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レジスタンス  作者: 藍
4/4

4話 夕暮れの獣

「ネットカフェ楽しいな!」


「ですよね!ですよね!」


ポス、赤松は狭い道を通る時誰かと肩が擦れた。


「あ、あれ?なんか(右肩外れてやがる!?)」


「あ、すいません」


ポク、骨が嵌るような音が鳴る。


「へ?な、え?」


その音と赤松の肩が擦れた瞬間。


「さぁ行くか」


「(何も起きてない?俺身体が疲れているだけか)」


こうして二人は存分にネカフェを楽しんで時間になって出る。


「あ、貴方はさっき肩がぶつかった人」


「?」


「貴方、貴方だけだ、僕を助けてくれられそうなのは」


するといきなり彼が名乗る。


「私の名前は日暮カナ、そう言います」


「ッッッ!?」


ビグウ!?っと赤松は震え上がる、心臓の子供が胸に耳をつけずとも伝わるほど赤松の心臓の鼓動が明らかに変わる。


「どうした赤松、そんな焦って」


「彼は、蜩、夕暮れの獣と呼ばれるもの、ブラジリアン柔術で日本3位まで登り詰める程の腕十字のエキスパートです!無自覚なまでに染み付いた骨折術や関節外しの技術を極め、一般人の不動関節を含む360個の関節を外してしまい、出禁になった、激ヤバ野郎ですよ!」


「はぁ、なるほど」


「貴方は私と肩をぶつけて一切の影響が無かった、反射的脱臼行動クルクスから外れる存在なんて初めて見たんです!私とヤリ合ってくれませんか!」


※Cruxは、ラテン語で十字架の意味を持つ。


「もう脳味噌がブルーライト漬けで疲れたんだ、明日にしてくれないか?」


「ダメダメ!我慢なんかしないよやっと見つけた宿木なんだからさぁ!ふんぬぁ!」


「、、、何?」


「は?(おかしいだろこれ、は?人間か?いや、まず動物?関節技が、掛けてる筈なのに一切合切効いてない、有り得ない、なんで?人体構造どうなってんだこいつっ)」


「あのマジ帰りたいんで邪魔しない」

「なら肉はどうだね!」


ブラジリアン柔術以外にも整体・マッサージと言った技術に精通している、その技術を応用して、相手の筋肉の弛緩を刺激から制御して、緊張や緩和をさせたり、神経の圧迫や骨格の歪みをもたらせるのだ、より効率的に人間を捻じ曲げるためにだ。


「ふん!?(え?嘘つけよ、んだよこれ、、、人体構造が色々と可笑しい、まずなんでここまでの技術を受けて微動だにしないんだ、、、まさか無気力なのか?つまりは非戦闘状態にも関わらずこんなんなのか?基礎スペックから何から何まで生物としてかれてやがる)」


ゴムを被せた大岩?弾性を持った金剛石ダイヤモンド?何も違う、此奴の肉体を言い表すにしては余りにも稚拙チャチな比喩表現であろう。


「なら防御?いや違うな、技術的な一切合切をしていない故、純粋無垢な耐久性能か、その耐久性を貫通すれば良いんだろう!」


ドス!日暮が堂嶋へ更に干渉、喰って掛かる!整体・マッサージで学んだ“揉”の極致、撫でるほどの動作(実際は特定の経絡、経穴、奇穴を特定の順番・良い力加減でなぞりながら突いてる・押してる)で相手を即死させるというもの、その名も指圧殺術。


しかしながら。


「さっきからなんだよ、くすぐってぇな、その指で神経をくすぐるような動作辞めろや」


「ッッッ!?(あり得ない、あり得ない、あり得ない、生物として可笑しいだろ!本来ならブチブチやぞ?、、、密度が違う、明らかに)はぁぁぁ!」


「あの、反撃はしないんですか?堂嶋さん」


「いや、だって別に攻撃されてないし」


「ッッッ!?(攻撃とすら認識して貰えないのか!)」


日暮のプライドはズタズタになった、もはやそこに有るのは上を歩けば一生涯その陸地を生き物だとすら知覚は出来ない、それ程の差が有る、だがそんな蟻から見た白鯨の雄大なまでの差ですら今の日暮と堂島の差を言い表すにしては矮小過ぎて居た。


「ん〜」


徐々に髪色が灰色に、ボギャリ、ヌチチ、堂嶋の肉体からは異質異様な音が鳴り響く、赤松がその堂嶋を見て思ったことはただ一つ、絶望感だった。


紛れもない現実が、開放骨折して治療した傷が疼く、その痛みは非現実的で現実感の無い光景ソレに痛覚が現実味を帯びさせる。


「ッッッ!?」


関節が組み換わり骨格が本来の姿形に遡行(変容)する、収納していた筈の筋肉、筋肉を筋肉で押し固めて筋肉と言う監獄に投獄して居た筈の筋肉が脱獄し掛かる。


初めから解剖学的に筋肉の付き方がまず可笑しかったのだ、それは何故だったか、理由は単純明快、普段から異常に収縮している状態だったのだから。


「ふ〜、危ない危ない、普段から制御、抑制、皮膚を突き破り掛けて肉割れしちゃうだろ?普通の病院じゃあ治せないんだから辞めろよ!」


筋繊維一つ一つが世界屈指のボディービルダーの大腿四頭筋ですら比較土俵に上げられない程に肥大化していた。


「ふ〜」


堂嶋が息を一つ吐く頃、身体がいつもの165cm代に戻り、髪も灰色からいつもの黒い髪色に戻る、そして分かってしまった、肉体を肉体が小さく見せまくってる上に更に洋服の着痩せ効果まで利用していることに。


