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勢いだけで東方に来たわけだが、東方のホテルというか宿屋は想像以上のものだった。その肆

 前回のあらすじ、

 脱衣ポーカーに負けて全裸になる。

 そして全裸のまま浴場までまっすぐGO!

「な、なぁ?マジでこのままなわけ?」

 俺は乳首と局部を手で隠しながら全裸のまま宿屋の浴場に向かう。

「何を今更、廊下に出た時点で遅いよ?」

 パンツ丸出しの忍が俺の意見を叩きのめす。

 いや、確かに部屋を出てそのまま向かうことが確定した瞬間に俺は手遅れなのだ。

 テレビの面白動画特集なんかでシャワーでも浴びるつもりなのか酔っ払った全裸オッサンがそのまま部屋を出てオートロックの犠牲になると言うシチュは稀にあるが、今の俺はそれに近い……。

 泣きてぇ……。


 今の俺は前にダナー、後ろに忍、そして頭上にミシェルを配置してもしも他の客や従業員とエンカウントしてもこの痴態を晒さないようにしている。


 ノーパンのミシェルを上部に配置すればスカートの中が見えるかもと期待したが、残念スカートが邪魔で見えない。

「安心してください、マスター。このダナーが居る限り……各員、前進停止。徐々に後退することを推奨します」

「どうした?」

「他の宿泊客です」

「数は?」

「数は1、年齢は40前後の男性が前方約68mから接近中です」

「1人か?目視できた瞬間にヤれ」

「イエス、マイマスター」

 俺は壁にもたれかかり、忍とミシェルに後方を見張らせる。

 そして宿泊客の男性が俺の位置から見える前にダナーが愛銃からゴム弾を撃って男性が吹っ飛んだ(ようである、状況から察するに)

 彼に怨みは無いが、ここで俺たちと出会った己の不運を呪ってくれ。

 と、俺は物語の序盤に主人公を襲う謎の刺客のようなセリフで男性に詫びる。


▽

 なんとか浴場前の更衣室までやってきた。

 ふぅ……。露出癖が無くて良かった。

 いや、目覚めなくて良かったというべきか?

 因みにダナーは俺達が更衣室に入った後で先ほどの宿泊客の男性をパティに運ばせた。


「いやぁ~、楽しい旅行だねぇ♪」

(ねぇ♪)

 脱衣する手間が無い俺が一目散に湯船に向かったので、忍もすぐにこっちにやってきた。

「楽しいのは肯定するが、俺達は東方(ここ)に遊びに来たんじゃないぞ?旅行じゃなくて遠征だかんな?」

「あ、そういえばルーティトリルディ大公を倒すんだっけ?すっかり忘れてたよ」

 あはは、と笑って誤魔化す忍。

 やっぱり、こいつは使えないな。


(でも楽観出来るような相手でもない気がするけどなぁ)

「大丈夫だろ?あのダナーを相手にしてマトモにやり合えるような猛者が世の中にそう居ても困るって」

 インフレバトルマンガじゃあるまいし世界を滅ぼすことが出来るような強豪がそんなに居るわけがない。居たら世界の均衡なんてとっくに壊れて世紀末みたいな無法地帯になってるさ。

 つまり、覇王のように振舞っているあのストルスフィア女王ほどの化物が居るわけないって事。

 そして、そのストルスフィア女王とガチでタイマンすることができるダナーがストルスフィア女王以下の挌闘家に負ける道理がこの世界にあるのだろうか?ずばりあるはずがない。


 となれば、今回の闘いは圧勝じゃないか?

 ゲームバランスが残念なゲームの出撃準備画面で欠伸しながら選出している気分だ。


「ところでミコト? 君のおっぱいはこの1年で随分大きくなった気がするんだけど?」

「何言ってる?体重の変化はないんだ。なら胸囲(バスト)が変化するわけが無いだろ?」

「いやいや、分からないって。これは揉んで確認するしか……」

 忍が怪しげな手つきをし出した。

 危険を察知した俺は忍を足払いしてお湯が張っている湯船に沈める。

「ぼ、ぼがぁぁぁ……」

 大人しくなったのを確認して俺は脱衣所で自分の服からスマホを取り出してダナーを呼び出して忍の介抱を命令する。


 全く、露出プレイを強要されただけでは飽き足らず胸を揉もうとするとは……。

(じゃ、じゃあわたしはこの辺りで上がるね。お、お先に~)

 言い難そうにミシェルが半裸のまま浴場から逃げる。

 ミシェルとのイベントが起きないのは何でなんですか?

 この世界に神様って居ないんですか?



