その9 病人の苦労
こんにちは、これで登場十回目の翔太だよ。
今日は土曜日や日曜日じゃないから、日民家には誰もいないはずなんだけど・・・
「あ、翔太。何か欲しいの〜?」
智奈ちゃんは学校がソーリツキネンビだとかで休みなんだとさ。
「ゲホッゲホッ!智奈、タオル替えてくれへん?」
英恵さん(久しぶりだね)は風邪でダウンしたんだとさ。
「ちょっと待ってて、お母さん。」
んで、ちょうどいいから智奈ちゃんが英恵さんを看病してるんだとさ。
「はいお母さん、タオル〜!!」
ドサドサッ!!
う、うわぁ、タオル雪崩だよ・・・
「と、智奈!こんなに持ってきてどないすんねん!」
うーん、あれは看病っていうのかなぁ?
いたずらしてるようにしか見えないや。
さて、時と所かわって台所。
智奈ちゃんがお粥を作っている。
「ふっふっふ、唐辛子入れて、と。」
お粥・・・?
「唐辛子は体があったまるもんね〜。」
なぁんだ、またいたずらで入れたのかと・・・
「そこでイモリのしっぽ投入〜!」
え゛っ!?
「カナちゃん特製の黒焼きだよ〜♪」
あの黒マント!!
「智奈、なに入れようとしてんのや・・・?」
「あ゛・・・」
ナイスタイミングで英恵さんの登場。
「べ、別に、唐辛子とかイモリのしっぽとか入れようとしたりはしてないよ!!」
「自分でバラしてるがな。・・・ってちょいまち、イモリのしっぽ!?」
そりゃびっくりするよね。
「カナちゃんにもらった特製黒焼きだよっ!」
「開き直ってんとちゃうで!母親を殺す気かいな!?」
「えへっ☆」
「えへっ☆、とちゃうわ!」
・・・・・・
うん、これは一時間ぐらい続くかな。
ふふっ、楽しみ♪
・・・三十分経過・・・
「はぁ・・・、風邪やのに怒らせんといてや。」
「・・・ごめんなさい。」
あ〜あ、終わっちゃったぁ。
英恵さんは風邪で元気無いし、智奈ちゃんは智奈ちゃんで遠慮してたみたいで、思ってたよりも続かなかったよ。
あーもう、つまんないや。
「疲れたし、もう寝てくるわ。」
「おやすみ。」
英恵さんは部屋へ戻って行く。
智奈ちゃんはなんだか静かだ。
さすがに反省・・・
「次は氷枕に・・・ふっふっふ・・・」
してないよね、やっぱり。
今、智奈ちゃんが英恵さんの部屋へ行ったところ。
多分そろそろ悲鳴か何かが・・・
「つ、冷たっ!!?」
そりゃ冷たいよね。
だって液体窒素(約−196℃)詰めてたもん、氷枕に。
どこから入手したんだろう?
「と〜も〜な〜」
「きゃ〜!ご、ごめんなさい〜!!」
また怒られてる。
でも、どんなに怒られても智奈ちゃんは懲りないんだよね、多分一生。
ま、楽しいから別に構わないや。
ただ・・・
「だって、だって翔太が〜!」
毎回毎回、僕を巻き込むのはいい加減やめてほしいよ、ホント。
この「にゃんだふる人間観察記」を読んでくださって、ありがとうございます。
こんな駄文でも読んでくださる人がいるということに、驚きを感じつつ過ごしている今日この頃です。
さて、本題です。
実は、そろそろ次の連載か何かを書きたいと思っております。題名は、「集え!我らが変人たち(仮)」となる予定です。(あくまでも仮なので、いくらでも変わり得ます)
多分ジャンルはコメディー&ファンタジーです。連載開始し次第後書きで連絡しますので、読んでくださると嬉しいです。
ちなみに、この「にゃんだふる人間観察記」はまだ続くと思います。こちらもよろしくお願いします。
久乃 銑泉