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虚構の世界に介入して登場人物を全員幸せにするまでの物語、パーフェクト・バージョン!  作者: 秋乃晃
14回目の偽アカシックレコードの世界=修正された虚構の世界編
76/100

「3rd challenge」


 3度目の正直って言葉もある。

 今回こそはなんとかやってやるからな。

 見とけよ?


 というか。

 あの白菊美華、最後に『バレちゃいました?』なんて言いやがって。

 あいつマジ許さねえ。


「篠原さん、作倉部長がお呼びです」


 身体を揺すられて「ふぇっ!?」と腑抜けた声を出して飛び起きた。

 またここか。

 ここから始まるんだな。


「居眠りなんて珍しいですね」


 もう3度目ですよこのやりとり。

 と言い返したくなるが、この霜降先輩にとっては『真面目で超優秀な篠原幸雄さんが自分の席で居眠りしているなんて!』と心配してくれているんだから突っかかるのはお門違いってもんだ。


「ここはあんたの寝床とちゃうで」


 声のした方向を見ると、霜降先輩の隣に天平先輩が立っていた。

 並び立つと頭ひとつぶんの身長差がある。

 2人は同い年のはずなのに、天平先輩の顔立ちが全体的に幼いせいか姉妹のように見えてしまう。


 いやいやいやいや!

 なんで!?

 あ、幻覚?


 天平先輩は一旦冷静さを取り戻すために自席に座り込むおれに近付いて「上司が呼んでるって言っとるやろが」とおれの腕を掴んで無理矢理立ち上がらせた。

 小さい身体からは想像できないような力強さだ。


 幻覚じゃない……?


「なんで天平先輩が本部にいるんです?」


 過去2回とも、天平先輩がこのシーンには現れていない。

 天平先輩と顔を合わせるのはオーサカ駅に到着してからだ。

 仕事で天平先輩の能力【転送】が必要になってオーサカ支部から本部に来ている、という可能性はあるが、あ、もしかしておれ、これまでより寝てる?


 腕時計で時間を確認する。

 ……寝過ぎてるってことはないな。


 じゃあなんで?


「いちゃ悪いんか?」

「悪いわけではないんですけど……」

「けど?」


 睨みつけられた。

 おおこわ。

 子犬がガルルルルと唸りながら敵を見上げているような顔をなされている。


 わざわざ8月26日から12月23日を復習してきたのに。

 初っ端からイレギュラーな出来事が発生してるじゃん?


「天平先輩はオーサカ支部の所属だし、この時間はそちらにいるもんだとばかり」


 これぐらいの差分は許してほしい。

 許容範囲であってほしいな?


 おれの言葉に、天平先輩は「支部ってなんや? あたしの知らんうちにオーサカに拠点が増えたん?」と聞き返してきた。


 え?

 その返しはおかしくない?

 ご自分の所属されているオーサカ支部をお忘れで?


 困り顔の天平先輩が霜降先輩に助け舟を求めて目と目を合わせると、霜降先輩は首を横に振った。


 マジ?

 オーサカ支部、ないの?

 おれが13回目の世界の2周目している間に潰れた?

 いやそんなバカな。


 潰れたというか元々なかったみたいな言い方してるじゃん?


「まだ頭ん中寝とるんか?」

「……そうかもしれないんで、ちょっと顔洗ってから作倉さんとこ行きます」


 天平先輩はおれの腕から手を離すと「おうおう。そうせいそうせい」と言ってポケットからしわくちゃのタオルハンカチを取り出して渡してくれた。

 雑!






【3rd challenge】


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