▽

 気絶した忍をダナーに運ばせてミドリが寝ている部屋に一時的に戻り、その後で俺は1人で休むためにわざわざ用意してもらった部屋に移動した。のだが、なぜかダナーがついてきた。


「ダナー?なぜついてくる?」

「当然、マスターに仕えるためです」

「そうか、でも用事があればスマホで呼び出すから向こうの部屋で待機してくるて良いぞ?」

「別にそれでも良いのですが、また知られては困ることをするつもりですか?信頼されてない気がするのですが」

 水筒とかを売って一儲けしようとした時のことを言っているのだろう。だが、今回は何も企んでいない。予定はただの夜のソロ活動である。言っておくがダナーにそういう性的な命令をするつもりはないからな?だって俺は紳士だから。


「プライベートな時間くらいくれよ。気が休まらん」

「なるほど、では引き返します」

 すんなりとダナーが踵をかえそうとしていたので最後に一言だけ忘れないうちに言っておくとしよう。


「汽車の中ではありがとな、助かった」

「気になさらないでください。アイコンタクトくらい理解できずに従者は名乗れません」

 にっこりと微笑まれた。

 どうやらアイコンタクトは従者の必須スキルらしい。従者のハードルって高いな。


▽

 プライベート空間になった部屋に入る。

 ここで皆知ってると思うがソロ活動のやり方を説明しよう。

 エロ動画などを見て性的な意味で興奮します。

 次に性感帯を刺激して絶頂を迎えます。

 たったこれだけのこと。

 なんと言うことでしょう。

 某3分クッキング以上に早く説明が終わってしまった。


 人間の刺激と言うのは感覚神経から脳に伝達される。

 つまり刺激を感じるのは感覚器官そのものではなく、脳が感じると言うわけなのだ。

 となるとソロ活動、つまりマスターベーションとは何をするのか?

 単なるマッサージなのか?

 否!マスターベーションとは脳を快楽で満たす至高の娯楽の一種なのである!


 世の中には『遺精』と言う言葉がある。

 これは性的な刺激無しに射精することである。

 つまり人間には性的な刺激無しに絶頂を迎えることと言うのは可能なのであるというわけだ。

 これがどういうことかお分かりだろうか?

 そう、人は極限の妄想だけでイケるのである!



 こんな話を聞いたことはあるだろうか?

『女性は男性の数倍の気持ち良い』と。

 これはオーガズムの感じ方が性別によって違うからと言う研究結果が出ている。

 一方で男性は一時的な痛みに強く、女性は長時間的な痛みに強いとも言われる。

 後者はおそらく女性が生理痛などを耐えるためなのだろう。

 男性は……金的か?まぁ金的だろうな。


 よく男性が出産の痛みを感じると痛みに耐え切れずショック死すると言う。

 しかし、ならば女性が金玉を蹴られた時、つまり金的のあの痛みを耐えられるのか?とも気になる。

 多分出来ない、これは脳の出来方の違いである。

 女性達は金的の痛みを理解できない、しかし男性達も生理の痛みを理解できない。

 なのでどっちもどっちに思えるが、実際は女性の方が辛いモノとして考えられる。

 これは痛みの総量だ。科学的にはこの手のモノはグラフの面積で考えられるので一時的にどれだけ刺激が男性のほうが大きくても、面積的には女性の方が男性の数倍の大きさになるのである。


 前置きが長くなったが、つまりこれを性的な気持ち良さの観点で考えてみると実は男性の方が一時的な気持ち良さは大きいのだが、興奮の醒めが非常に大きいので女性の方が気持ち良いのだと考えられるわけである。男の場合、基本的に余韻が無く、醒めるのだ。

 童貞の俺が言うのもおかしいが、男性は所謂『賢者タイム』時に女性とイチャイチャする気にはなれないが、女性はまだまだ性的絶頂が続いているからピロートークをやりたいらしい。

 こういう違いだな……あぁ、ピロートークしたい……。



 長々となぜ俺がこんなことを説明したかと言うと、俺が男の体を経験し、今は女の体を経験中であるからだ。

 確かに女の体の性感帯は気持ちが良い。

 しかし、男性諸君よ。

 君らが男の時点で君らは男のような感覚しか味わうことが出来ないのである。

 いくら『ひゃぁ!あっ、あっん♪ふぅぁ~♥こ、こんなのダメだって……こんな気持ち良いことしてたら頭の中、まっしろになって何も考えられなく……あっ♥んくぅぅぅっ♪だ、ダメ!ダメなのに、て、手が、手が止まらないよぉ~♥』等とオ○ニーに勤しんで気持ち良くなったとしても、行為が済んだ後にこんなことを思ってしまうはずさ。


「俺……なにやってんだろ……あぁ、彼女欲しい」

 とね。これが賢者タイムである。人間の脳ってのはそういうものなのよ。あぁ、彼女欲しい……。

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