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虚構の世界に介入して登場人物を全員幸せにするまでの物語、パーフェクト・バージョン!  作者: 秋乃晃
13回目の偽アカシックレコードの世界=虚構の世界編
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「Insulate」


「ようこそオーサカ支部へ」


 出迎えてくれたふくよかな中年女性。

 彼女が築山蛍だ。

 その柔和な表情には“大悪人”という言葉は似つかわしくない。


 しかし過去は揺るがない。

 現在がどれほど清く正しかろうと罪は償うべきだ。

 お前もそう思うだろう?


「築山支部長。出頭しましょう」


 ストレートすぎない?

 築山、面食らってるじゃん。


 もうちょっと言葉選ぼうよ。

 尖り方が鋭角すぎるんよ。


 導が慌てて「ささはらぁ! しぶちょーに失礼じゃ!」と割って入る。


 まずは軽いジャブからいけって。

 初っ端からストレートで殴るやつがいる?


「ぼくにはたまたま同じエアプレーンに乗っただけの他人の命を奪ってまで賞賛されたかったあなたの気持ちがわかりません」

「わしには何の話をしているのかわからないんじゃが!」


 まあ、導がまだ小さい頃の事故だもんな。

 ニュースを見ていたとしても、家族や恋人が巻き込まれたでもなければ記憶には残っていないだろう。

 天平先輩は自身のスマートフォンをポケットから取り出してから、その場からしれっと離れていく。


「イクスキューズは法廷で聞かせてください」


 先ほどまで歓迎ムードだった築山は一転して「作倉はどうしてこんな虚言癖のガキをよこしたのかな?」と吐き捨てた。

 虚言癖だってさ。

 笑わせてくれるじゃん。


 おれは真実しか話していないが?

 いつまでも隠し通せると思うなよ。


「しぶちょー、ささはらはトウキョーからの長旅で疲れてるんじゃ! きっとそうじゃ!」


 導があわあわしながら誤魔化そうとしてくれている。

 残念ながらおれもぼくも疲れてはいない。

 かつてないほどの敵愾心に溢れているところだ。


「せやな。メシでも行こか?」


 戻ってきた天平先輩がぼくの腕を組んできた。

 上目遣いに目を合わせられてドキッとする。


 あぶねー。

 一瞬で恋に落ちるところだった。

 イケメンはお得だなあ!

 女の方から寄ってきてくれるなんてさー!

 導が「わしも行く!」と立候補しているけれどお子ちゃまは自分のところの家族とごはん食べようね!


「つっきーも行かん?」


 天平先輩は築山も誘おうとしているようだ。

 なんでや。

 絶対ついてこないでしょ。

 天平先輩ーどこ連れてってくれるんですかー?


「そのホラ吹きを治すいい病院を探しておこうかな」


 おーおー。

 言ってくれるじゃん。

 二度と明るい場所を歩けないようにしてやる。

 覚悟しとけよマジで。


「わしは!?」

「導にはお土産買うてくるから」

「えええー!」





【Insulate】


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