「(皮膚すら次元が違う、これだけの肥大している筋肉を筋肉と同時に密閉する役割なんだ、彼の表皮は、抑えて封じ込める皮膚、押し込め圧縮し締め付けそして閉じ込める檻の筋肉、堂嶋さん、あんたぁ一体)え?小指を親指で引っ張って?」


もし仮にデコピンを五指の内に最弱を決定するなら、間違い無く小指で有る、筋肉が細く、親指で弾くための溜めを作るのが難しく、弾く力自体が弱いからだ。


「(頼む、死なないでくれよっ、抑えて、抑えて、チョンするくらいだ、ちょんって)ちょ」


ドゴォン!堂嶋の指から空気の塊が大砲のように弾かれた、小指デコピンの余波に打付ぶつかると日暮は回避仕切れず顔面中央より少し左に被弾した瞬間、深く空気の大砲が減り込みそのまま地面に勢いよく後頭部から着地、地面に深々とコンクリートの地面に減り込み瀕死に。


「あ」


ドゴォーン!小指から発された空気の輪(渦輪)は近くのガードレールを何十本と抉る、何故か?その空気の大砲は地球の自転コリオリに力でも得たと言わんばかりの回転エネルギーを持っていたのだ、竜巻程度の小規模、サイクロン程度の風速、そのクライの弱めの台風化しつつ有るソレを。


「あ、まず、ふん!」


ドゴォーン!堂嶋が小指デコピンを再度放ち、逆回転の空気の大砲がそれを相殺、宙に打ち上げられたガードレールと抉れた地面、屋根の一部、壁の一部をキャッチ、下の位置に一瞬にして嵌め直した。


スチャ、華麗に着地を決めた。


「(あの時肩車した時、異常に重たかった、失礼だから口を謹んでいた、それを分かってか近くの壁に寄っ掛からせて、堂島さん自身もそこに全体重を置いていた、気を使わせてしまっていたのか俺は、、、それは兎も角)堂嶋さんすっげぇぇぇ!✨✨✨」


「何がだよ」


こんな堂嶋にはなんの得も無い小競り合い(一方通行)が発生して居たのだった。


「昨日は楽しかったなぁ、次はどっかおすすめ有るか赤松」


「堂嶋さん、良くぞ聞いてくれました、有りますとも!沢山有りますとも!」


「お前が白色之悪魔ホワイトデビルか!」


「?」


給食の休み時間中にゾロゾロと不良らしき服装の男達が入ってくる。


「藤介様の、おなーりー!」


すると不良が全員、頭を深々と下げ真ん中を開ける、するとそこにレッドカーペットが敷かれ、1人の男が堂嶋に近づく。


「やぁ、初めまして、僕の名前はゆたか藤介ふじすけと言う」


豊が堂嶋に手を差し出した。


「要件は?」


「君を勧誘しに来た、僕達平塚市を取り仕切るグループ、フィファリアスのボスやってます」


するとスルリと名刺を取り出して頭を下げる。


「貴方様の実力、それを私に運用させては貰えませんか?」


彼の実力は本物で有る、投資家の夫婦の元に引き取られた捨て子で有り、彼は幼少からそれについて知識を授けられた。


その後はスマホを買い与えられてそれからアプリを入れる、”一円資金運用”と言う独自の資金運用をアルバイトをしながらやり繰りする。


そこから十円資金運用→十五円資金運用→百円資金運用→千円資金運用、、、本当はもっと細かいがそれは抜粋、そのようにして着実に資産を形成、中学校に上がり2年生になる頃に億り人に成って居る。


「我が本丸、盤石に仕上がっております、私は貴方のような実力者が現れるのを心よりお待ちしておりました、貴方のような御方にお支えする、それが私の夢で有ります、どうか、どうかNo.1の座、貴方様に座って貰いたい」


「、、、え?堂嶋さん!やったじゃ有りませんか!あの軍資金に置いて他の八市総長の中で、群を抜いて潤沢、上納金を納める幹部格もまた知略に優れていると聞きます!」


「はぁ?俺にその組織を纏めろと?」


「そこは私にお任せを、私は代理としての立場で完全にサポートに徹するつもりです、ただ私が、私が望むのは、他を圧倒し戦わずして相手を蹂躙する破壊兵器になって欲しいのです!」


「、、、えぇ〜?煽て俺を煙突屋根からモクモク立ち昇らせる気か?馬鹿にしてるならとっとと失せな、都合が良すぎる」


「そんな意味じゃ無いです!誓いましょう!貴方と私がタッグを組めばこの湘南エリアの制覇が夢では無くなるんです!」


もの凄い顔を近づけて真剣な眼差しを堂嶋に向ける。


「顔が近いな、、、はぁ〜仕方ないな、だが約束してもらうぞ」


「なんでもバッチ来い!」


「もし仮に、俺が嫌な思いをするようならば、即刻この契約は破棄させて貰う」


「嫌な思い、ですか?具体的には」


「不特定多数の無関係の人間を巻き込んで悪事を働いたり人が嫌になる事全般だ、顔が見えない範囲まで気を遣えとか、悪人を叩き潰すなとは言わない、兎に角一般的な生活が崩れないんだったらそれでいい」


「そんなので良いんですか?勿論です!」


こうして堂嶋は中学生に進級してから数日程度で八市総長の地位に上り詰めるのだった。

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