エピローグ、『愛でお腹はふくれないけど胸はいっぱいになるのです』
分かれ道。
ここでボクと彼女の帰り道は別れる。夜なら家まで送るけど、今はまだ明るいからね……過保護すぎると邪魔者扱いされそうなので、送りたいけど我慢。送りたいけど!
「……帰ってきたわね」
「何もかも皆懐かしい……マヂで」
まあ、そんなワケでようやく赤月市に帰還完了です。
やっぱりあの上り坂はハートブレイクで体力限界で、正直――
「「――お腹すいた~」」
二つの声が重なる。
そんな偶然に顔を見合わせ、ボク達は笑い合う。
……なんか今日一日で想像以上に急接近な感じでドキドキです。これからはもっとゆっくり階段登らないとボクの精神が持たないかも知れません。コメは簡単なのにラブって難しいよ。
「ねえ、次は初心に戻ってスタミナへ行きましょうか」
白さんが不意にそんな事を言い出して驚いた。
そこはボク達が本当の意味で出会った戦場。
でも、二人で一緒には行ってはいない戦場。
そこに行く事に異論など有りはしない。むしろこちらから誘いたいぐらいだった。
だから、ボクを驚かせたのは別のこと……。
「白さんから誘ってくれたのって初めてだね」
「……そうだったかしら?」
「そうだよ」
思えば、いつもボクが誘っていた。自分も彼女も楽しめるように、新しい店を探して……なかば強制で一緒に行く事になったハズなのにノリノリで楽しんでたよ、アハハ。
「……で、行くの? 行かないの?」
「モチロンお供しますよ、姫様。一緒にバイキングしよう」
「……一生、でしょう?」
その呟きは、ボクの胸を暖かい気持ちでいっぱいにしてくれました。満腹です。
――END
前、GAに投稿するため削除したやつ……落ちたので少々修正して再投稿。
ちなみにニンニクチップの話などネタな話はほぼ実話。フィクションなのは……察してください(涙




