ、俺のことはあまり話さないようにお願いします」


「は、はい」


「わかりました。お願いいたします」


 返事をするリリーとフォル。口を閉じて何度も頷くラウム。三人を引き連れて、プレト村まで移動を開始する。幸運にも、魔獣には全く出くわさずに村まで移動することができた。


「……お? ソータじゃないか。まさか、夜の間、ずっと兎狩りを……?」


 門番の男がこちらに気が付き、驚愕する。だが、後ろに並ぶ三人を見てすぐに仕事モードに入った。


「っと、止まってくれ。あんたらは何者だ。プレト村に用事か?」


 門番が尋ねると、フォルが困り顔で前に出てきた。


「おお、その通りです。私はこのリリー様の従者をしております。フォルと申します。こちらは護衛のラウム殿。我々はそちらのソータ様に救われ、この村に連れてきてもらいました」


「へぇ……ん? ソータ様?」


 門番が不思議そうな顔でこちらを見る。それに苦笑しつつ、誤魔化してみた。


「いや、たまたま助けることができただけで……」


 そう言ってみたが、フォルは止まらなかった。


「たまたまなど……! ソータ様は驚嘆すべき御力で……」


「ハイ、止めてー」


 何故か誇らしげに色々語ろうとするフォルの言葉を遮り、一瞥して口を封じた。こちらの視線を受けて、リリー達も口を噤んでくれる。


「驚嘆すべき……?」


 門番が目を細めてこちらを見ているが、乾いた笑いで誤魔化した。


「と、とりあえず、身元は大丈夫だと思います。はい」


 そう言ってみたが、門番は首を左右に振る。


「いや、一応身分証を確認する必要があるんだが……」


 門番のその言葉に、ラウムが大きく頷いて前に出てきた。先ほどの俺の言葉を覚えているのか、口を開かずに身分証だけを取り出す。


「おお? これは、セルディカの……って、こ、近衛騎士団長!?」


 驚愕し、ラウムを二度見する門番。その後、フォルとリリーの方へ視線を向けた。


「……こ、近衛騎士が護衛する……」


 かたかた震え出した門番に、ラウムが笑みを浮かべて頷いた。フォルがこちらに目を向けてくるので、代わりに答える。


「……お、お忍びなんで、内密に」


 そう告げると、門番は小刻みに何度も頷き、道を開けた。


 あれ? 違う国の要人が来たのに、素直に門を開けて良いのか?


 そう思ったが、今はこの緩いセキュリティーのプレト村が有難い。リリー達を連れて颯爽と門番の前を通り過ぎることができた。


 村の中に入ると、まずは宿を三人に紹介する。


「こちらが宿ですね。食事も美味しかったですよ」


 そう告げると、リリーは笑顔で首を傾げた。


「あの、ソータ様はこちらに滞在されているのですか?」


「え? いや、俺は違うけど……」


 質問に否定で答えると、リリーは眉根を寄せて困ったような顔になる。


「……そ、その、もしよろしければ、ソータ様がいらっしゃる場所にご一緒できたらと思うのですが……」


 リリーがそんなことを言うので、どうしたものかと頭を悩ませる。村の中では寝るだけの家を作っている。しかし、電気も水道もきていない。そこに王女様御一行を泊まらせるのも忍びない。近くの家まで電気と水道を整備したが、そこからこの村まで通すのもポイントが心許ない。


「……と、とりあえず、村の案内をしましょう」


「分かりました」


 歩きながら考えるとしよう。そう思い、リリー達を案内することを優先にした。とはいえ、店と冒険者ギルドくらいしか残っていないが。


「冒険者ギルドはこれですね」


「やはり、村の規模に合わせて少し小さめですな」


「あ、そうなんですか?」


 そう聞き返すと、ラウムがギルドを見上げて頷く。


「うむ。各国の王都や聖都では冒険者の数も百や二百を超えてきますからな。討伐された魔獣も多く集まる為、大きな倉庫や素材の解体場があるのが普通でしょう」


「ほうほう。確かに、あんな大きな魔獣が何体も運ばれてくるなら、建物は大きくないとね」


 そう答えると、ラウムは難しい顔で唸った。


「うぅむ……あれほどの強敵はそうそう討伐できませんぞ。普通は小鬼や狼ばかりですな」


 と、ラウムが答える。やはり、死の森は特別なようだ。


「しかし、このように森から数キロほどしか離れていない村は珍しいですからな。依頼の内容が気になりますぞ」


「ちょっと寄ってみても良いですか? 一応、ラウムが冒険者として登録しておりますので」


「え? そうなんですか? 騎士なのに?」


 騎士が兼業で冒険者もしていると聞き、驚く。それにラウムは笑って答えた。


「わっはっはっは! 元近衛騎士ですからな! それに、今はリリー様の旅の路銀を稼ぐ為に依頼をこなすこともありますぞ!」


「いつもありがとう、ラウム」


 ラウムの発言に、リリーが笑顔でそう答えた。なるほど。確かに、旅を続けるには金が必要だ。ラウムが冒険者として稼いでいたのか。


 あれ? 王族なのに、もしかして貧乏?

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